M1 Ultraの本当の性能は?
M1 ultraを2個連結させたM1 ultraがプレゼンで発表されましたが、なんかM1MAXが2個くっついて、性能もMAXの2倍になるのかなって考えるとめちゃくちゃロマンがありますね。
今回は、M1 MAXが2個くっつくことによってどのような利点があるのかを紹介します。
もし今Mac studio を悩んでいる方は、参考にしてみてください。
さて、初めにプレゼンでCPUが2個並んでいた動画があったと思いうんですが、実際に基盤の上にCPUを2個乗せて動かすことも可能です。
しかし、この場合はCPU同士の通信速度が問題になります。
CPUの間を行き来する速度が遅いため、CPUがそのデータ転送を待たないといけない時間が発生し、全体的な性能が落ちます。このような遅延をレイテンシと呼びます。
M1 MAXはもともとM1 ultraを構想して作られていました。
中のインターポーザーと呼ばれる、M1 MAXどうしを接続できるコネクタを用意していたようです。
この接続部分の存在が噂された当時は、M1 Duo (当時はM1 Ultraはこう呼ばれていた) がくると賑わっていました。
このコネクタで接続することをAppleは「ultra fusion」と呼んでおり、名前のカッコヨサからわかるように、とっても速く通信することが可能なのです。
間の通信が遅いと足を引っ張って、全体の性能が下がる、逆をいうと、速ければ全体の性能も上がります。
M1 ultraは2個の連結構造でありながら、その性能もあまり落とすことなく2倍のM1 MAXを誕生させることに成功しました(by Apple)。
つまり、
M1 MAXの全てのコアが2倍になった
ということです。
しかし、たとえ高速のインターフェースで接続されていると言っても、完全なM1 MAXの2倍の性能が発揮できるというわけではありません。
それ以外、さまざまな問題により2倍の性能が発揮できない可能性があります。
まず、全部2倍になったコアを全部使いこなせるのかという問題があります。
仮想環境でコア数が必要だったり、マルチコアを多用する重い動画の書き出しとかには、たくさんのコアがあった方が間違いなく快適になるでしょう。
しかし、漠然と性能をアップさせたいという要望には、全てのコアが答えてくれるのかはわかりません。
特に、CPU,GPUだけでなく、その他のビデオエンコード、デコードエンジンなども2倍になっているので、これらは動画編集で使わないと無駄な投資になってしまいます。
なぜなら、動画の書き出し以外では使えませんから。
拡張されたメモリもそうです。必要以上のメモリは活用できないことはもうすでにお分かりだと思います。
個人的には、M1 Ultraが必要なのははやり高品質のプロ動画編集や開発などでしょう。
つまり、物理的にコアが2倍になっても使いこなせないということです。
そして、たとえ全てのコアを活用できたとしても、性能が2倍になることはないと思います。
M1 studioには大きめのクーラーが2個搭載されています。
もちろん、インテルの上位なんかに比べたら全然小さいですけど。
M1 MAXが2個入っているということは、もちろん発熱も大きくなります。
この発熱が性能の低下につながる可能性もあります。
そして、アップルはインテルのCPUに比べてかなり低電力であることをアピールしていました。まだ商品がでてないのでわかりませんが、電力制限などによって性能の低下があるかもしれません。
つねに高性能のチップは電力と冷却との間で、いかに性能を高めるかが重要です。
もちろん、「ultra fusion」がかなり速いといっても、2個連結スタイルなのでまったくレイテンシがないとも言えないと思います。
その結果、M1 MAXが2個なので理想としては2倍の性能、
しかし、いろいろな遅延を産む要素があるので、いかにその2倍の理論性能に追いつけるかがM1 ultraの目標だと思います。