「PetbottleRocket」感想 ~ピーナッツくんは部屋の窓を開けた~
1. 冒頭
ピーナッツくん3rdアルバム『Walk Through the Stars』収録楽曲のひとつ、「PetbottleRocket」(ペットボトルロケット)のMusic Videoが、YouTubeチャンネル"ピーナッツくん!オシャレになりたい!"で2022年7月22日(金)に公開されました。
MV製作
楽曲製作
lyrics:ピーナッツくん
Music Producer: nerdwitchkomugichan
Mix&Mastering: 玉田デニーロ
この記事では、「PetbottleRocket」のMV、歌詞、この曲でピーナッツくんが表現しようとしていることなどについてちょっとした感想や考察を述べていこうと思います!
2. MV振り返りスクショ
MVのスクリーンショットをいくつか撮らせてもらったので、流れを簡単にかいつまんでおさらいしようと思います。(ここは飛ばし読みでも構いません。画像たくさん貼ったせいで記事の縦幅が長くなっちゃいました)。
流れを言葉でおさらいすると、
1番:真夏の田園風景をドライブ → ペットボトルロケット発射 → 車大破してバーチャル亜空間へダイブ → バーチャル亜空間内を飛ぶ → 星型の光の中へ
2番:自室・撮影部屋で日常生活 → スイッチ押したら大型ロケット発射 → 振り落とされて上空を舞う → 星型の光の中へ → 撮影部屋の襖の中にはたくさんの思い出が…(end)
3. MV感想
3-1. かわいい
MVの感想ですが、ピーナッツくんがとてもかわいいですね。あとぽんぽこさんもとてもかわいいです。
3-2. サビの解放感が表現されている
この楽曲は何といってもサビに入るときの一気に解放される感じがたまらないと思うんですが、その解放感・爽快感がMVでも申し分なく表現されていてめちゃくちゃ気持ちいいですね。
3-3. 撮影部屋の再現度がすごい
MV内でぽんぽこさんが登場する撮影部屋のシーンですが、これはぽこピーの二人がいつも使用している特注背景素材を忠実に再現したもののようです。MVの元ネタとなった背景の製作者はだいまるさんです。
参考動画:ぽんぽこちゃんねる - 撮影場所が変わります。(2022/03/27)
この引っ越し動画を見てから改めてMVをチェックしてみると、その再現度の高さに驚かされます。なんとカレンダーの日付から、水槽内のレイアウトまで忠実に再現されているのです。クリエイターとしてのこだわりを感じますよね。
3-4. 日常生活の空間さえもバーチャルに作られたものなのか
1番のサビが終わってから2番に入る箇所で、めちゃくちゃバーチャルっぽい(ポリゴンっぽい?)空間から一気に日常生活の場面に入ります。その切り替わりの場面が以下です。
ポリゴンっぽいデジタル素材たちがどんどん普通の住空間になっていきます。このMVのピーナッツくんが住んでいる世界はデジタルソフトで構築された世界なのだということを否応なく意識させられます。
この後ぽんぽこさんと仲良く過ごす場面が映るわけですが、その前にこのような場面を見せられてしまうと、「やっぱりピーナッツくんの過ごす空間はバーチャルに(仮想現実的に)構築されたものにすぎないのかなぁ」などと考えてしまいます。
1番のサビでピーナッツくんが迷い込むバーチャル亜空間に撮影部屋の家具がいくつも登場するんですよね。
バーチャル亜空間(造語)に積み上げられた素材たちは、後に綺麗に配置される予定の家具たちが、まだPCのフォルダの中で雑多に保存されている状態を表しているかのようです。(そう捉えてみました)。
確かに、彼らの姿やキャラクターとしての存在、そして彼らが過ごす空間はデジタルの世界に作られたものなのかもしれません。しかし、その作られた空間の中でピーナッツくんたちはこうして現に生きているのだし、そうしたバーチャルな存在が私を現に楽しませてくれているというのはこの世界で起こっている紛れもない事実なのです。それに、言ってしまえば、彼らの活動内容や彼らが存在する空間を製作しているのは正真正銘私たちと同じようにこの世界を生きる人々なのですから、特に空虚な気持ちにはなりようもないですね。
歌詞でも次のように歌われていることですし、作り上げられたものが揺らぎ崩れ去っていく恐れ・不安定さといったものがこの曲では少し歌われているように感じました。
3-5. 1番サビと2番サビの映像が対比になっているのかもしれない
サビの後半、「眺めているよ 目下/行きあたるはずさ どっか」の箇所の映像が1番と2番との間でそっくりになっていることに気づきました。
1番と2番との間で、ピーナッツくんの飛び方とカメラワークが最終的に星型の光へ向かうところまでほぼまったく同じですね。
ここで私がこの対比を踏まえて、「1番と2番との間では、ピーナッツくんの心境・状況にこのような変化があったのだ」などといった解釈を(説得力ある仕方で)提示できたらかっこよかったかもしれません。しかし、正直なところ特にいい解釈を思いつかないので、残念ながら「1番と2番で同じ動きしてますね」「飛ぶの気持ちよさそ~」としか言えません。
3-6. ワンマンライブとの関連性
MVを見ていて、ピーナッツくんのワンマンライブツアー『Walk Through the Stars Tour』との関連性をいくつか見出して胸が熱くなったので、少し語ります。
手始めに簡単におさらいすると、『Walk Through the Stars Tour』はピーナッツくん5周年を記念した以下3つの公演を含むライブツアーです。
東京公演:2022/07/04 @渋谷Spotify O-EAST
大阪公演:2022/07/11 @大阪BIGCAT
バーチャルライブ:2022/08/28 (Supported by Moment Tokyo)
(※チケット情報など不明。今後の発表を待ちましょう)
そして、最初の東京公演に関しては大変ありがたいことにYouTube無料生配信が行われました。これによって多くのピーナッツくんファンたちの魂が救われ、心がそう腐らずに済んだのです。かく言う私もその一人でした。私は東京も大阪も現地には行けませんでしたが、東京公演はYouTube生配信で大変楽しませてもらいました。
【私がMVに見出したワンマンライブとの関連性】
① 360°カメラ
② 宝箱とファンレター
③ 風船
① 360°カメラ
ぽこピーの撮影部屋をぐるっと見回すシーンの最初に、ピーナッツくんがカメラを設置しているように思われる箇所があります。(MVを再生してみてください)。
このカメラ(があるとして)は単に三脚を使っただけの普通のカメラなのかもしれませんが、MVではカメラワークがグルっと一周回るものですから、私はワンマンライブでぽんぽこさんが使用していた360°カメラを連想してしまいました。
一方で、東京公演ではぽんぽこさんが360°カメラのスイッチを入れ忘れたままステージに立っていたことが明らかとなり、大いなるリアルタイムやらかしをファンたちに共有してくれたという思い出深い出来事がありました。
他方で、大阪公演ではしっかりとスイッチが入っており、ステージ上に設置された360°カメラの映像をYouTubeで公開してくれたのでした。しかも、東京公演では生配信されなかったアンコールの部分だったので、サービス精神に満ちた動画となっていて、本当に嬉しく思いました。
【360°】幽体離脱/はなとなり @BIGCAT大阪(2022/07/15)
この動画見るとめちゃくちゃ感動します。歌のパフォーマンスも素晴らしいですし、ステージ上で至近距離からぽこピーの着ぐるみを凝視できるという夢のような体験ができるのです。
② 宝箱とファンレター
撮影部屋には宝箱が置かれており、何やら紙が挟まっているようです。これがいったい何なのか気になるところですが、動画のコメント欄などを見ていると、どうやら「ファンレターなどを入れる用の宝箱ではないか」という説があるようです。
ぽんぽこさんは、「【突撃】ぽんぽこに100の質問やってみた!!」(2020/06/26)という動画で、「最近買った高い物は?」という質問に対して、次のように答えています。
そしてその2か月後の動画で、宝箱を実際に使っているという話がぽんぽこさんの口から語られています。
「ぽんぽこやらかし百物語~本当にあったこわい失敗談~」(2020/08/31)
新撮影部屋に置かれた宝箱がどういうものなのか、結局のところはわかりません。しかし、わざわざ紙もはみ出していることですし、さしあたり「ファンレター用の宝箱かな」と思っておいてもいいのではないでしょうか。
この宝箱はワンマンライブを踏まえると一層感慨深く感じるアイテムだと思います。というのも、東京公演&大阪公演では、ぽこピーに対するファンレターの受け取りが行われていたらしいからです。
ワンマンライブでファンレターを渡した人からすれば、ライブ後に公開された「PetbottlerRocket」MV内に、ファンレターを大事に取っておくための宝箱が配置されているというのはとても嬉しく感じてもいいようなことなのではないでしょうか。「私が渡したファンレターもあそこに大切に保存されていたりするのかな…?」と想像することが可能になると思うからです。
(※ぽこピーLINEオープンチャットで宝箱の情報源を教えてくれた方々、改めてありがとうございました)。
③ 風船
『Walk Through the Stars Tour』では、現地でピーナッツくん柄の風船が配られていました。みんな現地であまり声を出せない代わりにこれを振っていたのです。
私は現物を持っていませんが、画像で確認する限りすごくシンプルなデザインで、見ているとたまにニヤけそうになります。
そんな思い出のアイテムが、MVでは最後に登場します。
ワンマンライブで観客たちが振っていた風船をピーナッツくんが襖(ふすま)の中にペットボトルロケットと一緒に大切そうに仕舞っているのを見ると、ファンたちと過ごしたライブの思い出をピーナッツくんも大切にしてくれているように感じられて、ファンとしてはとても嬉しく思いますね。
最後に開けられる襖の扉は、MV中盤の時点で少し開いた状態で映っていました。だいまるさん作の背景素材では閉じていたので、ここはMVオリジナルの演出だと考えられます。
中盤の時点で少し開けられていたおかげで、ラストで開かれたときに唐突さが減じられているのかもしれませんね。
4. 楽曲考察
何はともあれ、まず歌詞には一度目を通す必要がありますね!
4-1. アーティスト本人のコメントを読むに越したことはない
ピーナッツくんは「PetbottleRocket」で何を表現しようとしているのか? ということについて考えてみたいです。
ただ、正直なところ私が考察する余地はあまり残っている気がしていません。というのも、インタビュー記事においてピーナッツくん本人からほとんどのことが語られている感じがするからです。
KAI-YOU Premium - 『Walk Through the Stars』全曲解説 ピーナッツくんが感じた限界と、希望の歌たち (2022/06/17)
有料記事なのであまり内容について細かく言及するのは気が引けますが、KAI-YOU CEOの米村智水(わいがちゃんよねや)さんは、次のような大らかなスタンスでいてくれているようです。
スクショとコピペはNGですが、感想は嬉しいとのこと。
この全曲解説記事の「11. PetbottleRocket」の箇所では、
①ピーナッツくんが「PetbottleRocket」にどういう気持ちを乗せているのか
②この曲で歌われているのはピーナッツくんの物語なのか、ぽこピーとしての物語なのか
③やはりVTuberとしての活動と音楽活動とでは一線を引いているのか
といった話がピーナッツくん本人からはっきりと語られています。そこで語られている内容は本当に興味深いものでした。(なのでピーナッツくんが好きな人はできたら読んでみてください。そしてよければぜひ一緒に感想を語りたいです)
4-2. この楽曲でピーナッツくんは何を表現しようとしているのか?
楽曲を聴いて、歌詞を見て、MVを見て、楽曲解説インタビュー記事を読んで、私なりに「PetbottleRocket」で表現されていること・歌われていることは次のようなことではないか、と感じています。
やっぱりピーナッツくんは部屋の中にいる。けど、もはや自分の内側の世界に閉じこもってはいない。窓は開いていて、ピーナッツくんは外の広い世界に希望や期待を抱いている。
この歌の「ペットボトルロケット」とは何を象徴しているのか? という問いについては、正直なところ具体的に「これ」っていうのはわからないです。ただ、何か希望や展望のようなものを象徴していそうだとは感じています。
5. その他
言いたいことを詰め込みます!
5-1. セミの抜け殻
ぽこピーで蝉の抜け殻と言えば次の動画ですよね!
【衝撃】ド田舎で1時間、セミの抜け殻何個ゲットできる?(2019/08/24)
「蝉の抜け殻何個ゲットできるか」という企画自体が平和すぎて癒されますね。サムネイルも素晴らしいです。
5-2. 人造人間ジンゾウ
MV製作者の人造人間ジンゾウさんはUnreal LifeのMVも作っています。まだの方はぜひチェック!
ピーナッツくん - Unreal Life feat.市松寿ゞ謡 / Album "Tele倶楽部"
他にジンゾウさんが作った動画でピーナッツくんファンにぜひ見てほしいのが次の一作です。ジンゾウさんがぽんぽこ24 vol.4のCMとして提出した作品です。
【#ぽんぽこ24 vol.4 CM】ミスター・ダブルブレイン THE MOVIE (2020/05/06)
ジンゾウさんの作る動画って、ちょっとレベルが違いすぎますよね…。
「PetbottleRocket」の雰囲気とのギャップに驚かされます。
ミスターダブルブレインについて知りたい方は次の動画をチェックしてみてください。ヒーロー初登場回です。
ミスターダブルブレインが活躍する動画の再生リストを作ってみました。ヒーローとしての設定も登場BGMもとてもおもしろいです。ご興味がありましたらぜひ。
6. さいごに
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
「PetbottleRocket」はそもそも楽曲が素晴らしいですし、それに加えてこのような元気をもらえる綺麗なMVまで発表されて、一層この曲が大好きになりました。あと、MVを見たおかげで、この曲を聴くときに脳内で見える景色がより内容豊かになり、娯楽として楽しみがより深くになったように感じています。
他の楽曲のMVも、もし出るなら楽しみですね!
ツアーファイナルとなる2022/08/28のバーチャルライブも楽しみましょう!
おわり