不動産オーナー探訪記 第4話 松戸興産

東京ドームを三井不動産がTOBという記事をみながら考えました。東京ドームに関しては沿革もありますし、元々競輪場であった話も有名ですが一旦ここでは流行りにのって追ってみたいと思います。

やはりオーナー探訪記なので、不動産の物件を絡めたまとめができればと思います。

東京ドームと後楽園

現在の東京ドームですが、発端は後楽園スタヂアムと後楽園競輪場です。戦後の中で都営競輪として1973年まで現在の東京ドームがある場所で競輪が行われていました。

しかし1973年に時の東京都知事「美濃部氏」が公営競技廃止を、政治公約として前面に押し出しました。

公約実行という形で、東京都はそれまで行っていた競輪・地方競馬・競艇・オートレースと、全ての公営競技事業から撤退。

これにより、東京都の単独主催場であった大井オートレース場と「競輪のメッカ」とも呼ばれた後楽園競輪場が閉鎖されて、事業転換を図らざるを得ない事になります。

1988年  東京ドームが開業しますがここに至る中でも後楽園スポーツ、大阪後楽園ホテルなどバブル時のシティホテル事業にも手を出しています。

いわゆる総合的なレジャー企業としての道を歩みます。

松戸興産の成り立ち

さて話を戻しますと現在東京ドームの100パーセント子会社である松戸興産です。こちらも当時の東京ドームと同じく「競輪場の賃貸及び競輪運営事業」が主な収益源となっており、松戸競輪場を運営しています。こちらは千葉ですので現在もその収益体制は変わりません。

さて、東京ドームとのかかわりが大きく出たのは、1990年です。株式会社東京ドームと平成2年より資本及び業務提携を開始しました。その後は東京ドームの100%子会社へと移行。

これは今後東京ドームが再度競輪事業を始める際の布石とも言われていました。松戸興産のもつ自主運営力を高く評価された形でしょう。

同社の関連会社には不動産開発系の公栄開発株式会社があり不動産管理及び仲介と競輪場付帯業務を行っています。

こちらは松戸公産株式会社が100%の親会社という立ち位置です。また関連子会社に輝建設もあります。こちらは建築建設系で松戸に密着していますが資本比率は60%とちょっとです。

東京ドーム ➣ 松戸興産 ➣ 公栄開発
             ➣ 輝建設

ちなみに1991年(平成3年)4月に松戸公産の子会社になっている状況です。

松戸興産と競輪と東京ドーム

前々社長の秋山氏は、全国競輪場施設協会 前会長、株式会社東京ドーム 顧問、日本ボクシングコミッション 理事をしている人物です。

東京ドームにとってはボクシングの興行面としての繋がりなどを意識した提携なのでしょう。

また前述しましたが同社は競輪場運営に関して開設当初から深く運営に携わっており、主催者(つまり自治体)が手配する投票券を発売する従業員や警備員も自前で確保しており、他の施設保有会社よりも踏み込んだ運営をしていました。

このノウハウがある為、2006年4月からは松戸市より包括民間委託が実施されており、親会社でも将来の後楽園競輪場復活に対応出来るよう傘下に収めたとも言えるます。(Wikipediaより)

しかし今回の三井不動産の買収話を考えると、この関係性は切り離されるかもしれません。

松戸興産の現在の不動産状況

現在では不動産の運営が活発になっており、都内での商業店舗とオフィスにも投資をしています。「松戸公産アドホック新宿ビル」これは新宿の商業ビルです。そして同じく商業では地元松戸の商業施設「プチモール二ツ木」これも松戸興産です。

オフィスビルとしては、代々木イーストビルと松戸公産市ヶ谷ビルの2棟を運営管理していますが、どちらも稼働率が高いビルとしてあまり表には募集が出ていません。市ヶ谷ビルは一棟貸しのオフィスビルです。

その他松戸エリアの賃貸マンション「パークフラッツ松戸」「リベイラ北松戸」といった賃貸事業も運用しています。

松戸興産単独で不動産業主導になっていくのでしょうか。

企業概要
企業名:松戸公産株式会社
設立 :1949年5月16日
所在地 :松戸市本町8番地の3
代表者 :今岡 裕継
業種  :競輪等の場外発売事業
商業施設等の賃貸運営、管理事業

主な賃貸オフィス:代々木イーストビル、松戸公産市ヶ谷ビル

主にオフィスに関する不動産知識や趣味で短文小説を書いています。第1作目のツボ売り、それ以外も不動産界隈の話を書いていければ良いなと思っています。 サポート貰えると記事を書いてる励みになります。いいねをしてくれるだけでも読者がいる実感が持ててやる気が出ます