不動産オーナー探訪記 第24話 荒井商店
不動産のオーナー訪問の第24話はセコムグループ入りをして最近は既存のビルを購入して自社ビルを増やしている根っからの不動産オーナーの荒井商店さんをとりあげていこうと思います。
第◯◯荒井ビルといったビル名にNoをつけるあたりが昔ながらの不動産味があってとても好感が持てます。
会社概要と業態
荒井商店はすでに半世紀を経ている企業になり1代で築き上げた不動産デベロッパーであるともいえる。その歴史は古い
同社は関連会社3社ある。オフィスビル、賃貸マンション、医療系ビル、医療事業という柱で経営されている。不動産関連事業を柱に超高齢社会に適応できる医療・介護関連事業など、将来を見据えて時代のニーズを先取りする事業を総合的に展開していく。
現在は荒井商店の他に「株式会社 アライブメディケア」「医療法人社団 三喜会」「株式会社アライコーポレーション」の3社がある。
株式会社アライコーポレーション
サービス付き高齢者向け住宅の管理人業務・調理業務や、ビル・マンション管理業務を提供
医療法人社団 三喜会
神奈川県秦野市の鶴巻温泉病院(回復期リハビリテ-ションを中心とした療養型医療施設 約500床)と横浜市緑区の横浜新緑総合病院(急性期医療 約240床)を中心に、訪問医療クリニック、介護老人保健施設、グループホーム、デイサービスセンター、訪問看護ステーションなどを運営
株式会社 アライブメディケア
小規模で手厚いサービスを特長とする介護付きホーム「アライブケアホーム」を運営
会社の沿革
1966年 会社設立 (資本金 50万円、本店 八王子市横山町)
1970年 賃貸ビル事業開始 第1荒井ビル、第2荒井ビル完成
1971年 第3荒井ビル完成
1999年 本店を第15荒井ビルに移転
1979年 鶴巻温泉病院開設(秦野市鶴巻) 第1期完成
1980年 関連医療法人社団 三喜会設立
1983年 広尾ホームズ 購入
1989年 資本金 15億円に増資
2002年 資本金 20億円に増資、セコムグループ入り
2012年 麹町ビジネスセンター購入(千代田区麹町)
2020年 第42荒井ビル完成
マートルコートシリーズの開発と分譲
荒井商店の開発したマンションは、山の手を中心に展開する分譲マンション[マートルコートシリーズ]である。 心からくつろげる住まいづくりをコンセプトに開発し多数分譲している。
・マートルコート文京西片
・マートルコート横浜根岸
・マートルコート代々木公園
・マートルコート山手261番館 等
シニア向けのサービス付き高齢者向け住宅としてはリーフエスコートレジデンスの開発を行い「リーフエスコート国立富士見台」「リーフエスコートあざみ野」などの開発と運用を行っている
運営介護老人保健施設
介護老人保健施設ライフプラザ新緑
介護老人保健施設ライフプラザ鶴巻
オフィスビルは購入と売却をバランスよく
一時期は自社ビルを作ってテナントを入れてという具合でしたが近年は既存のビルを購入する流れが多かったです。その分シリーズビルもぐんと増えてきた印象です。2005年ごろからオフィスビルを積極購入していき、既存のオフィスビルとして活用するもの。建て替えを行い新築ビルとして活用するなどオフィスビル投資を加速させていきます。
中でも大きかったのは2012年3月麹町ビジネスセンター購入でしょうか。かなりの大規模物件なだけあってこの2012年あたりを境にオフィスビルは購入の傾向です
2010年頃からは並行してアライブシリーズの開設を多く行っていきます。
アライブ代々木大山町開設、アライブ品川大井開設。この辺は高齢化社会を見込んだ老後施設への投資を上手く回しています。
2021年は吉祥寺にオフィスビルを新築オープンさせるなど、うまく分散させています。
補足、荒井財団・荒井倶楽部
ちなみにこのように1代で築き上げた創業者にありがちな財団もしっかりあります。社会貢献の志を持った起業家向けのインキュベーションセンターを運営しています。
企業概要
企業名:荒井商店
創立 : 1970年4月
所在地 :東京都渋谷区神宮前 6丁目19番20号第15荒井ビル
代表者 :取締役社長 関谷 聡
業 種:不動産の運営、病院の運営、不動産開発 他
主な賃貸オフィス:荒井ビルシリーズ