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セットアップオフィスを作りたい方々向けの指南と手引き

セットアップオフィスの人気が高まっており猫も杓子もセットアップオフィスだ新規事業だとなっております昨今、いろいろな事業会社がセットアップオフィスを企画されています。

セットアップオフィスって注目されているけれども何がそんなに良いのか?という点をまとめてみまして、それを今後どう活用するか?そして投資対効果ってあるの?という一つの指南書としてここにまとめられればと思っています。

めちゃんこプロ向けではなく参入初期向けのnoteかなと思っています。

セットアップオフィスは借り手も貸し手も・・・そして売り手も買い手にとっても新しい価値観は提供してくれていますが、もちろんメリットとデメリットがあり成熟しているようで・・・・そうでもないマーケットなのでその辺を詳しく書いてみてそれで事業として投資するか見極めてもらえればと思います。

今回はどちらかといえば借り手というよりは貸し手や売り手向けの記事になります。

セットアップオフィスやってみたけど思うようにいかなくて何でだろう?という方や、リスク少なくチャレンジしたい方にセットアップオフィスってこんな感じですよという事を簡単に記載します。

いくつか手の内も書いているのでちょっとだけ有料にしちゃいます。お許しください

ではでは


セットアップオフィスとは何ぞや

セットアップオフィスとはオーナー側で内装を用意し、テナントに貸し出す形態です。

主に接客スペース、応接室、ラウンジスペースなどの内装とそれに付随した什器備品を用意します。機能性・デザイン性は幅広いテナントに受け入れられるよう汎用性の高いものにし執務スペースにはそれほど手を加えないことが多いやり方です。

これはどういう事かと言いますと、賃貸オフィスの契約は基本的に床壁天井を標準仕様に戻して貸し出しをして入居予定のテナントが工事を行うことで内装を構築します。この場合は貸主のリスクはほぼ0でして、借主側が工事費用を持ちますので借主は工事期間と多額の工事費用が掛かります。

それを冒頭に記載したように一部内装を貸主側で用意することで「工事期間の短縮」「借り手側の入居工事費用の圧縮」が可能になります。そして貸し手側のメリットは通常の家賃に+αして家賃を載せることが一般的に多く、通常の貸方よりも高単価で貸し出しが可能というメリットがあります。

この辺がセットアップオフィスが好まれる最大のメリットになっています。

https://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japan/insights/set-up-office

というような話が上記のクッシュマンのWEBにまとめられており非常に読みやすくメリットデメリットをわかりやすく記載しています。ここをスタートラインにしてひも解いてゆきたいと思います。

まずはセットアップオフィスの歴史と沿革のようなものを説明してゆきます。

セットアップオフィスのスタートとは

セットアップオフィスは大体2012年から少しづつその原型が開始されて今では3段階ほど進化しているように思えます。

セットアップオフィスのスタートラインと汎用性を大きく引き上げたのがサンフロンティア不動産です。リーマンショック後の賃料が下がるオフィスをどうやって高単価にできるか?どうやって単価維持したままオフィスの稼働率を上げるかという課題をこのセットアップオフィスで乗り越えました。

https://www.so-office.jp/item/2085

その当時は、外壁や共有部のリノベーションして賃貸に出しそして売却するスキームで運用していましたが確か、五反田エリアのU’s-1ビルあたりを一棟丸ごとリノベーションして会議室を作るというようなプランで上手く五反田バレーのスタートアップニーズをくみ取りオフィスの賃料も高くしつつWin-Winのリーシングをしていたと記憶します。

その後はサンフロンティア不動産のリーシング物件は「居ぬき」「セットアップ」の二軸にして商品化しておりそれらは大きく業績に影響しています。サンフロンティアは自社で開発した物件を自社の顧客である投資家や地方の不動産オーナーに売却することで物件の価値を上げ高単価で貸付け高単価で売買取引ができるという循環を作り上げたと言えます。

これらの取り組みを横目で見ていたほかの事業会社やデベロッパーが興味を示すのも当然の流れだとワタシは考えます。

セットアップオフィスを構築するには

セットアップオフィスを構築するにはオフィスに知見のある内装会社とタッグを組んでオフィスを作り上げるのが良いです。

オフィスが得意でないデザイナーや内装会社が作り上げるセットアップは内装の構築は美しいものが出来上がっているのですが事業者側の独りよがりな仕様や間取りが多く実際に使うと勝手が悪いといったマイナス作用が発生したりしています。

デザインやセンスも重要ですがそれを差し引いても痒いところに手が届く使い勝手の良さが大事なのです。

そして結局のところリーシングに苦戦するケースや、リーシング自体は上手くいっても短期解約でテナント退去のリスクが生じるからです。

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主にオフィスに関する不動産知識や趣味で短文小説を書いています。第1作目のツボ売り、それ以外も不動産界隈の話を書いていければ良いなと思っています。 サポート貰えると記事を書いてる励みになります。いいねをしてくれるだけでも読者がいる実感が持ててやる気が出ます