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どこで建てる?設計事務所?工務店?ハウスメーカー?
設計事務所とは、何か
言葉通り「設計」を行うところ、
簡潔に言うと最終的に家を造る「図面」を作成する事務所です。
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決まりきった家を量産する場合は、「図面」は、1パターンあれば、足りるわけです。
しかし、生き物は皆個性があります。私たちが一人一人が違うように、一つ一つオリジナルの家をその都度唯一無二の一つしかない「オンリーワン図面」を作り上げる必要があります。
加えると、「図面」に対してその通り工事が行われているかどうかを確認する「監理」をするのも大切な業務の一つです。
「設計」の業務を行うにあたり図面を作成するまで、より良い建築を作るために様々な方法で検討を重ねることを「スタディ」と呼び、模型やパース、スケッチなど試行錯誤を重ねています。
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家づくりには、設計と施工(工事)が必要
良く勘違いされているのが、設計事務所に施工(工事)までお願いできると思われている方
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分かりやすくまとめると
設計事務所 → 設計
工務店 → 施工 *一般的には、施工(工事)のみ
建設会社(ゼネコン) → 設計+施工
ハウスメーカー → 設計+施工
設計事務所の「設計」は、設計に特化しているため設計のバリエーション(構造形式や断熱性能、機密性能、間取り)や緻密さに他者とは差が出てきます。
ハウスメーカーでも最小限でも設計は必要です。
設計料について
家を建てるためには、いずれにしろ「設計」と「施工」どちらも必要です。
<仮に同じ家を建てる場合>
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設計については、設計の精度や緻密さに金額が左右されます。
細かい設計をすればするほど設計料が必要になります。
いずれにしても、設計と施工が必要になるため、
同じ家を施工する際に同等の設計の質の場合、
トータルの値段は、工務店でも建設会社でも結果、さほど工事費に差が出ません。
この条件(同じ家を造る)に限って言えば、ハウスメーカーは、展示場建設費、広告宣伝費や営業職の経費、紹介料費などの分が多く乗っかってきますので、他と比べると工事費は高くなります。
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しかし、ハウスメーカーは「工業化」に特化した家づくりを行っています。
工業化とは、決まった形式を採用し、材料を限定して卸価格を下げることでコストを最大限抑えた家づくりです。
故に、ハウスメーカーそれぞれ自社の製品であれば、仮に上記の経費が掛かってもどこよりも安く造ることができます。
つまり、工業化により量産体制を取ることで設計の手間を最大限減らし、工事効率を最大限高めることで費用を抑えて造れることがハウスメーカーのメリットです。
ハウスメーカーか設計事務所(建築家)どちら?
結論から言うと、「損得ではなく、人によって相性や向き不向きがある」です
<ハウスメーカーが良い>
・お気に入りデザイン(外観や内観、性能も含めて)のハウスメーカーが見つかれば、そのハウスメーカーが一番です。
・特にこだわりは無く、どのデザインでもよければ、性能重視で一番コスパが良いハウスメーカーが良いでしょう?
(数社のメーカーで悩んでいる場合は、最良がないということなのでこのケース)
・最短で家を作りたい人もハウスメーカーが良いでしょう。
<設計事務所(建築家)が良い>
・どこのデザインもイマイチピンと来ない。
「細かいところがもう少しこうだったら良いのに」など
こだわりがある方は、設計事務所(建築家)が良いかと思います。
・また、設計の過程を時間をかけて楽しめる方が向いているかと思います。
・建築家の設計事例に好みの建築が多い→指定の建築家がいる
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もし、設計事務所(建築家)に頼んだ場合の工事費
「施工(工事)費」は、信頼のおける工務店を数社選定し同時に見積もりをお願いします。
そこで信頼と価格を比較して1社を選定すると言うことで適正な価格の施工会社をお客様と一緒に選びます。
こうすることにより、過剰な工事費で家を建築することがないような仕組みになっています。
最後に設計事務所の管理ではなく監理
設計事務所の業務の「監理」も重要な業務の一つです。
「管理」ではなく、「監理」です。
・管理は、工事を工程通り行うことや材料の発注、金額の調整など工事を行うにあたり必要になる業務です。(施工会社が行う)
・一方監理は、図面通り施工がなされているか設計者の視点からお客様に代わって確認する業務です。(設計会社が行う)
設計事務所の「監理」が設計施工一体型の会社、ハウスメーカーや建設会社との違いは、第三者監理であると言うことです。
手抜き工事防止や図面との整合性の確認をお客様に代わって行います。
監理も同じ会社の場合、第三者目線での厳しい工事監理を行うことは難しいです。
設計施工の場合、監理を行わないケースもあります。
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まとめ
家を建てる方法は、それぞれ良い点があり
情報を得てお気に入りの会社で家を建てるのが正解です。
ただ「家は、買うものでは無く建てるもの」であることは、忘れてはいけません。
そのプロセスを楽しむのも家づくりの醍醐味です。