彩と音の個人詩《日詩》
甲 はじめて買ったレコード 怪獣の鳴き声
乙 はじめて買ったカセット ローラースケート
おこづかいブリキの貯金箱 無邪気に振るように
そこまでして当時欲しかった 多分そうかもね
彩と音の重なりと共通項 ふとあるような気がする
回すテーブル夢中になって 葬ったって過去
本気だったから一切葬るなにか 唯一分かるんだ
まるく響く魅惑 オールドファッション コーヒー
神にかけてそうじゃないから 積もり溶ける雪崩
私を巧くまとめたいなら 私を実況してください
感性の甲乙 秘薬になることあるんだな
相手も反転 そっくりそのままと身体で伝える
フラットに近いズレ 魔術師のさじ加減だと
甲乙つけ難いって 素人感覚で感じていても
いえ もう微量なズレから 積極的迷い道やってきて
ここで回答する意味分からない アク掬い上がるの
あなたの言葉あなたの作品 触れた途端にね
さすらい羽根まだ残っていて たぶん終わるまで
感受の気骨羽ばたき 止まってはまた去ってゆく
受け身で浴びる空間二人 たまにちぐはぐ粗相御免
流れるもの一つで違う景色 映り隣にいるんだろな
彩と音のおつきあい 磨く互いの甲乙維持したまま
自生し育った防音パネル 熱く分厚いシェルターに
それはそれで 悪くないなって最近思うんだ
バウムクーヘンになったら 素手で喰らう美味
好き以上にいいものはいい ただそれだけの価値皆
バカみたいに体内鳴り誇る なにかいつも連れて
贅沢な時間 防音で気持ちよく過ごしたいだけと