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ニコンミュージアム見学

先日ニコンミュージアムへ見学に行って来ました。
大人の社会科見学です。
https://www.nikon.co.jp/corporate/museum/guide/

名前から分かるようにニコンの企業博物館です。
企業博物館としては珍しくガイドツアーがあり、音声案内機の貸し出しも行っています。ですが見学時にはコロナの影響でどちらも休止していました。
なので自由に見て回る感じです。
博物館内は1フロアにまとまっているので、面積的には小さいです。

入場すると圧倒されるのは壁一面に展示されているカメラです。これには圧倒されます。そして反対側にはレンズが大量に展示してあります。カメラはショウウィンドウの中に展示されているのですが、レンズに関してはむき出しで展示されています。
正直カメラよりもレンズの展示に驚いてしまいました。カメラのレンズってカメラ本体よりも高価な物が大量にあるのにも関わらず、それがむき出しで展示されている豪快さにクラクラきてしまいます。値段を考えると恐ろしくもなります。

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カメラの展示は3分の2くらいはフィルムカメラでした。これは単純にフィルムカメラの時代が長がった関係です。カメラに関しては「あった、あった」と懐かしく見る事が出来ました。中にはスペースシャトルに搭載されたカメラもありました。市販のF3と言うカメラを改造してあるのですが、完全に魔改造状態です。

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私が多少でもカメラに興味があったからで、興味がない人にとっては見わけが付かない似たようなものがただ並んでいるだけに見えてしまうのかもしれません。

面白いのは試作機のボディが展示してあったことです。新商品として開発が進むにしても頓挫するにしても試作機は破棄されてしまうので、普通であれば試作機は残っていないのですが、それが結構残っていたのは面白かったです。試作機だけでも30台くらいありました。

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ちなみにニコン最初の小型カメラの発売が1948年(昭和23年)でニコン最初のデジタルカメラの発売が1995年(平成7年)です。フィルムカメラに関してはこの間約50年間フィルムの規格自体は変わって来ませんでした。それに対してデジカメは発売から20年足らずで急激な進歩を強いられています。

1999年(平成11年)発売のD1と言うニコンのデジタル一眼レフカメラがあります。これが発売当時65万円もしました。解像度は270万画素で、いまだどスマホでもこんなに画素数の低いカメラはないほどです。ですが当時はこれでも破格の「安さ」と性能でした。競合他社では同じ程度の性能でも100万円超えが当たり前だったのです。100万円を超えていてもプロから言わせればフィルム代と現像代で元が取れるので安いと言われていた時代です。
わずか20年でこの違いですから、デジカメの進歩がいかに急激だったか分かるかと思います。

奇しくも見学日にニコンのカメラの国内生産を打ち切ると言う記事がありました。さらにこの記事を書いている今日、月刊誌の日本カメラが休刊の記事がありました。73年間も発行していた雑誌です。スマホに押されてカメラは売れないと言われていますが、ついにここまで来たかと感じてしまいました。ニコンにとっても時代の転換点になるのかもしれませんね。

映像もあったので見ましたが、会社の歴史や紹介ではなくイメージビデオのような感じです。ここで注目なのは何のレンズを使用して撮影したのか端に表示されていました。レンズによって特性が変わるし、新旧のレンズでも違いがあります。
残念なのはそのレンズで一番映えるように撮影されているので、新旧違ったレンズで同じ物を撮影したらどのくらい違うのかの比較ができない事です。同じ映像を違うレンズで撮影して同時に流してくれれば違いも分かりやすいのにとは思いました。

カメラの他には測量機や顕微鏡、天体望遠鏡が展示されていました。
ニコンは1988年(昭和63年)に社名をニコンに改称しましたが、それ以前は日本工学工業株式会社と言う社名でした。カメラを作る以前は軍用の測量儀や望遠鏡を作っていたので、こちらの方が元々の本業になります。
たたその当時の物は展示されていませんでした。カメラに比べるとかなり少ない展示です。天体望遠鏡は企画展示でした。
正直馴染みの薄い物ですが、顕微鏡や天体望遠鏡などは学生の時に触った事がある人も多いかと思います。

これで見学は終了でした。カメラに興味があり、その中でもニコンユーザーでもないとかなり物足りないかと思います。
ガイドツアーであればあれこれと説明も聞けるのでだいぶ違った印象になるのかもしれません。カメラに触れたことが少ない人はガイドツアーを利用した方が無難だと思います。

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