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カルピス工場見学

カルピス工場へ見学に行ってきました。工場は群馬県館林市にあります。
この辺りは工業団地のようで隣には以前に見学に行ったブルドッグソースの工場もあります。
人気のツアーのようで予約が取りにくいのですが、最近は落ち着いてきて以前ほどではなくなっています。実はネットの予約よりも電話予約の方が予約は取りやすいと守衛さんが教えてくれました。

工場に到着すると工場の壁にはAsahiのロゴがあります。カルピスは2012年(平成24)にアサヒクループに買収され、2016年(平成28)完全に子会社となったそうです。2007年(平成19)以降は味の素の子会社だったそうです。それ以前は独立した会社であり創設は1916年(大正5)でカルピスの発売が1919年(大正8)と歴史があるので、どこの子会社だったよりもカルピスとしてのブランドが強すぎてそのイメージが少ないです。

写真右側に見える円柱型のものがカルピスを貯蔵していたタンク。現在は別のタンクが使用されているそうですが、写真で見えるタンクが1本あたり150トン貯蔵できるのだそうです。

ですのでカルピス工場と言ってもカルピスだけを製造している訳ではなく、他の飲料もここで製造されています。季節によって作る飲料の種類の割合などは変化するそうですが、それでもこの工場で生産される約半分はカルピスなのだそうです。

見学は映像、説明、再度映像、工場見学、試飲の流れでした。

最初の映像はカルピスの創設者の三島海運(みしまかいうん)がなぜカルピスを作ろうと思ったのかをアニメーションで紹介していました。しかし海雲って珍しい名前です。キラキラネームかとも思ってしまいますが、実家が寺だったそうなのでそれならばギリギリありの名前なのかもしれません。写真でみるとかなりイケメンです。

次はカルピスの歴史や製造工程などを展示物を見ながらの説明でした。
製造工程の説明は壁に浮き彫りにされている図版を使っての説明でしたが、説明中にその工程の場所が光ったり液体のような表現が出たりとプロジェクションマッピング的な手法を用いているようでこれは凝っていると感じました。

説明中にはその場所が光ったり液体の表現が出たりと凝った作りになっていました。
天井部分に設置してあるライトで照らしていたので、恐らくプロジェクションマッピングと同じ原理だと思います。


古いカルピスの広告なども展示されていましたが、個人的にはカルピスと言えばデフォルメされた黒人が飲んでいる広告が記憶に残っています。

世代的にカルピスと言えば中央の広告が印象に残っています。

使用開始が1923年(大正12)と100年も前なのに驚きました。こんな古いものがなぜ記憶に残っているのかと思ったのですが1989年(平成元)まで長期間使用されていたので記憶に残っていたようです。

ただ黒人差別を連想することから使用を中止したそうです。これは日本人が言ったわけではなくアメリカの意識調査でそう感じるとの回答があったためだそうです。
個人的にはこのデザインでもダメとなったら人をデフォルメした広告は一切使えなくなってしまうのではないかと思ってしまいます。

この後は再度映像でカルピスの発酵工程の紹介でした。気にすることは少ないかもしれませんがカルピスは発酵飲料なのです。発酵は一次、二次と行われ出荷までは2週間もかかるのだそうです。以前にアサヒのビール工場へ見学に行きましたが、同社のビールよりも発酵期間が長いです。この映像中には発酵の工程に合わせてカルピスの香りが漂ってくる演出もされていました。

そしてメインの工場見学です。
見学場所につく途中には以前使用していたカルピスを貯蔵するタンクが外に見えました。(一番上の写真)タンク1本で150トン貯蔵できるそうで、仮に500mlのペットボトルで1日1本飲んだとしても約800年かかりますと言うどのくらいの量か想像しにくい食品工場ではお約束の例えもありました。現在ではここから見えたタンクは使用しておらず、別の場所にある同型のタンク8本が稼働しているそうです。

見学時は残念ながら工場ラインは停止していましたので、映像を使って動いている時の様子を見ました。ペットボトルに充填しラベルを貼り付け、段ボールに詰めて出荷状態にする工程でした。
ペットボトルに関しては試験管のようなような状態の物を購入し、それを熱して膨らませる事でペットボトルが出来上がります。これは以前にコカ・コーラ工場を見学に行った時と同じでしたが、現在国内での飲料メーカーではこのやり方が主流なようです。
どのような形にするのかは金型次第ですので、各社でペットボトルの形に違いがでます。この金型も工場内に置いてありました。

驚いたのはこの後の工程です。
段ボール詰めされた商品はベルトコンベアーを通り隣にある物流センターまで運ばれて、そこから出荷されるそうです。物流センターは工場の隣にあるのですが隣と言ってもかなり離れています。近くを走る東武佐野線の線路上部を通り物流センターまで運ばれて行くそうですが、距離にすると300mくらいあり凄い力技です。

写真右側の建物が物流センター。そこから伸びている白い通路のような部分がベルトコンベヤーで地図上で計ると工場から300mくらいありました。

もっと何とかならなかったのかとも思いますが、すでに場所がなかったのでしょう。この群馬工場が稼働を開始したのが1972年(昭和47)ですから物流センターを建てる以前に周辺には工場が建ってしまった後だったでしょうから。
このベルトコンベヤーはいつできたのかは聞けませんでしたがまだ新しいようです。Googleマップではまだコンベヤーができる前の写真でしたので。

工場見学後にはカルピスを飲んで、お土産を購入する時間がとられ工場見学は終了でした。工場見学としてはスタンダードな流れでしたが、この施設のオープンが2019年(令和元)と新しく工場を紹介するために作られているので見学自体は楽しかったです。

なおお土産に気になったカルピスもちを買ってみましたが、予想以上に美味しくもっと販路を広げて欲しいと思ってしまいました。

凄く柔らかくほんのり甘いカルピス味です。触感は雪見大福をもっと柔らかくしたような感じ。予想以上に美味しくもっと販路を広げて欲しいと思ってしまいました。

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