福島ロボットテストフィールド見学
福島ロボットテストフィールドを見学してきました。いつもの大人の社会科見学です。
名前の通りロボットを実験する場所で、場所は福島県南相馬市にあります。
施設の見学は普段から行っているようですが、福島県まで行くのにそれだけだとちょっとキツイなと思っていました。ですがちょうどロボテスEXPO2022が開催され、施設内をバスツアーできたので見学をしてきました。ロボテスEXPO2022の事はこちらに書いてあります。https://note.com/tokoshie/n/n93a890bac8bb
ロボットテストフィールドは東日本大震災で被害を受けた南相馬市が地域振興のために作った施設で2018年から段階的にオープンし2020年に全面開所しました。これによりロボット企業の市内への誘致なども行っているそうです。
東西約1000m南北約500mの広大な敷地の中には実験棟が点在していますがそれだけではなく家屋や建物、道路などが再現され、より現実に近い空間で実験ができる施設だそうです。水没用のプール、滑走路やヘリポートまであります。
ロボット特区などを設けている場所もありますが、それに比べると現実的な面では劣りますが、申請許可が必要なかったり、失敗しても第三者に迷惑がかからないなどのメリットがあると思います。
現地までは自動車で常磐自動車道を使って行きました。福島県内に入ると現在の放射線量を示す表示があったり除去土壌運搬車と書かれたトラックを見かけるなど、震災の爪痕がまだ色濃くのこっています。
ロボットテストフィールドに関しても津波が到達して家屋などが流されてしまった跡地にあるため(海岸線からは約1km以上離れていますが、そこまで津波が到達したそうです。)施設の周りは何も手付かずの野原が広がっている状態でした。
敷地内が広大なため見学はバスツアーの形式で行われます。
ロボテスEXPO2022に合わせて行われたので、見学先ではロボットの紹介もありました。
最初に行ったのはドローンのテストフィールド。縦150m横80mと言うサッカー場のような芝生が貼ってあるだけの場所ですが、天井も含めた全面をネットで覆うことでドローンの飛行許可申請を行うことなく飛ばせるのだそうです。
ここではテトラ・アビエーション
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000034983.html
の製作した空飛ぶ車の実機を見れましたが、空飛ぶ車ってよりも小型飛行機か巨大ドローンっていう方がしっくりくる感じです。
先ほども書きましたが敷地内には道路や建物も再現されています。信号機も点灯可能で自動運転の実験やドローンによる宅配便の配送実験なども行っているそうです。
橋の一部だけが作られた場所では打音による橋脚検査用を行っているそうで、そのために橋の橋脚が全て違う形で作られていました。またあらかじめ橋脚の一部は劣化した状態にしておいて、ちゃんと検査ができるかの判断をしているそうです。
他にも水没した家を再現しているプールやトンネルもありました。
高い建物もあります。建物内は6層(6階)の構造になっていて、1、2階はバルブ付きのパイプなどが張り巡らされていて、3、4階は巨大なタンクが配置され、5、6階は煙筒が配置されています。この中でロボットを動かして実験をするそうなのですが、これ完全に原発を想定して建てられていますよね。
原発内での作業を考えればいきなり本番と言う訳にもいかないでしょうから、ある程度使えるかどうかの目途を立てるにはこう言った施設は必要なのでしょう。
がれきを積み上げた場所もありました。がれきを積み上げただけですが、いざテストをしようとしてもそう言った場所は少ないでしょうから、こういった場所も必要なのでしょう。
ここでは東北大学のスコープカメラを見れました。手で持っているホースがそれで先端にカメラが付いています。要は巨大な内視鏡カメラみたいなもので、直線状では入れないがれき内の探索などに使用するそうです。
施設は実践に近い環境を再現できることからロボットのテストだけではなく、レスキューなどの練習にも使用されているそうです。道路に故障車やがれきを配置したり、トンネル施設内にわざと故障車を配置、水没した家屋からのレスキューなど実際の場所以外では再現が難しい事も出来るのが強みなようです。
これで見学は終わりでした。バスで移動しながら移動先でロボットの説明を受けながらで約90分ほどでした。
施設内の見学だけではちょっと物足りない感じもしますので、ロボットの説明があってちょうどと言う感じでした。ロボテスEXPOに合わせて行って良かったです。
最初に着いた時には滅茶苦茶広いと思いましたが、実際に中を見て回ってしまうと多少手狭にも感じられました。
ロボットテストフィールドの周りにはまだ使用されていない土地がかなりあるので、もっと場所を広げてもいいのではないかとも思いました。
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