そんな気持ち
幼馴染が結婚したので親と一緒に結婚式に行ってきた。
10年ぶりに見る彼女はとても綺麗だった。
お相手の方とは初対面で、ひとことふたことぐらいしかお話しできなかったが、とても物腰のやわらかいいい人だった。
ほぼ手作りの結婚式ということもあり、こじんまりとした場所での立食形式であったが、とてもいい結婚式だった。
家に着いた。
一人自室で何もせずぼーっと…
ただ時間が過ぎていく。
とてもいい式だった。
その気持ちに嘘はない。
しかし、なぜだろう…心の底から素直に喜べていない自分がいた。
例えるなら、奥歯に何かが挟まったような
そんな気持ち…
このなんとも言えない感情が式の途中から私の心を蝕んでいた。
おれは彼女の結婚を心の底から祝福できていたのだろうか?
笑顔で言った「おめでとう」の言葉さえ嘘になってしまうのではないか?
ふざけるなよ
そんなわけがない
だって式の途中までこんな気持ちにならなかったのだから!!!
俺は思い立ち、リビングに向かった。
そして…
ひとまず、楊枝で奥歯と奥歯の間を攻めてみた。
まあまあ大きな生ハムの肉塊が取れた。
ふと気持ちが楽になった。
例えるなら、奥歯に挟まった何かが取れたような
そんな気持ち
我が幼馴染よ!!結婚おめでとう!!!!
生ハム!めちゃくちゃ美味しかったぜ!!!!
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