シナリオ形式物語 『店の中央、私服女性が二人にて』
○ハロウィン当日。店の比較的中心にあるテーブルにて
女A「右手側のテーブルの席」
女B「そうね、ヴァンパイア姿のメイクがとても良いわ。だけど、衣装がとても残念だわ。ただ、スーツを来ているだけだなんて。見ているとこっちまで、見苦しくなってしまいまうわ。50点」
女A「その隣のテーブルは?」
女B「狼の被り物だけで、あとは私服だけ。気に入らないわ30点」
女A「あら、厳しいこと。私はもう少しお手柔らかにしてもいいと思うわよ……ほら、ヴァンパイア姿の男性の膝下に熱々のコーヒーが。私服の狼男は……あら、彼女さんかしら、女性からの熱烈ビンタをもらってしまっているわ」
女B「中途半端な姿な格好のコスプレ衣装は見ていられないの」
女A「そんなことは言わないの、私達は何もない。ただの私服姿よ。もう少しお手柔らかにしてあげてもいいんじゃないかしらね。今、現時点でどちらが場違いの格好と言えば私達じゃないかしら」
女B「私は中途半端なコスプレ衣装が嫌いなだけ。やるならやる。やらないなら私服で来ることね」
女A「ふふっ、そうね。私も中途半端なのは嫌いだわ。じゃあ、あなたの後ろの後ろ。窓際の席の子達はどうかしら」
女B「さっきから騒いでいる後ろの魔女もどきの子達ね。とても下品すぎて嫌いだわ。さらに帽子だけかぶって魔女って言っているのが一番気に食わないわ。マイナス50点」
女A「じゃあ、私の後ろの席のノーメイクボロ服ゾンビくんは?」
女B「もう、ダサい、ダサすぎる。ノーメイクって何がしたいのかわからない。ただ、服がボロボロなだけで何がしたいか、意味不明。マイナス70点だわ」
女A「ふふふふっ、あーあ。そんな点数つけちゃって大丈夫かしら。私たちに何かあるだけはやめてよね」
女B「後ろの子達のことなんて知らないわよ。ゾンビの方もそう。あと、あんたのことなんて知らないわよ。私は魔女が嫌いなの」
女A「もう、そんなこと言っちゃって。ほら……あなたの後ろ、騒がしいわよ。なんか車が店の窓ガラスに突っ込んで大変よ」
女B「あなたの後ろだって、店の中でゾンビが通り魔に刺されたって大騒ぎだわ」
女A「じゃあ、次に右横から盗み聞きしている子。あの子は何点?」
女B「さっきから、チラチラ、こっちを見ている隣のテーブルの子ね。私、盗み聞されるの大っ嫌い。だから……マイナス100点」