詩人の道

詩人の道を歩く

あの高台のてっぺんから

いったい何が見えたのか

木陰で休む小鳥のさえずりに

いったい何が聞こえたのか

荒々しい砂利を踏んだ蹠に

いったい何を感じたのか

眠るような川のせせらぎ

愛撫する日差しの香り

花樹の蕾の刹那の知らせに

いったい何を悟ったのか

行き先を決めてくれるそよ風と共に

寂寥の騒めきを

歓喜の探求心で辿れば

駆け足で巡る季節を

ゆっくりと噛み締める

足音が聞こえてくる

一枚一枚

落としていった

言の葉を

胸いっぱいに拾い集めれば

馳せる想いは時空を超える

滑走路となった軌跡は

詩人への道となる

道しるべの隣に佇立した

古びた腰掛けに

そっと息を潜める詩人が

じっとこちらを見つめ

微笑んでいる

決して色褪せることのない

詩人の道

終わりなき

永劫の道

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西丘塔子
最後までお読みいただき有難うございました!😊🙏