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【サイキックイクリプスreload感想】再充填・メインディッシュ


サイキックイクリプスReloadプレイ感想
〜裏ルート編〜(本編)



※今回の記事にはゲーム本編の重要なネタバレを含みます。

※また、各3ルート全エンドのネタバレも含みます。





【FIRST&LAST STORY 開幕】


こちらは各3人のルートのTEを制覇した事により解禁される『裏ルート』またの名を『過去エピソード編』となっております。


ざっくりと内容を言いますと…



・ショタが可愛い
・本編内には出てこなかったあの人この人のいろいろが分かる
・『裏』なだけあってしんどいのもある
ショタが可愛い
・「あっ、こいつかぁ!」とピンとくるものがある
・本編をもう一度リピートしてみたくなる
ショタが可愛い



…である。

ちなみにPC版にはボイスが付いていないため、いわば『外伝』みたいな感じの内容だなーとは思っておりましたが
このswitch版『reload』にてボイスが収録…各キャラに声が吹き込まれた事により、こちらもメインディッシュになっております。
だからその分、インパクトも重さも物凄い事になってます。


と、いうわけで全3章ある裏ルート。
各章でメインを飾るキャラの紹介も踏まえて感想をお話していきたいと思います。



【すべてはここから始まった…?】


さて、まず一番に登場したのは
表向きでは『ポラリス・システム開発者』として評価されていた科学者…門杭北辰(かどくい ほくしん)

青い長髪に水色の瞳。曲がり気味の背に暗い表情。
まるで『陰』を擬人化させたかのようなこの人物。
何に対しても興味や関心を持つ事がなく、謎が多い男。
しかも、その「謎」が第三者だけでなく、北辰さん自身も分からないという…。
それはまるで「学習中のAI」を思わせるかのようでした。

ちなみに髪と目の色からピンときたかもしれませんが、そうなんです。
あのスバルさんもとい、門杭六連の父親なのです。
本編内で少しだけ明かされていたこの親子の関係は一体、どんなものだったのだろうか……実に興味深いものがある。
(ただ…スバルさんルートでスバルさんの口から明かされた過去の話や、シリウスさんルートでポラリス君が言っていた「実の父親から憎まれていた」という話から、良好じゃないというのが確かではあるのがな…。)

そんな北辰さんですが、ある人物に対しては『人間』となれるんだそうです。
その人物が、北辰さんの同級生であり、親友でもある夜鹿南(よるしか みなみ)。
茶色の短髪に赤橙の瞳。体育会系男子のようないいガタイ。
(職は体育教師なんだろうなーと思っていたら、まさかのビンゴでした。やったね!←)
太陽のような笑顔が特徴的な彼は、『陽』の擬人化と言ったところでしょう。
そして……ケイ君もとい、夜鹿蛍の父親です。

このふたりの関係こそが、ケイ君とスバルさんの序章を作ったと言ってもよいでしょう。
というわけで、北辰さんの章はケイ君が産まれた頃から始まります……。

「…南!生まれたのか!」
「おおっ!見てくれ親友!男の子だっ!」
「目元がお前に似ているな。…名前は決めたのか?」
「ああ。『蛍』ってんだよ。」
「蛍?随分と可愛らしい名前にしたんだな。」

「俺に協力できる事があったら何でも言ってくれ。」
「お前…ほんっとうにいい奴だよなぁ!ありがとなぁ北辰!愛してるぜ!」


あ~…「『蛍』って名前、女の子みたいだ」って、北辰さんも思ってたのね…。
ここで抱きつく南さんが純粋可愛い…。


…と、ニコニコしながら聞いていたのですが、一番衝撃的だったのが…。

北辰さんの声が、思った以上に明るい…!

全体的に暗い感じではあるが、南さんと接してるときはイキイキしてるんだろうなーというのは予想していましたが、その予想以上に北辰さんが、「喜び」を見せて「親友」してるっていうのがビックリ。
南さん好きなの見え見えやん。ええぞ。

ちなみに。
この時北辰さんの奥さんも病院におり、その理由は……。
しかし、北辰さんは南さんの元を訪れた後は真っ先に仕事場へと帰ってしまったのである。


南さんの前での北辰さん。
それ以外の場での北辰さん。
明らかに差があるこの。



南さんにどうしてこんな気持ちになれるのか。
北辰さん自身も不思議という。
わたしが不思議、って感じですかねぇ…?
その理由を化学的に解明しようとすれ北辰さん、堅いね。←


そして、それから10年。
ここでまた、新たな『始まり』の瞬間がくるというワケですが……。

幼少期のケイ君とスバルさんがウルトラ可愛いんですよねぇぇぇぇ~~~~~~(ショタ好きの血が騒ぐ)

ちなみに。
性格は本編内のケイ君とスバルさんとは正反対。
ケイ君はやんちゃな男の子で、南さんに怒られても子犬みたいにキャンキャン言ったり、スバルさんを困らせていたりしていたそうな。


一方でスバルさんは…頭の良さはこの時からあったものの、「学校は周りの奴らは低レベルな奴ばかり。授業も知ってる事ばかりでつまらない。」などと言っており、なんと不登校児になっていた頃があったそうな…。
(でも、このスバルさんの性格や現状からにして、「ケイ君以外に友達ができるわけない」っていうのが見えているのがなぁ……せつないよ…。)

そんな息子に、北辰さんは説得を試みますが…なかなかうまくいかず。
言い方も少し呆れたかのような喋り方で、かえって逆効果のようにも聞こえるという。
北辰さんは「父親」としても、とても未熟であるというのが分かります。

しかし、そんなスバルさんを動かしてくれていたのが…ケイ君と南さんだったのです。
南さんからしても、北辰さんの言い方に問題があるというのにちゃんと気付いていました。
(これは南さんが教師をしている、ってのが生かされてるようにも見えますな。)
一緒に自宅を訪れて、「どうして学校に来ないの?」と聞くケイ君。
そして、南さんは自分の家にスバルさんを招き入れてあげる事に。

北辰さんとは対に、南さんは「良き父親」の顔を持っているようです。
(ここでもまた、北辰さんと南さんの「対」が見られるとはね…。にしても、こういう『光と闇』『太陽と月』みたいな対なる二人組が大好きなので、こういったのが見られるのが非常に嬉しい←)

そして、この時にスバルさんの部屋にあるパソコンの中には…。

これが後に、人類の未来を大きく揺るがそうとはな…。


【ふたりの父親(親友)】

さて、南さんと北辰さん。
『父親』として比べてみると、「理想」と呼べるのは…やはり南さんでしょう。

研究員達が高評価していたポラリスのモデルを息子が作った事に対して、「仕事でもないのに、こんなものを作る神経が理解できない」と北辰さんが吐いた所に、南さんは手を出してまで「そういう事、本人に言ってねえだろうな?」「子供の心ってのはナイーブなんだ。」と指摘していました。

そんな南さんを北辰さんは「立派な親」と評価。
だから、でしょうか。北辰さんは「南の真似事」と言い息子に接したりしていたそうな。
…北辰さんからしたら『尊敬すべき人』ではなく『南だから』という理由でしょう。


しかし…。
こんなにも可愛い子供時代を見せられて後の事を考えると、もう泣きそうなんだが?






【ウホッ!いい男…の章】


さて。舞台は突然、とある戦場へと変わります。
そして、基地なんでしょうか、テント内でふたりの男が会話をしてるのですが…。


眼帯の男「お前、聞いてるぞ。またやったらしいな。」
美青年「……お説教かよ。あんた神経どうかしてんじゃねえの?」

※一部セリフを伏せています。


誰 や お ま え ら ?


※ちなみにこの時の二人、上半身裸です。ビックリ演出かよ


唐突に出てきたのは、ガタイの良い眼帯のオジサンと、紫寄りの黒髪の美形の男。
どちらも黒シャツの上からでも分かるいい雄乳と筋肉の持ち主です。オォウ…センキュウ…筋肉ダイスコ…←
ちなみに、上半身何も着てない&会話の一部からにしてだという。

こいつぁ………。
「サイクリはそういうのは『ない』とは言ったが『"存在"しない』とは言ってない」というのが判明した瞬間ですよ……。
そうなんでしょう?ね??ね?????








って違う。
タイトル間違えた。



【こんなミカゲさん、見た事ねぇ!!!】



すみません。こっちが正しいです。


さて、お次にメインとなるのは…そう。バートランド家の執事であり、元軍人であると言われたミカゲさんです。

口調や振る舞い方も本編内と大きく異なっており、『若い』『青い』というのがよく分かりやすい。
というか、思ってた以上におちゃらけた喋り方でびっくりですよ、もう。


そして、眼帯のオジサン。
軍の上官である高坂 時雨(こうさか しぐれ)
面倒見のよさそうなオジサンキャラ、いいですよねぇ……。

ですが、ふたりのいる場所は戦場。
いつ命を落としてもおかしくないのです。
そんな中、時雨さんは激しい致命傷を負ってしまうという…

ちなみに時雨さんの致命傷の件ですが、
ここでリヒトさんNEを思い出すと…。

何とも言えないものがある。
なぜそこが同じなのだ…。


そして、その日の夜のミカゲさんの目には涙が…。




ですが、安心してください。

時雨さんは生きてます。

ここでブルーノさんの件が繋がってくる。
そう。サイキック能力により時雨さんは失ったものを自己再生したんだという─。
ミカゲさんにも実際にやってみたそれは、『ヒーリング能力』であり、時雨さんは軍医総監に入る事になったという。

というか、回復能力のおじさんキャラとかとんでもねえモノ出してきたな。
しかも後に『第二の主人公』になるとはね…。

ある意味、希望の溢れた男だと思います。
時雨さんは。

というか、時雨さんが無事助かった…いや、致命傷を追ったのはブルーノさんにとっては好都合だというのがね。
超能力の開花には、生死を彷徨う瞬間が一番良いらしいから…(これはブルーノさんの体験から来てるそうな)
時雨さんの負傷具合を見た時もまるで他人事かのような軽い言い方をしていましたし…まあなんせ、自分の研究の事しか考えてなさそうな者だからなー…。

そして、そのブルーノさんの魔の手はミカゲさんの元にすぐ伸ばされる事に。

というか、もうド直球に言われてる。
『実験』と言われて怪しげな薬を飲まされて、時雨さんにやった事と同じ事をする。
ですが…

「これはもう、いらない」

レベル想定外という判断、そして薬に苦しむミカゲさんを心配する様子もないブルーノさん。
そして『いらない』の言い方が軽すぎる。
なんて奴だぁ…。

ミカゲさんの命が灯火のように消えていきそうになったその時だ。

「私は、それが欲しいです。」

ミカゲさんの手を握った幼い両手。
凛とした、我々プレイヤーからすれば聞き覚えのある声…。

そう、我らが(?)リヒト・バートランドです。

余談ですが、大人のミカゲさんの手を、子供のリヒトさんの手が握るカット絵。
リヒトさんの手が赤ちゃんみたいにちいさく見えたのは私だけでしょうか←


リヒトさんの持っていた中和剤により命の危機を免れたミカゲさん。
そんなミカゲさんはいつの間にか除隊されて、自由の身になっていたのです。
とはいえ、これからミカゲさんはリヒトさんのわんこ(言い方)になるのです。
自由なのかどうかというのは微妙ラインかもしれませんが…。

でも、執事としては未熟なミカゲさんと、主人らしさが増して大人っぽくなったリヒトさんのやり取りは、非常に微笑ましいから、いっか!←

この当時のミカゲさんもまだ言葉遣いが難ありであり、リヒトさんから注意指摘を受けるのは日常茶飯事。
愚痴をこぼしても聞かれるうえに、なせが紙屑をぽこっとぶつけられるという。かわいい。
(ここのミカゲさんの「ソラミミジャナイデスカァ〜?」が好き←)

うーん、平和だなぁ…。


とはいえ、ミカゲさんはただの執事ではありません。
それに…のどかな日常の中には落とし穴のような事だって紛れているのです。

食事中に、突然気を失ったリヒトさん。
この時、ミカゲさんはとても激しく動揺していたうえに…リヒトさんを失ってしまいそうな現状に震えていたかのようでした。
(そこ、シリウスさんルートに出てきたポラリス君の発言を思い出すんじゃない←)

そこで現れた…というよりミカゲさんが助けを求めた相手は時雨さんでした。

時雨さんの処置のおかげで、一命を取り留めたリヒトさん。
犯人はブルーノさんの手下だと時雨さんは告げますが、ミカゲさんは怒りを露わに見せていました。

「なんでバートランドの兵隊が、こいつの命を狙うんだよっ‼︎」
「バートランド、だからだ」

ブルーノさんが沢山の人から恨みを買われている事も告げられ、リヒトさんにはまだ本当の『幸せ』は手にないって事…。
そういう事だよな?

「お前、ちょっと見ねえうちに人間らしくなったな。それの理由があの坊ちゃんなら、これからはお前が盾になってやんな。」


戦場の中で生き続けていたミカゲさんの変化。
久しぶりの時雨さんから見ても『変わった』というのが分かるのがね…。
『守りたいもの』の存在が人を変える、って最高よね。

そして、時雨さんからそう言われたミカゲさんは…。

「上等だ。完璧な従者…なってやろうじゃねえか。」


若さもあり、本編内とは違った声色だったミカゲさんが決意をしたその瞬間。
我々のよく知ってるミカゲさんに変わったような気がしたのです─。


この続きの感想やミカゲさんに思う事は次回の感想にて。




【バートランドは"3人"いた!】


さて、幼い頃からしっかり者であり優しさに溢れていたリヒトさんですが…今に至るきっかけ、そして彼の『優しさ』『目標』を作ってくれた大きな人物がいたのです。

その名も、カナデ・バートランド


▲X(Twitter)に投稿したイラストより



ブルーノさんと同じ白銀の長髪を黒のリボンで結った美青年(この時12歳)。
太眉と一人称『俺』なのがいい味出してます。
女装しても違和感なさそうでスラッとした美人だけど『男‼︎』ってところがね、最高←

彼の物語の始まりは、突然紹介された『(腹違いの)弟』との出会いのところから。
いきなりである事と、行方不明の実母に対してのブルーノさんの態度に動揺はしていましたが…。

「私は奏(かなで)。漢字は分かるか?『音を奏でる』という字で、カナデだよ。よろしくね、弟君。」


怯えた様子のリヒトさんに、優しい声で自己紹介をするカナデさん。
(基本は『俺』だけどこういう時は一人称『私』なのね…。ちなみにこの時のリヒトさんが一人称『僕』なのも萌える← )
リヒトさんの事も弟としてすぐに受け入れてくれました。
(あと、カナデさんは和名寄りでリヒトさんは洋名寄りってのもいいよね)

もうこの瞬間だけでカナデさんのキャラが分かった気がする。←

にしても、12歳にしてはめちゃくちゃ声良すぎないか???

それから、この兄弟の仲睦まじい光景と固い絆と信頼を見る事ができるのですが…。


「顔色が悪い…大丈夫ですか?」
「…少し眠れていないだけだよ。ありがとう。」
「なら、僕がヴァイオリンの演奏をします!兄様が健やかに眠れるように…」
「本当に?逆に目が覚めてしまわないかな。」
「こっ、この間のは少し緊張しただけですよ!ちゃんと演奏できますっ!」
「っ、はは…冗談だよ、冗談。」


は い 

く そ か わ い い (語彙力)


ちなみにカナデさんは、リヒトさんが自分と出会う前の頃に何があったのかをちゃんと聞いていました。
超能力が芽生えなかった事から虐待を受けた事を…。

実はこのヴァイオリンの会話の時には、カナデさんは『バートランド一族の裏側』を知っていた為…(何も知らない)リヒトさんの事を守りたいという気持ちはとても強かったのです。
その裏で、『哀れ』というのがちょっとビターテイストにはなってますが。



しかし、そんな仲の良い兄弟の光景は、ある者達によって蝕んでいくかのように壊されていくのです。

カナデさんの心と共に─。


これがですね…

非常に胸糞悪い&鬱すぎる



始まりは、カナデさんがポラリス君と初めて顔を合わせた時。
最初は実験に付き合う事を断りましたが、「嫌なら弟のリヒトを使う」と言い出した事から弱みを見出されて…。

ポラリス君からすれば、カナデさんは『実験体』という名の『玩具』です。
それも、『意志のある玩具』として。

この時のポラリス君が「暇だからこれで遊ぼう〜」みたいな無邪気から生まれる残虐っぷりを持った子供の顔と「研究データを取らないとね」っていう研究チームの一員の顔を持ってるように見えたんだよな。

あとですね。
PC版をプレイした者としては、例のアレはカットか変更されるんじゃないのかと思っておりましたが、発売前に公開されたボイスサンプル集(ようつべにあるよ)にバッチリ入っていたので、半分安堵半分マジかよって気持ちがありましたね←
(ま、まあ…スバルさんルート3章のケイ君のマッッッッもちゃんとあったしな…)
でも、フルボイスで見てみると「エッッッッッッッ‼︎」というより「怯えてる」ってのが勝って聞こえてるので、だからセーフ判定なんでしょうか←

あと、今こんな事言ったらアレですが、被験者服にスリット入ってんの非常にえろいですね。カナデさんの太腿ありがとうございます(クズ)


しかし、そんなカナデさんでしたが「システムが完成した」事からカナデさんは実験から解放されたのです。
ですが、帰り際にかかってきたリヒトさんの母親からの電話を聞いて─。

「約束が違う…!なぜ……なぜリヒトがあんな場所にいるッ⁉︎」


戻ってきて、声を荒げるカナデさん。
なんと、ポラリス君が言うには


システムの開発にはカナデさんを
そのシステムの効果の証明にリヒトさんを


ブルーノさんの許可により利用する事になっていたという。
カナデさんは目の前のポラリス君に怒りをぶつけますが、この考え自体はブルーノさんの決めた事。
彼の怒りの方向に対してポラリス君は…

「僕は機械なんだ。人間の命令がなければ何もできないし、人間のように約束を破ったりしないよ。」


本編内(特にシリウスさんルート)で「人間に近いAI」というのがかなり押されていた分、これを聞くと「無実証明⁉︎こういう時に禁句を盾にして逃げんのかぁ⁉︎ごらぁ‼︎」…と反論しそうになりましたがポラリス君が機械である事は事実。
悔しいが、これに気付くと何も言い返せなくなる。

ほんと、言葉選びが上手いぜ。ポラリス。

ポラリス君は何度かカナデさんから「機械ごときが」と卑下するような発言を受けており、その罰や後悔が今になって来たと考えると……うむ。(悟った顔)
でも、ポラリス君にとってそれがどれだけ禁句だったのか…と考えると、ポラリス君はこの時に十分人間としての心は持っていたんだなーと察しがつきます。
ただ、完璧な優しさを持ってるのかと言われたら「うーん」としか言えないのが悔しい所。


しかし、ポラリス君はカナデさんに、彼なりにできるフォローを提案して………。


【どいつもこいつも××ばっかりだ!!!!!!】


「俺達が何をしたっていうんだ…!ふざけるな、この畜生ども…っ‼︎」


ここからがもう二人からしても、プレイヤーからしても地獄なんだこれが。
なぜなら…

この研究所、モブがほぼ全員クズなのだ。

シリウスさんルート内でもモブ共のクズっぷりは分かる事なんですが、この裏ルート内で聞けるモブ共の会話はもう最強最悪のクズです。(言い過ぎ?いやホントにこれぐらい言っちゃうレベルなんだよ)
特に、リヒトさんの危機にカナデさんがモブに呼びかけている所はほんとクソです。

お前ら人間じゃねえ。


ちなみに、ポラリス君はそれをちゃんと知っています。
(「他者への醜い悪口が多い」「顔も心根も醜い」と見做すぐらいでしたし、相当酷かったのがわかる)
だから、ケイ君に機械の悲しみを伝える際にはその瞬間(モブのクズな一面)を取り入れたんだろうと。
そして、リヒトさんルート回想内で「こいつには友達がいるから大丈夫」と思い込んだのがどれだけマズかったのかも分かった。

ったく、どうなってんだよこの研究所の道徳は⁉︎←

酷いのはそれだけじゃない。
ブルーノさんだって、そうでした。
超能力者としては最高なのに、父親としては最悪だと。

カナデさんはサイキック能力が手に入り、ブルーノさんから「それでこそ、私の息子」と褒められます。
それに、欲しいものは何かあるかと父親らしい顔を見せてはくれますが…ずっとそういう顔であるわけがない。
なぜ自分達が実験体になったのかを聞くと、「分かってないなあ」と呆れてるかのように…

「他の人間が超能力を得たらどうする?」

いや、そうであってもブルーノさんの開発ですって発表すりゃいいだろがって話じゃないすか⁉︎←
バートランド一族の名誉の事だけしか考えてない父親。
しかし、カナデさんにとっては『慕うべき存在』なのがね。

そう思うと、本編内のリヒトさんが持っていたブルーノさんへの思いとシンクロしてるのがな…。
兄弟…ともなるし、ブルーノさんの呪いでもあるんだなと。


一方で、リヒトさんはというと…。

彼はまだまだ幼い子供。
(この時のケイ君達がカナデさんと同い年=12歳である事から、このリヒトさんは…9歳⁉︎)
ブルーノさんの本当の目的など知らずに、実験に耐えながら泣き続ける日々を送っているという形に…。

ここ、ボイスがつく=幼いリヒトさんの泣き声がつくってのがこの章のつらさを更に膨らませてるのでやばいんだなこれが。

リヒトさんDE感想でも話しましたが
虎島さんの幼リヒトさんはすっごくすっごく可愛い分、ヒヨコのように幼くて愛らしく儚い命であろう子供ってのが伝わってくるので、こういう場面だとかなり胸を締め付けられるぐらいしんどさが増してくるのだ。
(でも、ミカゲさんと出会った頃になると少しだけ今のリヒトさんに近い声の低さになっていたので、そこがリヒトさんの成長が見られて良き。兄のリスペクトもあるのかな。)

それに、リヒトさんはカナデさんの兄としての優しさをちゃんと分かっていた。『英雄』であると…。
早く帰りたいとかじゃなくて…きっと…いや、本当に、兄のために実験を頑張ったんだと。
証明できる場面はある。
ミカゲさんを救ったあの日。
リヒトさんは「兄のようになれただろうか」と、また涙を溢していたのだから。

兄弟ともに苛烈と化した実験を受ける毎日ではありましたが、そんな日々は、心身ともに限界からきたある悲劇によって─。

だから、本編内にはカナデさんはいなかったんだと。
そして、リヒトさんの思いはカナデさんには…。

あのスチルと、リヒトさんの甲高い悲鳴は
『みんなのトラウマゲーム』に選ばれてもおかしくないぐらいのインパクト大。



ちなみに、個人的な解釈ではありますがカナデさんが壊れてしまったのにはモブ共・ブルーノさん…そして、ポラリス君も関わっていると思われる。

「兄なんだから、リヒトを守ってやればいい」
「希望」と称してそう言い、カナデさんが再び実験に加わる事を促したとはいえ…その後の彼からのフォローはどこなんぞや?って思いました。
まさかとは思うけどポラリス君、モブ共に弱み握られてない?大丈夫?
(天敵であるスバルさんはもう開発メンバーから抜けてるから多分もう関係ない…よな⁉︎←)

カナデさんはリヒトさんを助けたいがためにまた地獄の中に身を投げたんですが、ポラリス君はカナデさんに真実…今の彼にとって余計な情報を伝えた事と、誤った解釈(「ずっと弟を見下していたんだ」という所)をしたせいで、逆効果になるような事をしてると思われる。



ポラリス君はもっと知っておくべき所があるだろうに。
カナデさんとリヒトさんの『兄弟愛』というものを─。
(もし本当に理解してない…となると、シリウスさんルート内の『愛って何?』と思うのも納得がいくかも)

あと、ポラリス君はカナデさんに『嘘』ではなく『真実』を伝えてはいるので全てが間違っているってわけじゃないのがね…。

それと『機械は本当の事しか言わない』もド正論なんですよね。これが。
人の手を加えない限りは。




ここで、自分は『嘘をつく機械』と言われると、鉄腕アトムに出てきた『うそつきロボット』を思い出しました。
(学生の頃に道徳の授業で題材に使われて、そこから知った思い出)

病気の母親を不安にさせまいと、「嘘しか言わないロボット」を作り世話役にさせた話。
(アニメ版では事故で失明した娘になってたそうですが)
しかし、その間違いに気付いて正してあげたものの、ロボットは騙されてきた人間達に…という悲しい結末にはなりますが、最後にアトムは「ロボットならここにいますよ」と母親を傷つけない為に敢えてそんな嘘をついた…というラスト。

(ちなみにこれ、アマプラでアニメ版があったので観てきたんですが、目の前の情報だけに振り回される人間達の悪い所がかなり滲み出てるように見えて、サイクリの『ポラリス・システムのせいで世界が一度壊滅した』という話を信じて北辰さんを叩く人達と重なった自分がいる。)


こういう時に嘘は利用してもよい」と言われると、人それぞれの意見が出るかもしれませんが、『相手を傷つけない為に真実を伝えない』って事は確かだと思います。

もう一つ、例えを挙げましょうか。
これは自分がめちゃくちゃ推してるPS2のゲームからなんですが、『伝書鳩と優しい嘘』というサブクエストのようなイベントがあります。
「伝書鳩を見つけたら教えてほしい」という事から鳩を探す事になるのですが、肝心の鳩は敵に食べられてしまったという。
鳩の遺した密書を渡すと、やはり鳩の事は問われてしまう。そこで…。
『密書を外す時に逃げられた』と嘘をついたのです。
その嘘は疑われる事はなく、お礼を言われてこのイベントは終了。

※ちなみに続きとか本当の事を知るとかはありません。

ただ、お礼を言う前に「鳩はきっと自由になれて、今頃喜んで飛び回ってるだろうな」と言ってるあたりが切ないというか、何も知らない事から感じる哀れみがね。
久々に見返してこう書いていると、あの幼いリヒトさんから『哀れだ』と思うのもわかる気がする。

真実を知らない方がまだ幸せを長く噛み締められる、ってのもあるんだなーと。

でも…もしも、ポラリス君がそのような気遣いをしていたのならば。

カナデさんはまだちょっとでも助かってた可能性が。
彼にとって、ポラリス君が支えになってたんじゃないだろうかと。
そう思うのです…。


【あとがき】

さて、北辰さん・ミカゲさん・カナデさんの3人にスポットライトが当てられた裏ルート。

ざっとお話&振り返りをしましたが、総合的な感想を。


各章で視点代表のようになっていた3人ですが、彼らは『一人じゃなくて、誰かと共に舞台に立っている』って事がよく分かりました。

北辰さんには南さんが。
カナデさんにはリヒトさんとブルーノさんが。
ミカゲさんには時雨さんとリヒトさんが。

彼らを前に進ませる為の大事な『存在』という名のパーツ。
それがどれだけ大事な物なのか…。

というかそもそも、サイクリは『ケイ君だけが主人公じゃない』って思う。
スバルさんも、リヒトさんも、シリウスさんも。
そして、この裏ルートの3人や他の皆も。
みんな、立派な主役になれる魅力のあるキャラ達ばかり。そこもこのゲームの良い所の一つだと思う。

彼らの存在と絆があってこその、決意や意志が生まれて繰り広げられる、とってもビターなお話。
でも、苦いだけじゃない
微笑ましい光景や、幸せそうなひと時が、甘みや旨みを出している。

北辰さんの無関心ながらも人間として振る舞う努力。
カナデさんとリヒトさんの悲劇。
ミカゲさんが経験する苦しみと試練。

『重い』『暗い』『苦しい』『憎い』と言った負の印象が目立ちやすいこの裏ルート。
でも、よーく見てみると、全部がそうってわけじゃないんですよね。
(でなきゃ後味が悪くなるし、あれらのTE後にこれが最後に来るのはラスボスとかみたいになるじゃねえか…)

北辰さんと南さんの親友の関係。
優しさいっぱいの兄弟愛で溢れたバートランド兄弟。
小さくても立派な主人となったリヒトさんと、まだ未熟な従者であるミカゲさんとのやり取り。

本当に、笑顔になりながら見てました。
可愛いが沢山溢れててな…。


ただ、その後には必ず『壁』『悲劇』が待ち構えているんですがね(白目)
乗り越えられた者もいれば、残念ながら堕ちてしまったのもいる…。

でも、堕ちてしまった者はみんなが『ここでおしまい』じゃない事を祈りたい。

ここは続編に期待大のポイントですね。


で、今回はこの3人の中でカナデさんをピックアップしていこうと思います。




カナデさんの「弟を守る」という決意は、出会ったあの日からもう決めていたんだなというのがよう分かった。
例え「哀れみ」から始まったとしても、カナデさんが持っていた「優しさ」からこの決意がすぐ決まっていたんだな、と思う。

しかし、だ。

心臓を止められて意識が戻るまでずっとリヒトさんの名前を呼んでいた所から、ポラリス君は「何の感情かな?」と疑問に持っていましたが、これは恐らく…「愛情」よりも「義務」が強いのでは?と思った。

元々、リヒトさんは「超能力を継承させるためだけに産まれた子供」でした。
愛する我が子、ではなくただの道具であるという事は産まれた頃から既に決められていた事。
そんな可哀想なリヒトさんの事を知ったカナデさんは、すぐに『大事な弟』と受け入れてくれた。

そして、再び実験に加わったカナデさんは『無』のようになってしまいますが…でも、リヒトさんを慰めている時と必死になっている時は違う。
『兄』という『ヒト』になっているように見えた。
ちなみにこれは、カナデさんを演じる荒木寿茂さんのお声からそんなイメージが浮かんだのです。

ボイス有の力ってすごい。

あと、荒木さんの声がカナデさんの『お上品さ』と共に『男らしさ』『力強さ』も引き立てているのもあるので大好きです。


そして。
カナデさんにとっては義母にあたるカナエさん。
彼女の事でカナデさんとリヒトさんで大きく異なるものがひとつ。そこからするに…。
(カナエさんはどちらかというとブルーノさん側の人でもあるからな…。)

……カナデさんは『愛する義務』を持ってはいるけど、『自分を愛してくれる者』はよく考えたらいない。

自分が愛される事には、『価値』が全てだと。

リヒトさんルートのカギでもありましたね。
能力の価値・評価』というものは。

その定めが勝りすぎて、押しつぶされた結果があれなんだろうな。

いやあ、つらい。
つらすぎるだろ。



そしてなんと。
code:greenにてカナデさんが再登場です。
髪は長く伸び、背も高くなり、服装もチャイニーズ風になりかなり美しくなってます。
(実際190cmぐらいあるんじゃね?と思っていましたがそんな事はなかったぜ←)

ただ、その目には輝きがありませんでしたが。

ちなみに自分がカナデさんの存在を知ったのは、なんとラヂオ3回目でこちらのカナデさんが公開された時でした。
ラヂオ配信当時はPC版プレイの真っ最中で、まだ各NEのみしか制覇してなかったモンで『リヒトさんに兄なんかいたのか⁉︎』と衝撃大でした。

本編内では悲しい末路を辿ったカナデさんですが、ラヂオのボイスドラマでは……。
是非とも、youtubeにあるアーカイブで聴いてほしい。





🐥ピヨピヨ


▲X(Twitter)に投稿したイラストより









…ところで。
モブ達が言っていた『壊れたカナデを、門杭博士の息子さんが─』と言っていた一件。
あれは何なんだろうか。

めっちゃ気になる。
もしかするとスバルさんとの絡みが結構あったりして。
そこはワクワクポイントですな。








さて、次回になりますが…
サイクリreloadの感想記事は残す所あと2本の予定です。
裏ルートのエンディングは3本ですが、2本まとめてひとつ、そして…ある1本を最終回として語らせていただきます。


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