出生前検査〜カウンセリングまでしたけど受けない決断をした話(10週)
妊娠初期にネット検索しているとたくさん出てくる「出生前検査」「NIPT」などの言葉。
形態異常(奇形)などの診断や、染色体異常(いわゆるダウン症など)を早期に発見するための検査である。
産まれてくる赤ちゃんの100人のうち3人は小さなものも含めて何らかの異常をもっていると言われているそう。
初めての妊娠でかつ高齢出産でもあるため、不安な気持ちを少しでも減らせれば・・という気持ちで、分娩予約の取れた産院で出生前検査に関するカウンセリングを受けてきた。
そして、、私は診断を受けることを辞めた。
いろいろな価値観が入ってくる話なので、ひとつの事例としてその判断経緯について、残しておければと思う。
◾️医師からの概要の説明
まずは、染色体異常を調べる検査にも複数の方法があって、調べ方によってリスクやタイミングや費用が異なることを教えてもらい、
私の場合は費用が高くても流産リスクが低く感度の高い「NIPT」をまずは実施する方向でカウンセリングを進めた。
次に、ひたすらに確率論を教えてもらった。
①全体の3%にあたる先天性疾患のうち、25%の染色体異常のうち、70%の3つの染色体異常を確認する検査であること
→つまり先天性疾患のうち17.5%のことしか確認することはできず、残り82.5%は他の原因で起こり得るので、万能な検査ではないと強く念押しされる
②母体年齢とともに発症率は高くなることは事実
→37歳の場合、およそ200人に1人は21トミソリー(ダウン症候群)とのこと
◾️決して安心をお金で買うものではない
一通りの説明を聞いた上でわかったことは、
・先天的な染色体異常がないかを確認することはできるが、赤ちゃんが五体満足で健康に産まれてくることを保証するものではない。
=他の要因もいくらでもある。あくまでその一部。
・染色体異常があったとしてもこの世に産まれることができる命を、中絶する決断をするのか?ここの意思決定ができてないうちは検査しても不安要素が増えるだけ。
ということだった。
◾️それを受けての私の意思決定の経緯
・正直、自然流産経験もある身として、やっと授かれた我が子をどんな理由であれ、親の都合で中絶する判断を自分はしたくなかった。
・障碍のある子を育てることにどんなに手間やお金がかかったとしても、私たちを選んで宿ってくれたからには、産み、個性として受け止め、たくさんの愛情を注いで育てたい。(幼少期、実家の近くに支援センターがあったことで人より抵抗が少ないのかも)
・コウノドリでも21トリソミーと判明したけど中絶手術直前で結局妊婦の意思で堕したくないって決断してたし、私もそっち側になりそう。
・0.525%の確率論について、今多額の費用をかけて白黒つけることが合理的には感じれなかった。
ということで、実母やパートナーには「一応やっておいたら?」と言われたものの、私はそんな軽いものではないと考え至り、出生前検査はやらない決断をしたのだった。
その後、妊娠の経過にあわせて様々な検査が進んでいくわけだが、
「心臓の形が綺麗」「目は2つあり鼻1つある」など、当たり前だと思っていることをひとつひとつクリアしていくことが、どれだけ尊いことなのかを検査の度に実感していくことになるが、
しっかりカウンセリングを受けた上でしたこの判断は、少なくても私たち家族にとっては間違ってなかったと思っている。