弥生、吠える

三月になったらなにがあるというのか。
むしろ、三月のうちに済ませておかなければならないと思うことの方が多いのではないだろうか。
四月からは新しい年度が始まる。
年末年始とはまた違う「せわしなさ」に襲われる。
木草弥生い茂る春とはいえ、学校を卒業する訳でも、新しい仕事に就く訳でもない。
弥生という名前ではあるけれども、毎年春がくる度になにか新しいことが始まる、始められる訳ではない自分にとっても、三月には終わらせておかなければならないと、なぜかそんな気になるのだ。
大掃除をする訳でもないくせに。
さて、なにを終わらせようか。
 
そうか。いま気づいた。
 
終わらせたいことを三月にという理由で終わらせればいいのか。
目をつぶってきたこと、いろいろ終わらせてしまえばいいのだ。
さあて、なにからやっつけてしまおうか。
ああ、やっつけるとなったらまずはアイツをとっちめてやろう。
さぁ、腕まくりして、行ってくるぞ。ウォーっ！