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広汎子宮全摘術は子宮と子宮の周りを広く取る手術です

子宮頸がんの手術にはいくつかあります。その中でも広汎子宮全摘術は難しい手術です。産婦人科の専門医(約13,500人)がみんな経験しなければならない手術ではありません。婦人科の腫瘍専門医の場合は必要です。腫瘍専門医は全国で970人(2020年5月)です。

広汎子宮全摘術は子宮と子宮の周りを広く取る手術です。多くは子宮頸がん、一部の子宮体がんに行う手術です。尿が出にくくなったり、足がむくんだりすることが多いです。腸の症状が出る方もいます。

外科系の医師としては難しい手術が無事にできれば、少なからず満足感があります。がんと戦ってきた患者さんと医師達の努力で手術の技術は進歩しています。もし産婦人科医が自分の手術の技術のことだけを考えていたら、子宮頸がんの患者さんが減らなくてもいい、と思うかもしれません。子宮頸がんがほぼなくなる国では広汎子宮全摘術は過去の手術となるでしょう。

日本で子宮頸がんと診断されるのは、1年間に約1万人です。オーストラリアでは2028年にはほぼなくなると予想されています。

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