特許を出したのに企業秘密なの?その理由を考えてみよう!
(Q)テレビである食品メーカーの特許について紹介されていました。
ある食品の製法について特許を出したそうです。
工場見学のシーンで、ここから先は企業秘密で見せられないとのこと。
どういうことなのでしょうか?
(A)特許のことにお詳しいですね。
どんな理由が考えられるか、一緒に考えてみましょう。
<解説>
今回の質問は、テレビの内容についてです。
上記の番組を見て、ほとんどの方は特に違和感はないでしょう。
特許のことに詳しい方なら、違和感があるかも知れません。
✔特許を出したのに、なぜ企業秘密なのか?
特許を出すことと、企業秘密にすることは、一般には両立しません。
特許とは、発明を開示するものです。
その代償として、特許で、一定期間は独占できるという仕組みです。
開示とは、この事例では、その製法を実施できるようにすることです。
(いわゆる実施可能要件(特許法第36条4項1号))
つまり、企業秘密にすることとは、相容れないのです。
まずこの点を押さえておきましょう。
では、この番組中の企業秘密とはどういうことか?
一緒に考えてみましょう。
■特許を出したのに企業秘密なの?その理由を考えてみよう!
特許を出したのに企業秘密があるのは、例えば以下のような場合です。
①特許を出した製法とは別の部分
②まだ特許が公開されていない→内容を秘密にする期間を延ばしたい
③テレビの演出(本当は企業秘密ではないが演出上そう言っている)
その他いろいろ考えられると思います。
ぜひあなたも考えてみてください。
ただ、③の場合はやや問題です。
特許の仕組みを誤解させるおそれがあるからです。
(そこで本記事を書いた意味もあります。)
今後も身近な題材で特許のことを書いていきたいと思います。
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