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特許を出した内容が公開される時期とメリット【リライト版】

(Q)特許を出すと、その内容が公開されるそうですね。
いつ公開されますか?
そのメリット(あるいはデメリット)も教えてください。

(A)特許を出すと、その内容が公開されます。
その時期とメリットについて、以下ご説明します。
なお、法律上の厳密性よりも、わかりやすさを優先します。

(1)特許の内容が公開される時期

特許の内容が公開される時期は、
①特許になったとき
②出願から1年6月
です。

(2)特許が公開されるメリット

✔①のときに特許の内容が公開されるメリット

①の公開された内容のうち、
✔特許請求の範囲に記載された内容が、特許権の内容です。

第三者は、特許権の内容を勝手に実施してはいけないことになります。

つまり、特許を出した人の特許権(発明の独占)が実現します。
このようなメリットがあります。

✔①と②のときに特許の内容が公開されるメリット

特許の内容が公開されると、その内容は公知技術になります。

この内容には、
✔特許請求の範囲の内容だけでなく、明細書・図面・要約書などの内容
も含まれます。

他者は公知技術と同じ発明(+ほぼ同じ発明)では特許は取れません。

つまり、その特許の内容で、後から他者に特許を取られなくなります。
ビジネスの障壁にならなくなります。このようなメリットがあります。

■法律上の厳密性と、実務上例外的な内容

さらに勉強されたい方に、補足です。

①のメリットは、特許を取ったことによるメリットです。
その特許の内容が公開されることによるメリットではありません。
特許の内容が公開されるまでの間も、特許権は有効です。

②について、特許を出した人は、公開の請求をすることができます。
1年6月より前に公開することができます。

特許の出願内容の公開は、場合によってはデメリットもあるでしょう。
早期の公開がいいとは言えません。

■特許調査との関係

本記事をご理解頂けると、特許調査を行う範囲の理解が深まります。

特許調査にはこのようなものがあります。
✔(a)自分の発明で特許が取れるか調べる調査(先行技術調査)
✔(b)他者の特許を侵害しないための調査(侵害予防調査)

(a)は①と②の特許の内容を調査します。
(b)は①の特許の内容を調査します。

先行技術調査を行うと、侵害予防調査も実質的に終了します。
(複数の技術要素が組み合わさった高度な発明は除きます。)

<元記事>
【Q&A】特許を出した内容が公開される時期とメリット(2020年06月11日執筆)

<関連記事>当ブログのリライトについて
特許の過去記事をリライトします&YouTubeも【1文1行ブログ】

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https://www.tokkyoblog.com/archives/89271482.html

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