発明の効果と特許性について ~人生をポジティブに!
●発明の効果と、特許性について
特許というと、ものすごい効果がある発明というイメージがあるかも知れません。
もちろん、大きな効果がある発明は、それはそれで重要ですが、一般論としては、そこまで求められるものではありません。
つまり、特許になるためには、発明の効果が「大きい」ことは必ずしも必要ありません。発明の効果が「存在する」ことが必要です。
そして、よく考えればわかるのですが、どんな発明も、なんらかの効果が存在します。「なんとでも言える」わけです。
ですから、結論としては、特許になるためには、「発明の効果」はそれほど重要ではないということになります。
●重要なのは、発明の「効果」ではなく、「構成」の違い
では、重要なのはなんでしょうか?
重要なのは、従来の発明(先行特許)に対する、「構成の違い」です。
「構成の違い」に関しては、違いが「大きい」ことが必要です。
この構成の違いが大きいことを、発明の進歩性と言い、特許の世界で最も難しい判断の一つです。
「構成」が異なれば、それに起因して、必ず「効果」も言えるはずです。
つまり、
構成が異なる → 効果も異なる(存在する) → 特許になる
ということになります。
●発明の効果は、なんとでも言える?
上記で、発明の効果は、なんとでも言えると書きました。
これは、少し言い過ぎかも知れませんので、以下、補足します。
世の中のどんなマイナスとも思える出来事も、見方しだいで、必ずプラスの面があるはずです。
例えば、「けがをして入院した」という出来事は、ふつうはマイナスの出来事でしょう。
しかし、「けがをしないよう気を付けるようになった」「入院するという経験が得られた」など、プラスの出来事と考えることもできます!(ちなみにこれは、わたしが骨折して入院したときの実体験です。)
つまり、ある意味、マイナスの出来事と、プラスの出来事は、表裏一体なのです。
特許の場合も同じです。
あなたの発明が、従来の発明(先行特許)と比べて、マイナスの点があったとしても、見方を変えれば、発明の効果になるはずです。
99%マイナスであっても、1%プラスであれば、特許になるのです。
たしかに、99%マイナスであるという点だけを主張したら、審査官も特許しづらいので(笑)、その点は気を付けてください。1%プラスの方だけを、発明の効果として主張すればいいのです。
●人生のどんなマイナスとも思える出来事も、プラスの面があるはず
いかがでしたでしょうか。
どんな出来事も、必ずプラスの面があるというのは、人生も同じです。
「死ぬこと以外はかすり傷」という名言があります。
いろいろ挑戦してみて、失敗してもいいじゃないかという意味でしょう。
せっかくなので、これにもう一言加えます。
「死ぬこと以外はかすり傷で、そのかすり傷からもさまざまな学びが得られる!」
人生ポジティブに生きるのも楽しいものです!
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少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営