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永久機関の発明を特許の専門家(弁理士、特許事務所)はどう扱うか?

YouTubeでテクノロジーを学ぶことが増えました。
やはり動画での説明はわかりやすい!良い時代ですね。

先日は、永久機関について学びました。

永久機関についてのある動画はとても面白かったです。

一見、永久機関に見えるものを紹介し、「なぜ永久機関として成立しないのか?」を説明するという観点からまとめられていました。

熱力学の復習もできてとても有意義でした。
視聴回数もかなり多く、多くの人が永久機関に興味あることがうかがえます。

そこで本記事では、特許の観点から、永久機関に触れてみます。

上記の動画を参考にしてみます。
「永久機関を発明した!」という依頼があったときに、「なぜ永久機関として成立しないのか?」がすぐに判断できない場合があることでしょう。

このような場合に、弁理士(特許事務所)や審査官がどう扱うかについて述べてみます。

本記事では、永久機関の発明を弁理士(特許事務所)がどう扱うか?についてです。
✔①ただちにご依頼を断ることはしません
✔②永久機関ではないにしても、エネルギー効率の良い機関であることは考えられます
✔③すべての事情をお客さまにお伝えしたうえで、特許を出すかをいっしょに議論します

■永久機関の発明を弁理士(特許事務所)はどう扱うか?

お客さまから「永久機関を発明した!」という依頼があったとします。弁理士(特許事務所)としては、どう扱うでしょうか?

弊所:東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の例でお伝えします。

■①ただちにご依頼を断ることはしません

「永久機関なんて科学的にありえない!」とお伝えするだけなら簡単です。

ただ、そんな断り方をするなんて、夢も希望もないですね!

常識を疑ってみるのも弁理士の重要な一つの仕事だと思っています。
まずは真剣に、お客さまの理論を伺います。

■②永久機関ではないにしても、エネルギー効率の良い機関であることは考えられます

もし永久機関が本当にできたとしたら、偉大な特許になることでしょう。

ただ、特許になるのは、永久機関だけではありません(当然ですが)。

永久機関ではないにしても、エネルギー効率の良い機関であることは考えられます。

例えば、
✔自然を活用したり(例えば、重力や太陽や海など)、
✔見過ごされているエネルギーを活用したり(例えば、駅の改札を通る人の動力など)
すれば、永久機関ではないにしても、永久機関っぽいものを発明することはできるかも知れません。

■③すべての事情をお客さまにお伝えしたうえで、特許を出すかをいっしょに議論します

特許を取った後に、特許をどう活用するかは、発明者しだいです。
この点は、発明が、永久機関であろうと、永久機関っぽいものであろうと、いずれでもなかろうと、同じことです。

こうしたすべての事情をお客さまにお伝えしたうえで、特許を出すかをいっしょに議論します。


いかがでしたでしょうか?

では、弊所から永久機関の発明(または永久機関っぽい発明)で特許を出したとします(特許の出願書類には、「永久機関である」のような断定的な記載はしません。)。

あるいは、個人発明家の方が、弁理士に依頼せず個人で、「永久機関である」と主張をして特許を出したとします。

このような場合に、審査官はその発明をどのように審査するでしょうか?永久機関かどうか、すぐに判断できない場合、どう扱うでしょうか?

わたしの審査官時代の経験から、一つの考え方を述べてみたいと思います。

<続く>
永久機関の発明を審査官はどう扱うか?

●YouTubeで音声でもご覧いただけます。


●元ブログ
https://www.tokkyoblog.com/archives/80833819.html

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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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