特許はアイデアを独占するものだからよろしくないという誤解について
●アイデアはオープンにすべき・・・ITでは
ある著名なIT事業家さんがこんなことをおっしゃっていました。
「アイデアは、どんどんオープンにすべきである。オープンにすることで、みんながそのアイデアを磨いていき、より洗練されていく。」
たしかに、情報技術の分野では、アイデアをオープンにすることで磨かれていき、また利用者数も増えるなど、アイデアをオープンにすることのメリットは大きいように思います。例えば、wordpressなどがその典型例でしょう。
ただ、この考え方は、産業界全般に当てはまるものではありません。
そのIT事業家さんは、特許のことを意識して批判しているものではないと思われますが、例えば、世の中に「特許はアイデアを独占するものだからよろしくない」という考え方があるのだとしたら、ひどい誤解です。むしろ真逆なのです。
●特許はむしろ発明をオープンにするための制度
特許というと「独占」というイメージがあります。
しかし特許は、むしろ、発明をオープンにすることを促進するための制度です。特許における「独占」は、「オープン」に対立する概念ではないのです。
もちろん、特許発明を利用したい第三者は、一定の費用(ライセンス料など)が必要になることもあります。この費用負担をもって、「オープンにすることを妨げている」というのは、さすがに筋違いです。メリットがあるなら費用負担をすべきなのは、当然のことです。
●特許の制度があるからこそ安心して発明をオープンにできる
特許という制度があるからこそ、発明者は、安心して発明をオープンにできます。そして、ITの場合と同様に、発明がオープンになることで、発明が磨かれていき、より洗練されたものとなります。こうして産業の発達が図られます。
もし特許という制度がなく、発明は無償でオープンにすべきであるということになったらどうでしょうか?だれも、発明を公開などしないで、秘蔵してしまうことでしょう(いわゆるノウハウ化)。
ちなみに、発明を無償でどんどんオープンにせよというのは、たとえが適切かはわかりませんが、あたかも共産主義の考え方のようです。自分が発明をしなくても、だれかが発明してくれるだろうという考え方になります。共産主義において、一定数の怠け者のために、働き者がやる気をなくすようなものです。歴史を見れば、これが正しくないことは証明されています。
●発明の保護および利用を通じて、産業の発達に貢献
いかがでしたでしょうか。最後のたとえはともかく、お伝えしたいことはご理解いただけたと思います。ぜひあなたも、特許の制度を利用して、産業の発達に貢献してみてください。
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●元ブログ(+αの情報あり)
https://www.tokkyoblog.com/archives/72154135.html
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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営