いまの時代「産業の発達」は本当に必要か?
特許は、産業の発達を図るための制度です。
物余りとまで言われる現代では、さらなる産業の発達は必要ないのではないか?という考え方もあるかも知れません。似たような考えとして、デフレは脱却する必要があるのか?という考え方もあるでしょう。
しかし、産業の発達や、デフレの脱却は、未来に向けて絶対に必要なものです。わたしは経済学者ではないので、厳密な議論はしませんが、以下のようなイメージを持ってビジネスに取り組んでいます。
●「幸せのゼロサムゲーム」は不幸な社会
産業が発達しないと良くないのは、私たちの社会が「幸せのゼロサムゲーム」になってしまうからです。
ゼロサムゲームとは、総量が決まっていて、だれかがプラスになると、他者はその分マイナスになるというものです。サム(合計)がゼロということですね。
つまり、産業が発達しないと、幸せの総量が決まってしまいます。そうすると、ゼロサムゲームになって、だれかが幸せになったり得をしたりすると、だれかが不幸になったり損をしたりします。
そうするとどうでしょうか。他者の幸せを素直に喜ぶことができなくなるでしょう。そのような社会が健全と言えるでしょうか?
産業がきちんと発達し、経済がきちんと回れば、幸せの総量が増えます。他者がどれだけ幸せになっても構わなくていいのです。自分も自助努力でいくらでも幸せになれるはずです。
●特許の出願件数とゼロサムゲーム
上記のゼロサムゲームを、特許の出願件数と、特許事務所の業績で考えてみましょう(笑)
世の中の特許の出願件数が伸びないとします。そうすると、ある特許事務所(弁理士)の取扱い件数が増えると、他の特許事務所(弁理士)の取扱い件数が減ることになります。
この点、特許の全体数が伸びれば、そういったことが起きにくくなります。他の特許事務所がいくら取扱い件数を伸ばしても、自分の特許事務所も、営業努力で、いくらでも取扱い件数を増やせるはずです。
ひと言でいえば、特許の出願件数が伸びないと、パイの取り合いになるのです。
●東雲特許事務所(しののめ特許事務所)の事業方針
特許の出願件数のたとえはかえってわかりにくかったかも知れませんが(笑)、本記事の全体の趣旨はご理解頂けたと思います。
ちなみに、弊所:東雲特許事務所(しののめ特許事務所)は、本記事に関連して、以下のような事業方針をとっています。
✓個人発明家等に積極的に対応することにより、できるだけ新たな特許の需要を生み出したいと考えています。パイの取り合いになるような活動は行いません。
✓他の特許事務所の業績には興味はありませんが(笑)、他の特許事務所の業績が上がることは、特許の業界全体の繁栄につながることですから、とてもいいことだと思います。
✓単純に特許の全体数が増えることは必ずしもよいこととは思っていません。少なくとも弊所にご依頼頂いた案件については、十分な特許調査を行います。特許を取るのは難しいだろうというものについて、無理に特許を出すことを勧めることはありません。
ご参考になれば幸いです。
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●元ブログ(+αの情報あり)
https://www.tokkyoblog.com/archives/74244303.html
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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営