ルール作りのコツ
コツシリーズ第5弾。前回はこちら
はじめに
皆様、大喜利やっていますか?過去のコツシリーズでは生大喜利で回答者として立ち回る際の話がほとんどだったので、今回は主催者として何かする際の話をします
大喜利会を主催するにあたって、主催が何で一番頭を悩ませるかというと「ルール作り」だと思うんですよ。これから主催をやろうと考えていて、どんなルールにしたいか悩んでいる最中の方を想定読者としています
ルールの作り方を大きく分ける
「何をやりたいか」「どういう色を出したいか」という考え方だと漠然とし過ぎていて浮かばないと言う方は、ルールの作り方を分けて組み合わせていけば考えやすいかもしれません。それでも行き着く先は「その人の考え方による」にはなりそうですが、参考にしていただければ・・・
・勝負要素はありか?なしか?
集計の時間を取らなければならなかったりするので、タイム管理に慣れない最初のうちは勝負要素ありは難しいかもしれません。さらに言えば勝負要素ありとして、ちゃんとした大会形式にするとなるとさらに責任が重くなるので初主催でやるにはハードルが高いかな・・・と私は思います
しかし勝負要素があった方が参加者に結果を持って帰ってもらえて有益になりやすいというメリットもあります
・(勝負要素ありとすれば)審査形式はどうするか?
印象審査で投票してもらう、加点形式で1答ごとに審査してもらうなどありますよね。どの形式でやりたいかはその人によりますが、想定より人が少ない場合でも成立する審査形式についても考えておく必要があります。例えば平日夜の場合だと、特に大喜利開始直後でまだ人が集まっていない・・・というケースもありますからね
加点だと計算ミスに注意しなければならなかったり、計算のツールを用意しなければならなかったりと、印象やベストアンサーによる投票よりは若干ハードルが高い印象です。最近の人たちは普通に用意しそうだけど
・何人何分何題か?
【何人か?】
車座にしてもローテーション大喜利にしても「何人が1度に大喜利に参加するか?」を決めておく必要があります。最初に決めた会全体の参加者から逆算して割る、先にルールを決めてから会全体の参加者を集める等から考えることになるかと思います
主催初めての人が指名を管理できる限界の人数は7名だと私は思っていて、これに「大会だと指名の順番をとちった場合は大変なことになるけど、勝負要素のない車座ならまだ参加者の方も待ってくれるかも・・・」みたいな考えがあったりします
【1題何分か?】
長すぎると「このお題、そんなに考えることに耐えられないよ」というケースが出て来るし、短すぎると「このお題、もっとやりたかったよ!」というケースが出て来るし。時間を決めてからそれに耐えうるお題を考えることになるのかな?
個人的には3分・4分が合わせてお題を作りやすい時間だと思います。お題については勝負の形式の兼ね合いもありますが・・・
【1セットの参加で何題できるか?】
全員参加でなければ考えなければならない箇所ですね。3分2題であれば3分のお題を2つやって参加者を入れ替える・・・ということになります
この回数を1題にした場合は入れ替わりや管理の手間はかかるけど、色々な組み合わせを見られる(参加者の方も体験できる)でしょう
逆に3題のように多くすれば入れ替わりや管理の手間を減らすことができますが、参加していない方を待たせる時間がその分長くなります
例を出しますと、会全体の参加者が24名で1セットで6名参加する場合は4ブロックあるので、3分2題だと3×2×3の18分の大喜利をやらない待ち時間が生じることになります(実際は入替とかもあるのでもうちょっとかかります)。どれぐらいだったら自分だったら待てるかな?と考えながら決めていくといいでしょう
これらを踏まえてルールを1つ決めてみるとしたら
これだけでも十分に一つのルールとして出来上がっていると思いませんか?
どうやって独自性を出すか?
最初に言っておきたいのは大喜利のルールは概ね出尽くしているだろうから、どこも誰も出していないというレベルの独自性を出すのは難しいし、逆に言えば被りが多少あったとしても気にするようなことではないということです。そこで「色を全然出せない!」「被っていたらどうしよう!」と思い悩んで主催ができなくなることが、主催しようと思っている人にとっても大喜利をやる人にとっても困ることになると思います。何度も主催して、様々なルールを試して「これ独自性あったんかい!」と思うぐらいがちょうどいいはず
私にも特にいいアイデアとかはないですが、考えうる独自性の出し方の例を羅列します
ルール被りと拝借の話
これはこのnoteを書くにあたって正直無視しようかと思っていた箇所でした。前述のとおり大喜利のルールは概ね出尽くしているだろうから、どこも誰も出していないというレベルの独自性を出すのは難しいし、逆に言えば被りが多少あったとしても気にするようなことではないと言う考えだからです
ところがnoteの構想を練っている時にXでこのような呟きを目にしました
自分が考えているより深刻な問題な可能性がありました
・・・さて、この呟きを引用してこのような記述をするにあたって私は杜野さんに許可を取りました。
そもそもこの呟きは引用する際に許可を取らなくてもいいし、許可なくnoteを書いてもよかったんですよ
一言で言うと「許可を取らなければならない法的根拠はないから」です。引用はもちろんX等の仕様上認められている行為です。また「アイデアは著作権上保護されない」とよく言われている通り、このような呟きに触発されて独自に何かを書くことは法律上は問題のない行為なのです
ただ、心理的に「なんとなく」無視できない部分ではありました。杜野さんとは大喜利の場で顔を会わせることも多いですし、仲良くしてもらっているので・・・となると大喜利のルールでも同じことがあるのかな・・・と思ったのであえて許可を取りに行った上で組み込みました
なので大喜利のルール作りにおいても「独自性があると思って作り込んだけど、この部分が被っているかも・・・」と明確にわかっているルールが存在する場合は、作った人に聞きに行ってもいいかもしれません。「方がいい」とまでは思っていません。聞きに行った方がメリットがあるケースもあるかもねという考えですです
ただ「どっかで被っているところがあるかも、誰かすでにやっている人がいるかも」については考えすぎないほうがいいでしょう。後で誰かに言われた時に「そうだったんだ」と一旦納得した上で対処するべきです
ただし、これらは自分でルールを作った結果として被りがあった場合の話です。今までとは話が変わりますがルールの名前ごと拝借して、会のタイトルにその名前を入れるレベルで利用して人を集めるような場合は別問題です。その人がそのルールにフリー使用の許可を出しているかを確認したり、そうでなければ使用する際に許可を取りに行く必要が出てきます。そりゃあ勝手に利用したら法律違反になるということはないですが、ルール考案者には「ルールをパクった人を自分の会から出禁にする」「そのルールを2度とやらない」をする権利があるということは覚えておきましょう
許可を取るべきか否かの具体的な内容については静かの海さんがnoteを作ろうとしているようで、情報も集まりつつあるようなのでいずれ参考にできる資料ができるかもしれませんね
特効さんの大喜利会のルールについて
最後に、私が過去に主催した大喜利会で明確にルール名がつけられている物の話をいくつかして終わります。ルール作りの参考になるかな~
・2種の時間の大喜利
初めての主催をやろうと思っていて、「色々な制限時間の中で大喜利をやってもらう形式にしようかな・・・」と考えていたところで、3104さん主催「「N」"overflow"」が目に入ってきました
「よし!じゃあその前の週とかに12分1題と4分3題ができる大喜利会をやろう!」と思い至って開催することに
主催の3104さんやNに参加する人にも来ていただけましたし、そこから伊武下にしんさんがNで優勝することになったので、初主催としてはかなりいいことになったと思っています
これがもし「N」そのものをやるとしたら当然ゴハさんに許可を取りに行くことになっていました。そもそも計算システムも借りなければならなくなるからです。「ルールに必要なツールを自作する方が大変」というのは一つのコピーガードになっているかもしれません
2種の時間の大喜利についてはそもそもの発想の起点が「色々な制限時間の中で大喜利をやってもらう形式」であり、パブリックなルールの組み合わせで成り立つ範疇だと判断したため許可取りの類はしていませんでした。またNをやるようだったらぶつけようかと思っています・・・が次回開催するとしたらゴハさんに「やります」という通知はするような気がします。当時の意識がちょっとガバガバすぎたという反省もあるので
・1∞ルール大喜利
全員が全お題に参加できるうえにベストアンサー審査までついているという得々ルール!
あまりにもシンプルな手入れの仕方なのでどっかで誰かがやっている可能性はありますが、今のところ類似性の指摘はないです。もし誰かが全く同じようにすでにやっていたらその人に聞くべきかもしれませんが、私としてはパブリックなルールの組み合わせの範疇だと思っているのでこのルールを保護する方法はないと思っています
・3分2題の特訓会
名前もルールもシンプル過ぎるのでこれ自体は保護できるようなルールではないでしょうね
「大喜利総決算が近いからそれに向けて特訓できる会をやろう!」というのが発想の起点ではあるのですが、どうするか考えていくうちにあくまで「具体的な一つの大会」に対してではなく「3分2題印象審査という形式」に対しての特訓としてやりたいと思うようになり、「こういう形式の大会はいっぱいあるから具体的にどれとかはわからないし、もっと後の大会でも役に立つだろう」という考えになりました
これで明確に一つの大会を想定して、その名前を冠して特訓会をやるとしたら話を通すことになると思います
・快速まっすん組手
快速まっすんさんに「組手やりたい」と言われたのでルールを考えることになって、ルールを考えている最中に以下の画像をまっすんさんがXにアップしました
「必負」「全敗なるか!?」という組手とは思えないマイナスワードを見て「2周目は最初のタイマンで負けた人と勝った人がタッグを組んで快速まっすんと勝負する。投票はプレイヤー個人に対して行ってタッグの票は合算する」というルールにしました。そんなルールのタイマンを回す大喜利は多分他にはないし、スタンスもかなりおかしいので、(この言い回しも何ですが)既にあるちゃんとした組手とは独立した存在だと考えています
終わり
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