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自動車学校が作るガーデンハックルベリーの大ヒット商品

IWATE PRIDEとは
岩手で活躍する”人”にスポットを当て、魅力を伝えるコンテンツです。さまざまな角度から、大切な”人の想い”を伝えていきます。


お話しを伺った方

株式会社江刺自動車学校 事務課長 繁泉 春音さん(2024年取材)


地域に密着した自動車学校

岩手県奥州市の江刺地域には、一風変わった取り組みを行う自動車学校がある。それは、JR水沢江刺駅から車で10分ほどの場所にある江刺自動車学校だ。

江刺地域で唯一の自動車学校として、自動車や建設機械、フォークリフトの講習のほか、高齢者講習や安全教室などを実施。2017年には、全国の指定自動車学校で初となるドローンスクール「IWATE DRONE SCHOOL」も開校した。

地域とともに歩んできた同校では、教習生との距離が近く「何歳になっても元気で安全に運転できるように」と、相手を思いやる丁寧な指導を行っている。

しかし近年は、「眼鏡等」の条件付きで免許を取得するケースが年々増加しているという。次第に同校のスタッフたちは、「日常生活に車が欠かせない地域だからこそ、この状況をなんとかしたい」と考えるようになっていった。

目に良いものを探し続けて

「最初は『目にいいものって言ったらブルーベリーだよね』という発想から始まりました」

そう語るのは、江刺自動車学校で事務課長を務めている繁泉春音さんだ。当時、繁泉さんは入社3年目を迎えた頃。周りのスタッフとともに、“目に良いもの”を探していた。

アントシアニンが豊富なガーデンハックルベリー

「いろいろと調べていたら、ブルーベリーよりもアントシアニンが多く含まれているガーデンハックルベリーにたどり着きました。まずはコレを育ててみようか、という話になったのですが、栽培した経験がありませんし、地域には苗を売っている店もありません。産直や道の駅を回りながら、少しずつ情報を集めていきました」

やっとの思いでガーデンハックルベリーを入手したスタッフは、学校の隣に休耕田を借りて栽培をスタート。初年度は手探り状態だったが、2年目からは順調に収穫量を伸ばしていったという。

学校の隣にある圃場。毎年ゴールデンウィーク明け頃に定植を始める
枝葉を広げ、収穫期を迎えたガーデンハックルベリー

やがて誕生したガーデンハックルベリーのジャム

「ガーデンハックルベリーは生食ができないので、手始めにジャムを作りました。おいしさにもこだわりたいので、粒が大きく完熟したものだけを使用。ジャムの中でも低い糖度に設定することで、さっぱりとした自然の甘さが感じられる商品に仕上げました」

直径1センチ前後の完熟した実だけを収穫する

その後、江刺自動車学校では「えさしベリー」を立ち上げて商品を販売。今ではラインナップも増え、「飲む酢」や「成分シロップPREMIUM」も仲間入りした。

パンにつけてもおいしい「ガーデンハックルベリージャム」
ギフトに人気の「ガーデンハックルベリー成分シロップPREMIUM」

「成分シロップはガーデンハックルベリーを濃縮したもので、ヨーグルトなどにかけてお召し上がりいただけます。『飲む酢』は、水やお湯で割るほか、炭酸水に入れてもおいしいですよ」

車を運転しない日は、焼酎などで割るのもオススメの「ガーデンハックルベリー飲む酢」

アントシアニンやβカロテン、カルシウムなどが豊富

江刺自動車学校では、岩手県や都内の専門機関に依頼して、商品の成分分析を実施。その結果、ブルーベリーよりもアントシアニンが約7倍含まれていることや、βカロテンやビタミンB1、カルシウム、カリウムなども豊富だということがわかった。

ツツジ科のブルーベリーに対して、ガーデンハックルベリーはナス科。よく見ると表面のハリ感がナスに似ている

繁泉さんは「アントシアニンは視力回復や眼精疲労に効果があると言われていますが、今のところ科学的な根拠は示されていません。でもリピーターのお客様の中には、白内障や緑内障の症状が軽くなったという声もいただいています。効果を実証するものではありませんが、皆さんに喜んでいただけることが何よりもうれしいです」と言って笑顔を見せた。

加工自体は外部に委託しているが、収穫や選別、洗浄などは、全て江刺自動車学校のスタッフが手作業で行っている

毎年、9月下旬から10月上旬にかけてガーデンハックルベリーを収穫。最近では完売してしまうことが増え、販売を心待ちにしている人も多いという。

「今年は例年以上に豊作で、10月下旬から販売を再開しています。当校や地域の産直などで扱っているほか、お電話でのご注文も承っています。ぜひたくさんの人に味わっていただきたいです」

白く可憐な花を咲かせるガーデンハックルベリー

思いが詰まった、とっておきの一品

「講習生のためにできることを」という思いから生まれた新たな商品。
今では地域の特産品としてふるさと納税の返礼品にも登録され、遠く離れた沖縄から注文が入ることもある。

もしかしたら人気の秘密は、おいしさだけでなく、江刺自動車学校の温かくも深い思いが詰まっているからかもしれない。

地域の人を思い、ゼロからスタートした「えさしベリー」のアイテムたち。ぜひ一度、味わってみてほしい。


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