9月のおすすめワールド
2024年9月にVRChatでリリース、もしくは私がX(Twitter)で紹介したもののうち個人的におすすめなワールドについて10件ほど再紹介します。
でかいエンターキーに住む ―By wasabimusi
業堀(gobori)さんの以下のツイートによる四コマ漫画の発想をVRワールド化したものです。
元々の提案に応じたその内部はお洒落アパート風なこざっぱりした理想の生活、しかしシナリオ通りガーデニングに使いたかったくぼみはエアコンの室外機と自転車置き場になってしまった…という所まで再現。シンプルながら発想が面白く完成度の高いタイプのワールドですね。
家は大草原の中にありますがなだらかな丘の緑はWindowsXPのデフォルト背景のようでもあり、パソコンの部品としてそこも意識されているのかも。
Kangetsu Lake ―By RootGentle
池に浮かべた小舟でお月見をという風流な景観ワールド。要素はシンプルですが小物の丁寧さや浮かぶ灯篭からなる神秘的な風景の質感が大変に良いワールドですね。
また、「Japan Shrine」の神社が出来る前のその地、という設定もあるそうで池の岸にはその前身の鳥居と小さな祠も。こうした歴史と信仰の世界も感じるのもまた個人的にお気に入りです。
Of Azure‚ Stars Shine ―By Shopow
青がテーマカラーのファンタジーテイストな森。様々な植物の彩りと水の流れる小路、そして古びた遺跡。時折出現するスピリチュアルなメッセージも神秘的な雰囲気を演出しています。
ゲーム要素はありませんが冒険心をそそるワールドですね。
vent․ ―By Premium²
コンクリート・アーキテクチャータイプのワールド。狭い部屋から巨大な空間、不気味に赤く染まった通路、底の見えない谷など色々な趣向の空間が連なるオムニバスアート的な作品です。
人工物一辺倒でなく植物が絡みついていたりと、廃墟や異世界のような何らかの目的を持った空間のようにも見えてくるミステリアスさが良いですね。
Radiation Echoes ―By Lavryou
冒頭写真も参照。タイトルの意味合いからも察するに、廃墟となったチェルノブイリ旧市街をイメージした作品。
ソビエト連邦時代風のコンクリート団地や看板などの文化を感じる建物と煤けた空気を感じるエフェクトに寂寥感を感じる風景ワールドです。
しかし同氏のこれまでの作品と同じく、通りの奥で突然鳴り出す電話に出てからが本番のホラーワールドでもあります。
以降プレイヤーを追いかけてくる怪人から逃げつつ、ワールドに散らばる原子炉の部品を収集していくのがミッション。ただの廃墟かと思いきやその過程では超常現象や異次元空間へのいざないもあり…?
ゆっくり景色を楽しみたい人は電話に出ない方が良いかも。
中文吧 Chinese Bar 7․0․5[CN\HK\TW] ―By Circes
定期的に新規版が別ワールドとしてリリースされている中文圏コミュニティ集会所の7代目は宇宙船の中の箱庭。
中心に光る樹を擁する中華風庭園にはカフェやステージ、ゲームやアバター展示などの施設が充実。エアロックから宇宙遊泳を楽しむことも可能です。
星空のように光る川や惑星図など全体的なデザインに妥協のない、集会場である以上にワールド単体としてもとても綺麗な作品です。
中文吧についてですが初代は集会所ワールドの多くがそうであるように、軽量シンプルを旨としたこじんまりしたカフェでした。しかし代を経るごとに次第に外見に凝るようになっていき?
4代目は海中のコンベンションホール、6代目も今回の前身的なSF基地風と毎回目を楽しませてくれます。国を代表してなワールドだけに玄関口も綺麗にしようという方針なのかもですね。
追憶の朱紅 ―By さくらめさん/桜女 幽鬼
紅葉と夕暮れに赤く染まる寺院のワールドです。神社でなくお寺のワールドは意外と珍しいのですが、山門や鐘つき堂などの建物、地蔵の列などでしっかり差別化されていますね。厳粛な雰囲気の和の美を鑑賞できます。
墓地の一角では色合いがセピア調になる演出があり、言葉はなくともタイトルの説明文のニュアンスを感じさせるのがまた粋ですね。
Frolic Lounge ―By New Eden
豪華絢爛な海外イベント所管のクラブラウンジ。
クラシックな図書館風の入り口でスイッチを押すと扉が開き、更に銀行の金庫室風の重厚な扉が開き、などやたら大仰な演出がまたワクワク感を高めてくれますね。
結晶の生えた洞窟やスチームの管も存在するなど、SFファンタジー的な独特の世界観も魅力的。まさに「エデンの園」というべきかの異世界ですね。
Thad Recursive Room ―By Thad Gyther
大分類としてはサイズ系のワールドでしょうか。
部屋の中にはその部屋のミニチュアが、部屋の外には逆のスケールで大きな部屋が。そしてそれぞれに縮小・拡大されたアバターが映し出されるという特殊視覚効果が体験できます。(VRChatカメラには写らないため上記はSteamのスクリーンショットです)
ここまでなら作者さんの前作や他のワールドにもありますが、このワールドの特徴は色々な家具やおもちゃの動きが大小の部屋で連動しており互いに干渉できること。
部屋の中の釣り竿を持ってミニチュアの部屋に垂らせば頭上からそれが現れ、扇風機をONにして部屋に吹かせれば吹き飛ばされ?
他にもアイデア次第で色々遊べる体験型のワールドです。
The Palace ―By OPCherry
他に様々な歴史建造物風のワールドを作られているOPCherryさんの久々の新作。「新古典主義」と分類される近代建築をイメージしたワールドです。
特定の建物の再現ではないようで、その風合いの造形や装飾を施した創作の宮殿なのでしょう。しかしその精緻なデザインには隙が無く、実在性も思わせる完成度の高い作品ですね。
白亜の大理石風の玄関から豪華なホール、煌びやかな廊下、奥の大型ダンスルームまで貴族気分が満喫できます。
9月は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
次月もまたまとめていきます。