♯030 入院治療中に「欲求の肥大化」を修正する
弊社では、説得移送による精神科病院への入院後、家族に代わって患者さんと人間関係をむすび、長期的なサポートを行っています。(※対象となるのは、重篤な精神疾患がありながら病識がなく、家族との関係も悪化するなど、いつ親族間事件が起きてもおかしくない方です)。
入院当初は精神的にも興奮しており、易怒性や粗暴性などが際立っていますが、投薬治療がはじまり、家族とも物理的に距離をもつことで、徐々に落ち着いてきます。ここまでは治療の範疇です。
急性期の症状が落ち着いたあと、社会復帰を目指すにあたり大きな課題となるのが、「肥大化した欲求値」や「歪んだ認知」をどう修正していくか、ということです。とくに難しいのは、家族(親)が「本人とこれ以上、同居はできない」「絶縁したい」と思う要因の一つ、「お金の無心」「執拗な要求」です。これについては、精神科医療従事者は「本人のパーソナリティの問題」「家族の問題」であり「治らない」と判断していることが多いです。しかし入院治療中だからこそ、できることもあります。
子供の健全化を目指すにあたり、家族が心得ること
「肥大化した欲求値」や「歪んだ認知」は、精神症状が軽快するに従い、頭角を現してきます。本来であれば、入院中という環境を利用して、思考の歪みを認識させ、欲求が叶わない状況に対する耐性(分かりやすく言うと“我慢”)を身に着けさせることもできるはずですが、現状の精神科医療は、入院期間が「基本3か月、最大1年」とルール化されており、課題がみえた頃に退院を促されてしまいます。家族は失望し、病院に対して怒りを抱いて、病院との関係を壊してしまうこともありますが、それではせっかく医療につながった意味がなくなってしまいます。
子供を健全に導くために、まずは家族が以下のことを理解してください。
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