『ざつ』 お気楽TRPG日記26。物書きの始まりとか、TRPGフェスティバル・オンラインとか、シャドウラン・キャンペーンとか。
概要:還暦間際のTRPGデザイナー、朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)が適当なことを『ざつ』に書くエッセイ。だいたい、TRPG関連の思い出とか雑談とか、シナリオ作成やGMの裏話。GWは色々忙しいのですが、イベントが決まったので、その話をば。
GWなのに忙しいです。GWなのに遊べません! 明けたら明けたで忙しい予定です。これが自由業のサダメか!
・・・という訳でキャラコンの結果発表はもう少々お待ちください。
物書きの始まりとか
小説書きたいのですが、どうしたらいいのでしょうか? 的なコメントを見て、書き込んだTwitterがプチバズったので、まとめておこう。
『ざつ』だな。
エンタメ系は「こんな駄作が本や雑誌に載るなら、俺も書く」でいい。
書けたら、デビュー出来るかもしれない。
そうやって牧場買った人、知ってますよ。
「ターザン」の原作者エドガー・ライス・バローズって言うんですけどね。
バローズさん、仕事を転々とした挙げ句の果てに、ある日、思い立って書いた「火星のプリンセス」でデビューしてブレイク、「ターザン」20数冊を含む100作ほどを書いて映画化もされ、ベストセラー作家となり、牧場を買った。その場所は現在、ターザナという地名になっています。
ぷちバズっているので、補足。
物書き業界で生き残るのはそんなに簡単じゃないのですが、こんなきっかけでも400枚書けるなら才能はある。その100倍以上の人間は書き上げられないし、途中で絶望して筆を折る(俺も何度かした)。
「俺が面白い」話を400枚書くには熱がいるんだ。
ところで私も学校でノベル科の授業を持っている。
「勢いでもいい」と、こういう学校の存在は矛盾しない。書きたいと思った人が修行する場所のひとつだと思ってほしい。その人、その人が自分で「書くための」場所を選べばいい。
あと、学校は試す場所だ。実力も、希望も、可能性も。
もちろん、小説家になろう他のウェブ投稿サイトも、試しの場であり、しばしばデビューにつながる。「俺も書いてみよ!」で始めて、毎日3000文字連載して何十話、何百話書いて、ランキングトップに食い込んだ奴が才能のないはずがない。
出版社だって青田刈りするさ。
物書きになりたくて、働きながらずっと書き続けてブレイクする人もいる。「ハリー・ポッター」のJ・K・ローリングさんもデビュー前は子供抱えて働きながら、自分の夢を書いた。
大半はその原稿も無駄になるが、原稿があれば、彼女のように突破できる人もいる。書かなければ結果は出ない。
その上で、物書きになれない人、ならない方が幸せな人もいる。たぶんちゃんと仕事についた方が幸せだが、書かないと死んじゃう人もいるので、「書きたい」と思った時に試してみればいい。学校はそういう確認の場所であり、必要な助言をもらえる場所でもある。後は費用対効果で考えてほしい。
学校は人脈でもあるという話を初回にする。クラスメイトは最初の人脈だ。困った時、愚痴りたい時、役に立つのはクラスメイトだ。だから、お互いに優しくあれ。
この話は、ちょうど、ゲーム学校の新学期のタイミングだったので、考えていたことをつぶやいたんだ。
『ざつ』な話だけど、時には、馬鹿みたいな突破力が必要なことも多い。
TRPGフェスティバル・オンライン参戦
まず、告知!
5/29開催のTRPGフェスティバル・オンラインに参戦します。
シャドウランは私、朱鷺田と西上さんの2卓。
エクリプス・フェイズは岡和田さんが
ザ・ループTRPGは翻訳チームの塚越さんがGMを担当します。
興味のある方は卓の説明を読んでから応募してください。特に、EP卓はRole & Roll掲載シナリオを遊びますし、シャドウランは私と西上さんで傾向やルールが大きく異なりますので、そこよく考えてください。私の方は、さいたま九龍城だから、まともな運用を見たい人は西上さんの方によろしく!
卓の内容
シャドウラン5th Editionのオンライン・セッションです。
今回は、R&R196で紹介した日本設定をベースにちょっと変わった日本でのセッションを行います。
舞台となるのは、さいたま九龍城。環太平洋大震災の後、新東京から見捨てられたさいたま市は、リニア新幹線の止まる大宮駅周辺だけが企業の栄える場所となり、周辺は治安の悪化したスラムとなりました。そこは企業戦争の舞台となり、シャドウランナーやニンジャの跋扈するカオスなスプロールとなったのです。
キャラクター作成は4月のキャラコンと同様のレギュレーション(基本ルール、ラン&ガン、規制品、Role & Roll掲載のデータ使用可能)となります。キャラ作成が間に合わない場合は、キャラコンから指定します。ルールブックおよびラン&ガン所有の方に限ります。
うわー、『ざつ』な告知だ。
参加者が「キャラ作れません」とか言ったら、GMが「キャラコンのあれ、使って!」と言います。「あれ、使いたい!」も出来るだけ対応はしますが、参加者全員、ジャイアント・馬々娘が希望だったら、シナリオがトウィンクルレースになっても文句は言わないように! 状況で却下しますよ。
あ、ちなみに、朱鷺田は「翔んで埼玉」を履修していないので、そういう展開を求められても困ります。『ざつ』だな。
さいたま九龍城
さて、今回の舞台であるさいたま九龍城について。
もともとの発想は、新東京の公式設定を見ていて、正式には新東京に組み込まれたはずの埼玉県の設定が少ない、というところが始まりです。「Corporate Enclaves」の地図を見ても、武蔵野線から北はスプロールから外れている。もしかしたら、「翔んで埼玉」のように、ここに境界線があって、ここから外は都市化が進んでいないのか? こういう場合、環太平洋大震災(リング・オブ・ファイア)の影響があったと考えるのが、シャドウランの世界設定的には辻褄があいます。
新東京自体も壊滅した地下鉄を全部放棄してモノレール化したという『ざつ』な対応をしていますので、間に合わない場所、例えば、それなりの被害を受けているが、川崎・横浜の工業地帯ほど緊急を要しない埼玉を「見捨てた」のではないか?
これに「ニンジャスレイヤー」的なネオサイタマを組み合わせたのが「さいたま九龍城」の設定です。カタリスト公式ではありません。
そして、今月発売のRole & Roll Vol.200に、このさいたま九龍城を舞台にしたシナリオ「超音速スゴイハヤイビル905」が載ります。参加者の皆さんはぜひ、お読みください。Twitterで募集した結果、ニンジャと戦うシナリオになったアレですよ。ひどいニンジャが次々出ますので、お楽しみに。
シャドウランのキャンペーン
3月末に、数年続けていたシャドウラン・キャンペーンが終わりました。Role & Rollにその1話目を載せましたものの続きで、シアトルを皮切りに、サーリッシュ・シー評議会国、スー国、カリフォルニア自由国、日本、統一コリア、ウラジオストック、アフリカのキリマンジャロから宇宙に上がって、チューリッヒ軌道区、南米に降下してカリブ海を満喫、バミューダ海域からフロリダに上陸、そのままボストン・ロックダウンまで体験。総合取得カルマが200点以上でした。
同じメンツで新キャンペーンを始めようと考えた結果、Role & Rollに載せた横浜設定を使うことになり、4月下旬に第一回目をプレイ。
横浜Gファクトリー(あれですよ、白い令和大仏がある場所)で、新しい大仏(今度は赤くて3倍ハヤイ奴をリアルサイズで50メートル動かします)の開眼式が開かれるので、そこに参加する先端ロボット技術のエンジニアをリクルートするだけの簡単なお仕事です。
かなりネタなシナリオですが、あのファクトリーがどこの所属で、どういう警備状況になっているかを考えるのは面白い実験でした。
今回のシナリオでは、Gファクトリーがレンラク傘下ということにしたため、会場の警備は赤くて硬い奴(レンラク・レッド・サムライって言います)が主力という地獄レベル。対するランナーたちは、日本を支配する銃刀法の関係上、刀は持てるが、銃器は違法という火力不足モードで対応。
なんとか知恵を絞ってクリアしてくれましたが、なかなか、面白いセッションでした。2回目も近々プレイ予定。シナリオ頑張ろう!
そんな感じで今日も『ざつ』に終わります。