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『ざつ』 お気楽TRPG日記69。告知(ザ・ループTRPGリプレイ、3/15邪神忌)とか、Year Zero Engineで「鬼滅の刃」や「ブルーロック」とか、ブルーローズな日々とか。

概要:還暦間際のTRPGデザイナー、朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)が適当なことを『ざつ』に書くエッセイ。だいたい、TRPG関連の思い出とか雑談とか、シナリオ作成やGMの裏話。3/15に邪神忌開催しますよ。

告知:ザ・ループTRPGリプレイ第三回公開中、3/15邪神忌


 まず、告知から。ザ・ループTRPGリプレイ「6月の化石」第三回「石切場と謎の球体」が公開中です! 

  もひとつ、告知。今年も3/15のラヴクラフトの命日イベント「邪神忌」を阿佐ヶ谷ロフトAにて開催。森瀬繚さんと一緒に、ラヴクラフトやクトゥルフ神話を語ります。今回のテーマは、“MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のクトゥルー神話要素!?”。
 5月公開予定の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を前に、これまでに公開されているMCU関連作品と、『ドクター・ストレンジ』の原作コミックにおけるクトゥルー神話要素について、がっつり予習しましょう! アメコミ業界からお一人、ゲスト参加が確定しました。

ブルーローズな日々


 2002年に、オーパーツ物のトレジャー・ハンターもののTRPG「ブルーローズ」を出したのですが、そのおかげで、オーパーツ・ネタが来たりすると、「いかん、ブルーローズ案件だ!」と言ってしまいます。

 例えば、マンガ「ダンダダン」4巻は、ターボババアから力をもらった主人公とオカルト大好き少女VSネッシー戦。怪しい合体怪獣をあやつるエイリアン、運命の戦士を自称する少女が登場したりするので、もうブルーローズ案件です。

 ニチアサの「仮面ライダーリバイス」は、悪魔を駆使する人間という話でメガテン案件かな、とか思ったら、ギフ様がオーパーツという話が来て、ブルーローズ案件になってしまう。そう言えば、OPに進化論のイラストとか出ていたからな。

 挙げ句の果てに、ロシアのウクライナ侵攻の周辺情報に、色々現代サブカルチャー的な闇が湧き出し、ブルーローズで登場させていたメカニックなどがどんどん実戦投入されていって、ちょっとシャレになりません。

 アントノフの巨大輸送機が吹き飛ぶし、装甲列車がロシアから走ってくるし、事実は小説よりも奇なりですね。

Year Zero Engineで「鬼滅の刃」や「ブルーロック」を再現する。


 TRPGデザイナーという職業柄、何か話題があると、それをTRPGシステムで再現しないと気がすまない瞬間がある。話題のコンテンツを自分がTRPG化するなら、こうする、ああすると頭の中でこねくりかえす日々だ。最近は、「ザ・ループTRPG」の影響で、フリーリーグのYear Zero Engineが便利であると思う。
 まず、「大規模トラブル」のルールが、ナラティブな協力再現方式として、実によい。これについては、先週公開した「6月の化石 ザ・ループTRPGリプレイ」が詳しい。

 これは、チームで協力する戦いを再現するのに向いている。
 例えば、先鋒が相手の姿勢を崩し、次鋒がトリッキーな行動で防御能力を下げ、メインアタッカーが決める、という戦いが出来る。

 つまり、「鬼滅の刃」の炭治郎、善逸、伊之助の協力プレイが再現できるということだ。


 もちろん、十二鬼月戦などのクライマックスでは、バランス込みで展開する。ここも、クライマックスで用いる必要な成功数はPCの数の3-4倍と指定されているので、上弦の月であれば、PC数の4倍(至難)とすることが出来る。

 こういう形で、問題を成功数に反映していくのが面白いし、(能力値+技能値)個のD6を振り、6の目をカウントするだけのシンプルな判定ながら、創意工夫を吸い込み、足りない分は、コンディションで引き取るという仕組みがナラティブな形に反映されていく。
 つまり、傷だらけになりながらも、鬼を倒す、というアクションが取れるのである。

 では、鬼滅の刃の「鬼は首を切らなければ死なない」「鬼は再生する」は、どう再現するのか? と言えば、同じYear Zero Engineを使った19世紀北欧ホラーのVaesenがヒントをくれる。

Vaesen 

 Vaesenには、タイトルであるVaesenこと、北欧の民話伝承に登場する妖精や魔物が登場するが、それらの魔物はコンディションの列を持ち、ダメージを受けるたびに、そのひとつの状況が発生する。PCはコンディションを受けるとマイナス修正が積み上がるが、Vaesenは「激怒して+2」「恨みがましくつぶやき、PCの暗い過去を暴く。-1」などのように演出的な行動をする。その挙げ句に、Vaesenは、正しい儀式を実行しないと完全には退治できないので、最後の列まで行っても「崩れ落ちて死ぬが、1D6時間後に、墓場で復活する。すべてのコンディションを回復する」とか書いてあったりする。
 再生する鬼たちの再現もこれで出来る。
 最後の行には「+2。身体テストをする。成功数だけ致命傷かコンディションが回復する」とか書いてあればよいのだ。藤の花の毒や日輪刀はこれにペナルティを与えるが、血を飲めば、回復力は上がる。
 首を切らねばならないのは、頭部・首への致命傷を与えない限り、毎ラウンド、致命傷を1-2個再生すると書いておけばいい。
 いける、いける!

 Year Zero Engineは、みんなで協力し、作戦を組んで強大な敵を倒すというシチュエーションを再現するのに向くので、バトルの形式さえ決まれば、剣戟やファンタジーに囚われる必要がない。例えば、アニメ化も決定した新世代サッカー漫画「ブルーロック」における二次審査の3VS3もこれで再現できるのである。

 うおー、燃える!
 ・・・という訳で、関係者の皆様、よろしくお願いします。

 「ざつ」な営業でした。

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