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『ざつ』 お気楽TRPG日記52。リプレイは必要なのか? とか、今日もシャドウラン(猫、エジプト、お助けNPC)とか。
概要:還暦間際のTRPGデザイナー、朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)が適当なことを『ざつ』に書くエッセイ。だいたい、TRPG関連の思い出とか雑談とか、シナリオ作成やGMの裏話。今週もシャドウランな日々、結構、『ざつ』だなあ。
リプレイは必要なのか?
先週、開催したアンケート:「ザ・ループTRPG」のリプレイっている? 終了。396票もの投票ありがとうございます。「ミステリーランドスケープの使い方が知りたい」などのご意見も含めて参考にさせていただきます。
結果は以下の通りでした。
【緩募】アンケート:「ザ・ループTRPG」のリプレイっている?
欲しい。テキストでもいい。66.9%
動画じゃなきゃいやだい 8.6%
いらない。 5.1%
日本版設定でやってほしい。19.4%
396票
まあ、欲しいですか? と言えば、いらないとはなかなか答えにくいと思いますので、5.1%の「いらない」、8.6%の「動画じゃなきゃいやだい」をお答えいただき、感謝します。実際、「日本版設定」でやってほしい、という声が19.4%あるというのもなかなか貴重な意見です。
それはさておき、実は、アメリカのフーバー・ダムLOOPのような日本公式の設定はありません。巻末の八日市場ループは、あくまで、ホームタウン・ハックの実例にすぎません。みなさんが、キッドとして遊びやすい場所を探してください。プレイグループやGMのホームタウンがあるならば、そこがいいでしょう。ダメならば、「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」の世界観を使ってもかまいません。
それはさておき、何か方法で紹介リプレイっぽいものを書いてみましょう。さーて、どこにしようか?
今日もシャドウラン それはネコですか?
週末は土日ともに、シャドウラン。
土曜日は、横浜をベースにした日本版キャンペーン。
ヤクザからの依頼がなぜか、新宿歌舞伎町での猫探しに変わり、PCたちの探偵事務所はついに、「猫探し」の実績を解除、後は「浮気調査」かな。
まあ、シナリオが猫探しになったとはいえ、ただの猫探しで終わる訳もなく、その猫の正体をめぐり、クリッター知識を持つ者が猫の特定を進める。
その猫を霊視します。
エッセンスは減っていませんか?
変なタグはついていませんか?
猫は光りますか?
猫の霊紋や電紋に異常はありませんか?
猫は何かを放出していませんか?
それ、本当に猫? 何、その『ざつ』な識別方法。
実は「シャドウラン」世界には、あまりに多くの猫のデータがある。
まず、5thの基本ルールブックにも、大型の猫のデータがある。いわゆるライオン、トラ、豹などを扱うためのデータだ。魔法やサイバーで強化していないランナーには十分に脅威である。
クリッター・ルールブック「Howling Shadows」には、もっと多数の猫が登場する。
まず、イエネコ(Domestic Cat)がいる他、ペット用に改造され、ちょっといい匂いがしたり、光ったりするDNA調整済のネコもいる。キメラ化され、フクロモモンガ(シュガーグライダー)とネコのハイブリッドで滑空翼を持つシュガーキャットもいれば、ちょっと大きいネコ(別名シベリアトラ)をサイバー改造したウォーフォーム、シアワセサイバートゥースタイガーは、有名な兵器化動物である。バイオドローンの猫爆弾じゃないことが分かっても、その他に、ちょっとToxicなネコ(青白く光ったり、何か熱線を吐いたりする)とか、共振力を持ったネコ(テクノクリッター、猫の場合、バステト)とかもいる。あと、猫に見えるが、獣の精霊だったり、シャーマンのアストラル体だったりするかもしれない。ちなみに、以前の回で出てきた某水族館では、ラッコのふりをした獣の精霊が魔法的な番人になっていた。
ドラゴンが猫に変身していないと、誰が言えよう!
とりあえず、大きくてデカい牙が生えている時はさておき、猫という外見で安心できないのが、シャドウランである。
シャドウランナー、エジプトへ
日曜日は、シャドウランのエジプト。ヨーロッパのランを終え、地中海でバカンス中に呼び出されてアレキサンドリア図書館へ。
スフィンクスのかけらを取って来るだけの簡単なお仕事なのに、気づくと、なぜか、スフィンクス相手に相撲取りとテコンドー使いが肉弾戦をする羽目に。
シャドウラン世界のエジプトはイスラム法国家で、魔法を認めておらず、国内での魔法の使用は禁止です。しかし、ハレー彗星通過後、ギザのピラミッド周辺にアストラル構築物が出現し、観光資源になったこと、メガコーポからの圧力もあり、古代エジプト魔法の使い手が増えています。
コプト教も合法です。古代キリスト教の系譜を継ぐコプト教はイスラム法制下のエジプトでも信仰を集めており、特に早くからテクノマンサーやハッカーを保護したことから、マトリックス上での存在感が強まっています。
首都カイロは、エジプトの中心であり、通商、製造、観光などで栄えている。エジプト考古学博物館には古代エジプトの遺物が多数収められているが、公開されているものはわずかな比率だと言われている。
ピラミッドとスフィンクスを含むギザ台地の考古学調査はカイロを本拠地とするシングルA企業アペップ・コンソーシアムが独占している。この会社はエジプト資本とされているが、近年、ミツハマが狙っているという噂がある。(2078年頃に、ミツハマが買収し、傘下に収める)。
エジプト第二の都市で最大の貿易港であるアレクサンドリアでは、考古学調査や遺跡の再建が進んでいる。アレクサンドリア図書館の復興に尽力したのは、グレート・ドラゴンのマサルである。マサルは、日本帝国からフィリピンを解放した英雄的な若いグレート・ドラゴンとして有名だが、近年は古代の魔法を学ぶため、考古学調査に出資しており、アレクサンドリア沖合に再現した図書館に入り浸っている。
Sixth World Streetpediaによれば、エジプト周辺にはそのほかにも長命なドラゴンがおり、彼らはグレートではないものの、エジプトの神々やファラオの名前を名乗る程度には強力である。ハトシェプストを名乗る女性ドラゴンもまた考古学遺物に興味を持っているようだ。
お前ら、その『ざつ』な名乗りはヤメロよ。
シャドウランで手が足りない?
じゃあ、雇おう!
Twitterで、西上さんが「手が足りない時にNPCを雇うルールがあるといいね」という話をしていたので、私の実例を紹介しておこう。
まあ、もともとシャドウランには、つてを辿って手助けを得るルールがあるのだが、もっとざっくりしたルールとして、私が使っているものだ。
チームでスキルが不足する場合、デッカーやメイジ、リガーなどをNPCで雇うように言いますね。デッカーは大変なので、リモートワークが可能なので、NPCがサーバーのレーティングと戦って勝てば、警報解除ぐらいの感じでNPCを頼むのがよい。その場合のお値段は以下の通り。
5000新円なら、ダイスプール10、リミット5
10,000新円なら、ダイスプール15、リミット7
そこから先はダイス+3、リミット+1ごとに、倍々ゲームだよ。
ドローンは原価で(使い捨ててもいいように)
もちろん、現場での直接戦闘なし。
1場面のみの救援策。
リガーもこの値段+(載ってくるヴィークルの値段の10%)
ヘリ呼ぶ時は覚悟しろ。
あ、ミサイルも有料だから。
値切ると、無誘導ロケット弾に変わる(散乱判定)
ここにマッコイじいさんの顔が入る(エリア88参照)
魔法使いも、精霊の貸し出しをしてもらう感じでアウトソーシングするとよい。物品の鑑定や探索魔法などの場合は、デッカーと同じ感じで。
戦闘込みで、現場に精霊を出張させるなら、こんな感じ。
精霊なら【フォース】の二乗✕1000新円(助力2)
追加の助力は1回ごとに、【フォース】✕1000新円。
依頼は、フィクサーとかコンタクト経由がいい。交渉や条件次第で、到着時間が変わりかねないので、最初に、到着時間とかを決めておけ。
特急料金(+10,000新円OR倍額)の場合、来るまでに1D6+2分。
魔法に関するお仕事の料金は『ストリート・マジック』にもあるので、興味がある人はそちらもどうぞ。
ここで紹介したのは、『ざつ』な感じで、支援を買う非公式なルールね。
まあ、でも、困った時に、依頼人やフィクサーにSOSを送るのは無駄じゃない。失敗するよりマシだから「報酬減らしてでも応援送る」とか言える。
ほうれんそう(報告連絡相談)はビズ(仕事)の基本だよ。