
『ざつ』 お気楽TRPG日記36。ビデオが壊れた。玉座の闇とか、ザ・ループとかTHINGS FROM THE FLOOD。後、「加速する闇」発売中。
概要:還暦間際のTRPGデザイナー、朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)が適当なことを『ざつ』に書くエッセイ。だいたい、TRPG関連の思い出とか雑談とか、シナリオ作成やGMの裏話。先週はハードでしたよ。
ビデオが壊れた。
えー、ビデオが壊れました。まあ、10年もののVHSビデオテープレコーダーなんで、いずれとは思っておりました。なぜ、VHSかというと、我が家には、VHSの録画テープが30年以上分ありまして、なぜかアートランド版「銀英伝」180話とかあったりするので、リビングで家族用に使っているデジタルレコーダー(ケーブルTV端末兼用)の他に、仕事場用は、VHS機が現役だったりするのです。
還暦前の老人としては、テープが回って録画しているという物理面の安心感もあります。まあ、『ざつ』な老人向けです。
それも最後の1機がテープを噛んで動かなくなった。ちょうど7月期のアニメの溜まったのを見回そうかと思っていたところなので、さて、困った。
家族会議をした結果、もうどうせ配信でいいじゃない? パパがVHS必要と思えば買えば? ぐらいの『ざつ』な結論になった。今でもVHS機はいくつか売っていて、何年かに一度、2万ほどの安いやつを買い替えていたが、テープが高くなった(6時間3本で2000円弱)のと、構造上、W録画出来ないので、デジタル機の調達を行いつつ、「サブスク配信だけでどこまで見られるか?」を試してみようかと思います。
仕事柄、AmazonPrimeやNetflix、BANDAIチャンネル、Huluに、NHKオンデマンドに入っているので、見る体力と時間だなあ。
ゲーム学校で「玉座の闇シーズン4 魔王復活」
先週は超ハードでした。毎年、ゲーム学校で1年生向けの前期の授業として引き受けている「ゲーム研究」は、アナログ・ゲームを遊んでその歴史と構造を学ぶというものですが、ついに、RPG編の最終回「LARP+マーダーミステリー」(兼・コスプレ大会)だったのです。
TRPGを遊んだので、コスプレしてLARPもどきをやっていたのですが、2019年から、これに人狼要素を入れたゲームを始め、それが発展してライブアクション型マーダーミステリー「玉座の闇」シリーズとなりました。
最初は本当に人狼ゲームでしたが、シーズン3「五王国会戦」は、20人以上分のシナリオブックを用意し、ファンタジー世界の戦記物に起こるミステリーという扱いになりました。ゲーム学校の授業は人数が変わりやすいので、調整も簡単なようにして、シーズン3は12-21名対応という、実に『ざつ』なゲームとなりました。
よっしゃー、今年も授業に合わせて、新作作るぜ!という形にしました。
ひとつ、問題が発生しました・・・クラスに最大28人もいる。それも出席率がいい! まあ、講師としては、いいことなのですが、つまり、28人分のシナリオブックがいるってことだよ。
……という訳で泣きながら、28名分のシナリオ・ブック(各10P)を、水曜日の当日朝までに書きました。初日1クラス公演を経て、犯人が不利過ぎたので、リライト。2日目朝にもう3クラス分印刷して3公演。誤字脱字、サマリーを修正して、金曜日の朝、もう2クラス分印刷して2公演。6回で参加者120名ぐらいという微妙にアバウトな感じですが・・・
まあ、うまくいったら、製品版を作ります。『ざつ』
後、「加速する闇」発売中です。
ザ・ループとか。THINGS FROM THE FLOOD。
日曜日もゲーム。「ザ・ループTRPG」の続編的な立ち位置の「THINGS FROM THE FLOOD」RPGのルールブック掲載キャンペーンを遊ぼうというもので、その第一回「Of Flesh and Steel」をプレイ。
「THINGS FROM THE FLOOD」は、「ザ・ループ」のシモン・ストーレンハーグが描いた続編的なグラフィック・ストーリー「フロム・ザ・フラッド浸水からの未知なるもの」(グラフィック社)を原作とするTRPGです。「ザ・ループ」が1980年代だったのに対して、「フロム・ザ・フラッド」は1990年代後半が舞台、あのループが閉鎖され、地下から湧き出した謎の浸水によって、メーラレン湖諸島の北半分は封鎖されてしまいます。ロシアのAI粛清から逃げてきたAI(人型ロボット)、通称「流れ者」たちは汚染された浸水地帯に住み着き、家を失った人々は島の南部で避難生活を送っています。
このゲームでは、そんな時代に生きるティーン(14-19歳)となり、メーラレン湖諸島に起こる奇怪な出来事に関わっていきます。システム的には、「ザ・ループ」と同じYear Zero Engineを使用し、ナラティブな要素の大きい作品ですが、PCがティーンになったことで、青春の闇の部分も描き出される青春ホラーSFとなります。「プライド」の代わりに、「羞恥」が設定され、キャラが恥ずかしく思う部分が出来たり、仲間の中にあるちょっとした軋轢を描いたり、肉体や精神の傷跡も生じます。
遊んだシナリオの内容は、公式シナリオなので避けますが、色々ホラーで面白かった。
なお、ティーンのタイプ「Seeker」(ニューエイジ系のオカルト好き)を選んだキャラクターがNPC設定に「カリフォルニアの友人」をぶっこんできたので、「急に1990年代ニューエイジの解像度が上がった」。いや待て。
念の為、解説しますと、「カリフォルニアの友人」とは、拙作「ブルーローズ」シリーズに登場する陰謀組織のひとつ、セレスティアル・ゲートを表す隠語です。これはアメリカ、カリフォルニアのUFO系ニューエイジ組織で、マッドサイエンティストとか美少女戦士とかいる。アニメが大好きである。本来なら、こういう別ゲームのネタをぶっこむのはルール違反だったが、参加プレイヤーが全員ブルーローズ経験者だったため、妙に、しっくり来てしまった。
プレイ後の打ち上げでも、時代性がぐいぐい刺してくる。
「フロム・ザ・フラッド」の舞台は1990年代後半。「ブルーローズ」に登場する公式NPC、美少女戦士ギャラクティカは、この時、リアル小学生で、「セーラームーン」を見ていたはず! とか盛り上がりました。
世代がバレるTRPGだな。
『ざつ』に終わります。