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すごい笛師・蘭照さん

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唄口部分しかない?!

そうです。これは篠笛の頭部管です。
ピッチの微調整ができるように、
笛師の蘭照さんにお願いして作っていただいたものです。

フルートのように組み立て式の楽器は、頭部管を抜き差しして
管の長さを変化させることができ、
それによってピッチの微調整ができます。

が、篠笛はただの竹の一節。

もちろん、、そこがいい。
そこがいい。
そこがいい・・・・

しかし、
わたしがやっている音楽のように、ピッチが合っていることが、
重要な音楽シーンでは、本当にムズイ。

もうリップコントロールしか使えないのですから。

ピアノはピッチ調整を演奏の都度にできませんが、
弦楽器や管楽器は必ず演奏前にみんなチューニングしていますよね。
それに値するものが篠笛にはありませんので、

今のように寒い時期だと、
ピッチが相当低くなっているのですが、

あ、低い・・・・相当、低い・・・

と覚悟する以外どうしようもありません(笑)
笛吹きならおわかりですが、
ピッチを上げながら吹く(カリ奏法)は
本当にパフォーマンスが出せないのです。


というわけで、頭部管を作っていただいたのです。

しかしながら、やはり金属部分があるせいか、
この部分から割れが生じ、

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このような姿になってしまいました。
むむむむむむむむ・・・・・(´;ω;`)ウゥゥ

この笛はもう20年ほど前でしょうか、
ずいぶん前に作っていただいたもので、
色々と理由があって、結局、篠笛はそのまま一節の姿で、
ピッチコントロールは稽古といくつか笛を揃えることで、
対応しようというのがわたしの結論でした。
そのため、頭部管はこの1管のみです。

お囃子などの民俗芸能のなかで奏される笛に、アンサンブルのなかでピッチを合わせる、という目的はなく、
そもそも、音楽がそういう価値観でできていません。

それは西洋音楽と比べて、劣っているとか優っているとか、全く違う話ですが、自身がやっている音楽シーンは、ピッチが合っているかどうかは、重要視されていますので、いくら笛だからといっても、無視できるものではないんですね。

篠笛も古くから我が国にありますが、こんな風に演奏者のやりたい音楽シーンに応じて、さまざまに改良や試作が重ねられてきています。
笛師の蘭照さんは、本当に何百本というか、何千本ではないでしょうか、
凄まじい数の笛を作ってこられ、
ペーペーの若手であったわたしのような演奏者の要望に、
耳を傾けてくださり、こんな手の込んだ笛をも作ってくださいました。

蘭照さんは、演奏者の要望に応えようとしてくださるので、
まさにものすごい数の試作、改良版があります。

篠笛が既存の民俗芸能の枠から、飛び出て、
さまざまな音楽シーンで活躍しだしたのも、
このような職人さんによる楽器の進化と同時進行で、歩んできたからこそです。


古い楽器のように見えますが、
実に最先端、ひとつの姿にとどまることなく、
まだまだ進化しそうです。

明日は蘭照さんのお誕生日です。

蘭照さん、
お誕生日おめでとうございます。
そして、いつもありがとうございます!!







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