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『キャプテンウルトラ』第3話「磁石怪獣ガルバンあらわる」(1967年4月30日 )
「お知らせします。ただいまR5星の宇宙灯台に重大事件が発生、宇宙船の着陸が不可能となりました。宇宙船は当分の間、木星への旅行を中止致します」。
宇宙船を誘導するR5星の宇宙灯台にバンデル怪獣ガルバンが出現。宇宙灯台は宇宙船の遭難を防ぐという重要な仕事をしている。宇宙灯台を守るため、R5星に向かうキャプテンウルトラ。宇宙灯台守を題材にしたSF版『喜びも悲しみも幾歳月』。
スクラップ怪獣の元祖、磁石怪獣ガルバン。劇中ではジョーに「ポンコツ野郎のクズ鉄のお化け」とからかわれている。ガルバンの魅力は背ビレ(磁力発生装置)の展開や、両目のシャッター開放といった数々のギミック。細やかなディテール描写はジャイアントロボの演出に活かされた。
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「磁石ならば逆電流を流せば消せる。そして倒すんだ!」。
主人公を「超人」ではなく「英雄」として描いた『キャプテンウルトラ』。人間対怪獣の構図は『ウルトラQ』(1966年)と同じだが、空想科学で解決する『Q』と違って、『キャプテン』の場合は現実的な方法が用いられることが多い。ガルバン戦では怪獣は逆電流作戦で倒されている。
『キャプテン』怪獣は「奇跡」によっては倒せない。ただ人間の「努力」だけがそれを可能とする。のちの仮面ライダーシリーズにも引き継がれる平山亨プロデューサーの思想。