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JBCF石川ロードレース レースレポート

大会名:JBCF石川ロードレース 

開催日:2021年7月11日

開催場所:福島県石川町

距離:13.6km×8Laps=108.8km

天 候:雨

リザルト:18位(チームメイトの今村選手が優勝)

写真は @kasukabevisionfilmz さんより

過酷なマッドレースとなった富士見大会から1週間。今週はMTBからロードバイクに乗り換えて、福島県石川町で開催されたJBCF石川ロードレースに参戦した。富士見大会後は脚の疲労よりも泥の影響と思われる腹痛に苦しめられたが、週の半ばには無事に回復。土曜日のクリテリウムには参戦せずに日曜日のロードレース1本に絞り、万全の体調でレースを迎えることができた。

石川のコースは登りがかなり厳しいと聞いていたので、展開によっては自分にも勝てるチャンがあると思っていた。試走時にはフロントギヤを変速する箇所や、危険なコーナリングをしっかりと確認した。たしかに登りの斜度と長さは自分に合っていたが、下りが直線的で踏む箇所が多いために独走や少人数での逃げ切りは難しいコースだと感じた。チームの作戦としては前半から積極的に動いて可能な限り多くの人数を逃げに乗せて数的優位でレースを進めること。もし集団スプリントになった場合は今村選手で勝負するということを決めていた。

予報通りに朝から降り続いていた雨がスタート直前に止んだ。しかしレース中にまた降ってくることは間違いないだろうという雲行きの中、パレード走行無しのマスドスタートでレースが始まった。序盤から逃げを狙うアタック合戦でかなり速いペースで進む。MTBやシクロクロス同様のウォーミングアップをこなして準備していたので、苦しいが脚はしっかりと動いていた。チーム全員で固まりながら単独での抜け出しには反応せず、マトリックス、愛三、その他にも有力選手が複数でいった場合は必ずチェックに入るようにする。

1周目後半に河野選手が含まれる逃げが一度決まりかけるが、マトリックスが含まれていないためか集団のペースは落ちない。追い付いたタイミングで徳田選手が仕掛けるがこれも決まらない。そして3周目序盤の登りで愛三の草場選手、シマノの木村選手、マトリックスの安原選手が抜け出す。これに全日本チャンプの入部選手が追いかける動きを見せたため、自分も反応する。有力チームが全て含まれている上に集団内に疲れが出ていたタイミングだったので、この5人の逃げは必ず決まる予感がした。これまでのロードレースでは逃げを決めるときにはとにかく力尽くで動いてきたが、今回は脚こそ使ったもののメンバーを見極めて冷静に動くことができたように思う。

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短い間隔でローテーションを回しながら、集団とのタイム差はどんとんと開いていく。入部選手が「後ろも止まっているので、後半に備えて踏み過ぎないようにしよう」と声を掛けてくれたことで、5人で協調して良いペースで走ることができていた。脚も技術も経験も兼ね備えた選手達と走る時間は本当に楽しい。中盤まではそれほど踏まなくてもタイム差が開いていったため、5人とも余裕がありけっこう会話をしていた。「逃げ切れれば最低でも5位にはなれるし、雨レースでのリスク回避にもなるから良いよね」と話していて本当にその通りだと思った。(とは言いつつも心の底ではみんな勝ちたかったことも間違いない)

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足並みが揃っているからか非常にペースが良く、集団とのタイム差は4周目には3分にまで広がって逃げ切りの可能性も出てきた。まずは逃げ切りを確実なものにしてから後半に勝負と5名全員が考えていたと思う。途中愛三が集団を牽引しているとの情報が入ったために草場選手以外の4名で回す場面があったが、1名減るだけでこんなにキツくなるのかと思った。自分としては後半まで体力に余裕はあったがそれは他の4名も同じに見えたため、いよいよ逃げ切りが確定したならば早めに仕掛けていく必要があると考えていた。

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ラスト2周回に入る直前に安原選手が飛び出す。自分はアタックかと思い即座に反応したのだが、どうやらポイント賞を狙う動きだったようだ。ポイント獲得後に安原選手は後ろに戻ったが、自分としてはせっかく飛び出したのだからこのまま行けるところまでいってみようと思い、そのまま登りでペースを上げて独走に持ち込んだ。5kmほど逃げた後にコース中盤で追い付かれてしまったが、ここまでのロードレースでは人に合わせて動く展開しかできていなかったため、悪くない挑戦だったと思う。コース後半の登り口で入部選手がキレのあるアタックをするが、これには何とか反応できた。

いよいよこの5名での勝負になるかと思ったが、ここにきて集団とのタイム差が急激に縮まってきている。アタック合戦は一旦やめて、再び協調して逃げ切りを狙うことにする。ラスト1周に入る時点でタイム差は1分を切り、必死にローテーションを回す。特に入部選手の引きが非常に強烈で着き切れしそうになるが、なんとか耐える。ラスト4kmの登りに入った時点でタイム差は25秒。ここまで来たら逃げ切りたい気持ちもあるが、現実的には厳しいだろう。なにより木村選手のアタックに反応しようとした瞬間に両脚を攣ってしまい、自分に勝てる脚はないことが分かった。

前の4人から脱落してすぐにペースの上がった集団に抜かれるが、チームメイト達が3名も数を残して先頭を固めていることが分かった。兒島選手が「時さんお疲れ様でした」と背中を叩いてくれる。みんな余力を残しており、勝ってくれる気がして頼もしかった。できる仕事は既に終えていたが、ゴールするまで全力を尽くすことが自分の知っている自転車レース。先頭集団から落ちてきた選手を何名かパスして18位でのゴールとなった。そして今村選手の優勝を知る。今村選手の強さはもちろんのこと、チーム全員が仕事を全うして勝った完璧な勝利であったと思う。本当に嬉しかった。

ひとつ個人的な反省としてはラスト4kmの登りでタイム差が25秒、しかもチームメイト達が集団を引いているという状況だったのであれば、逃げ切りをかけて脚を攣るまで追い込む必要はなく、一旦休んで集団を前待ちして合流すれば良かったように思う。回復力には自信があるので、あの場面で20秒でも休めていればペースの上がった集団に着くことができたように思うし、もしかしたら最後のスプリントに加わることができていたかもしれない。

しかしながらロードレース4戦目の今回は非常に内容の濃いものにすることができた。自分には勝つ力が無かったが、少しでもチームの勝利に貢献できたこと、そして今村選手が勝ってくれたことに本当に感謝している。

また一緒に逃げたメンバーもとても強く安定した走りで、今回も非常に多くのことを学ばせてもらった。たったの5人であそこまで逃げ続けられたことは、あのメンバーで無ければ不可能だったと思う。心から感謝しているし、次にまたロードレースで戦わせてもらうことを楽しみにしている。

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そして日本では数少ない公道レースでの大会に協力して頂いた地元住民の皆様、昨年の中止を乗り越えて開催頂いた主催者の方々、いつも万全のサポートをしてくれるチームとスポンサー各位、応援して頂いた方々に感謝致します。本当にありがとうございました。

次戦は1ヶ月後の国内MTB戦白馬大会を予定しています。連勝がかかっているので、しっかり準備して臨みたいと思います。

今後とも応援のほど宜しくお願い致します。

TEAM BRIDGESTONE Cycling

沢田 時

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使用機材

バイク ANCHOR RS9s

コンポーネンツ SHIMANO DURA-ACE R9100シリーズ

シューズ SHIMANO S-PHYRE RC9

ヘルメット Kabuto IZANAGI スペシャル・チームカラー

グローブ Kabuto PRG-8(ブラック)

ウエア Wave One         

サングラス OAKLEY 

サプリメント  SAVAS(株式会社明治)

ヘッドバンド   HALO 


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