『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』ネタバレなし感想

 見てきましたよ。休日、子供が沢山いる上映館で! 大人しかいない時間帯で見るって選択肢を考えた方、確かにそれも正しいかも知れませんが、やはり子供向けアニメは子供の反応も見たくなるのが私個人の楽しみでして。プリキュアも敢えて子供の多い時間帯に行ったりします。大人との視点の違いを見たかったので。

 前作『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は、その内容からSNS上で別の映画と比較されたりする騒ぎになりましたが、実際見に行ったら優しさのミルフィーユ鍋で超絶の落涙と大満足感を得られる傑作でした。前作放映がもう2年前ということで、満を持しての第2弾ってわけですよ! 今現在アマプラでも見れるので、初見の方は事前情報なしに見てほしい。

 さてさて。レビューだけで満足せず、全力で楽しんでほしいのでネタバレ伏せ感想にします。「レビューだけ見て映画見に行った気分になろう」というのは物凄く勿体ないので推奨しかねます!

前作と同じく泣けるか?

 泣けるか否かは個人差ありますが、結論から申し上げますと「前作と同様の感動を得るために見る映画ではない」です。

 前作が山あり谷ありの構成なら、本作は緩やかな高低差を楽しむピクニックみたいな感覚で、肩の力を抜いて楽しめる作品に仕上がっています。私は胸の内があったかくなりましたが、落涙することはなかったです。

 ただし全く心が動かないわけではなく、伝えたいテーマや、胸に刺さるシーンが随所にあるため大人の視聴にも十分堪えます。子供向け作品でも、子供だましではないしっかりとした作品です。

どのすみっコがメイン?

 前作はかっp……ペンギンがメイン的なポジションにいました。ゲストキャラとの交流が一番深いコ=その映画のメインと私は考えています、そうなると本作はトカゲでしょう。次回作があるならシロクマが来て欲しいと思う私。とんかつメインの映画……ってそれ『ミノタウロスの皿』になりそうで怖い。このコだけ「食べてもらう」という明確な終活に勤しんでいるのが他のすみっコ達と一線を画している気がする。

舞台が前作と違う

 前作は「すみっコの集う家」「喫茶店」「本の中の世界」という3か所で展開された物語で作中の8割は本の中の世界で繰り広げられる活劇がメインでした。誰でも、それこそ子供でも知っているお伽噺や童話を舞台にしているため、子供たちも舞台設定について複雑に考えるリソースが減っています。そのため活躍するすみっコの性格や大まかなキャラクターを掴ませることに集中出来るように仕上がっています。可愛さ極振り。

 本作は異世界から魔法使いのコ達が来ますが、映画クレヨンしんちゃんみたいな「世界を支配してやる」とか「誰かを連れ去りに来た」みたいな突飛な思想を持ちません。あくまでも町にふらりとやってくる不思議なお話でまとまっており、行動範囲もすみっコが生活する世界の範囲を逸脱しません。つまり本作はすみっコ達が普段どういう世界にいてどんな生活を営んでいるのかが詳しく描かれています。あの世界でのお金の扱いどうなっているのか物凄く気になる……。

ナレーションは相変わらず良き

 前作同様すみっコ達は吹き出し文字で言葉を発しますが、声は一切ありませんし口パクもなしです。このアニメはナレーションだけで進行します。

 物語の大筋に関しては本上まなみさん。軽いツッコミやすみっコへのフォロー等をするのは井ノ原快彦さん。絵本の読み聞かせみたいに柔らかい丁寧な語り掛けなので子供にも安心。大人が見ても一切気がかりなく見れる。

新キャラの「ふぁいぶ」

 魔法が上手く使えない。でも魔法が上手くなりたい。五人組の末っ子、英数字のファイブで安直な名前だなあと思いましたが、こった名前だと新キャラが結構出てくるこの映画で、更に魔法使い5人の名前とか小さい子供覚えられんわ。

 魔法がてんで駄目なコの上に、ちょっとした魔法で一大事な局面になったりする。でもしっかりフォローされます。皆優しいからめちゃくちゃのほほんと見れます。彼とトカゲの友好が物語の核になるので、トカゲファンは悶絶しそう。

魔法使いコスチュームとか可愛い

 こういうマスコット映画は見ない性質だった私でも、すみっコ達は可愛いと思っています。前回は童話のキャラに変身、今回は魔法使い。箒で飛ぶシーンは色々と笑えますので必見。

映像の工夫

空一面を現わす場面、雲に顔が付いています。でも物語上特に何にも関係ありません。

湖は上から見ると顔があります。でも物語上全く関係ありません。

 何気ない画面の何気ない描写。これは子供に退屈させないようにする配慮なのですかね? ちょっと「ふふっ」と笑える描写です。癒され度合いが半端ない。

是非とも毎年のシリーズ映画にしてほしい

 本作のキーワードは「夢」。子供も最後まで食い入るように見ていましたので、騒がしい劇場を想定していた私にはかなり意外でした。

 すみっコ達は子供は勿論、大人も楽しめる作品ですので次回作は来年春にもお願いしたい。というか毎年2本くらいやって欲しい。大事なことを説教臭くなく子供に伝えられる作品は総じて傑作ですし、後の人生の財産になるので!

 以上、ネタバレなし感想でした。皆様も劇場へぜひ足を運んでみて下さいませ!

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音霧カナタ
サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。