不思議な計算

2つの定積分を考えます.

1.$${\displaystyle{\int_1^\infty\frac{1}{x} dx=\infty}}$$

2.$${\displaystyle{\int_1^\infty\pi(\frac{1}{x})^2 dx=\pi}}$$

いずれも広義積分(変格積分)ですが1. は$${\displaystyle{y=\frac{1}{x}, x=1及びx}}$$軸とで囲まれた図形Aの面積です. 2. はAを$${x}$$軸の回りに回転した回転体の体積です.1. は発散し2.は有限の値です. つまり1.を塗料で塗ろうとしても面積は有限でないのでいくら塗料があっても塗り切れませんが2.より回転体の体積は有限ですので液体(例えば1.で使った塗料)で埋めることはできます.
 よく考えると不思議です. 何故なら2.の断面に1.(の2倍の図形)が含まれています. 埋めることはできるのにその断面を塗ることができない図形です.

$${\infty}$$を扱うと"常識"に合わないことが起こります.