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【社員インタビュー#1~後編~】39歳で社長に抜擢 取締役社長 宮谷恒平 

前後編にわたって、Tokio Marine X の取締役社長 宮谷のインタビューをお届けしています。後編では、今後のTokio Marine X のあるべき姿、意気込みなどについて聞いてみました!

▼前編は下記よりご覧ください!

やろう、東京海上じゃ、できないことを。


ーーTokio Marine Xを通じて、どのようなことを実現したいですか?

宮谷:保険会社の可能性をとことん追求したいと思っています。具体的には5つあります。

1つ目は、日本でエンベデッド・インシュアランスを最も成功させる保険会社 です。

一般的には保険商品は非積極購買の分類に入る商材であり、残念ながら顧客から積極的に“この商品が欲しい!”と指名買いされることは少ないと思います。大切な人が病気や事故にあわれてしまい、身近でリスクを認識する機会に遭遇した場合や、代理店さんや信頼している人から保険について募集・紹介された場合などに加入検討される商品で、お届けするタイミングやルートが重要です。

これまで保険会社は、自動車を購入する際に自動車保険、住宅を買う/金融機関から住宅ローンを借りる際に火災保険、旅行を申し込む際に旅行保険、と商流に親和性がある保険を組み込むことで、販売件数を伸ばしてきました。つまり、「商流の後に保険がある」という構図です。

一方で、その商流自体も利便性・効率性等の観点からEコマースやWeb手続きに置き換わってきており、商流の後の保険の加入手続きもデジタル化していく必要がでてきました。組込み型の保険といわれるエンベデッド・インシュアランスが、今後の保険の主たる販売導線になるかもしれません。そんな将来を見越して、ビジネスパートナーのビジネス(商品・サービス)に保険手続きを組み込むことをまずは実現していきたいです。

2つ目は、保険商品の多様性 です。

グローバルで見るとP2P型の保険商品も出来ており様々なチャレンジがなされています。日本では、株式会社justInCaseやジャパン少額短期保険株式会社が加入時0円で、発生した保険金を加入者でわりかんするという保険料後払いのビジネスモデルを実現されていますが、顧客にとって透明性の高いビジネスモデルだと思います。まさに相互扶助を体現している商品と言えます。
それ以外にもLemonadeのような寄付型などグローバルで生まれるInsurtechの事例をベンチマークしながら、ビジネスパートナーと共にイノベーションを起こすような商品開発をしていきたいと思っています。

3つ目は、保険金の代わりにサービス提供や現物給付を行うこと です。

保険商品の価値が具現化されるのは、事故や損害が生じた時、つまり損害サービスのタイミングです。真の意味で保険商品の顧客体験とは、ストレスのない加入体験や利便性だけでなく、事故や損害が生じた際に、感動するほどの体験ができることだと思っています。損害が発生し金銭給付する経済的な補填のみならず、お客様の不安に寄り添い、保険金をお支払いする代わりに価値あるサービスの提供や現物を給付することの方が重要と考えており、その感動的な体験があれば信頼を寄せていただけると思っています。どうすれば熱狂的なファンを作っていけるのか、そこにも挑戦していきたいと思っています。

4つ目は、UX です。

「保険手続きは煩わしいし、保険商品は複雑でよくわからない」、これが、一般的な消費者の認識です。当社は迅速に事業を立ち上げ、新商品をどんどん出していきたいという想いから、レガシー化しない、内製化しないシステムとしてSaaS(Software as a Service)を導入しました。加入から保険金のお支払いまで全てデジタル手続きとし、アクセスログを解析することで、徹底的に不便さをなくし、痒い所に手が届くUXをパートナーのSaaS事業者と実現していきたいと考えています。ユーザー目線でサービス向上を考え続け、頻度高く改善しつづけるという当たり前のことを実践していきたいのです。

今までの保険会社にないゼロストレス体験と心地よさを体現するためには、そのUXを徹底的に追及しているIT企業などのビジネスパートナーと組むのがベストと考えています。そもそもUI/UXに対する思考プロセスや改善頻度、かけるリソースなど従来の金融機関と圧倒的に異なるため、学ぶ機会が非常に多いと考えております。


5つ目は、東京海上グループへの貢献 です。

少額短期保険事業は収受保険料が50億円までと保険料取扱いに上限があります。東京海上グループにとってみれば、仮に上限に達したとしてもあまりインパクトのある売上規模ではない。だからこそ収保・収益という指標以上に、事業運営そのものからシナジーを出していく必要があります。

当社は0→1で立ち上げたため、既存業務がなく東京海上グループの中では最もデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組みやすい事業環境にあると思います。DXをいち早く体現する会社として、様々なチャレンジをし、そこで得たノウハウや知見を東京海上グループへ還元していきたいと思っています。


リーダーの器以上に組織が成長することはない


ーー宮谷さん個人としては、今後どのようなことを目指していますか?

宮谷:過去に仕えた上司からの教えで、今でも大事にしている言葉があります。それは、「リーダーの器以上に組織が成長することはない。リーダー(経営者)は孤独で見えている世界感は異なるものの、メンバーの多様性を組織の活力にすることができなければ、事業・組織成長はない。」というものです。

これまで私は、組織長という経験はなく、周りのメンバーのサポートのもとで仕事をしてきました。今は取締役社長として小さいながらも組織長であり、その器が試されているのだと思います。まだ答えに辿り着いてはいませんが、VUCA時代だからこそ多様性を組織の活力にすることが重要視されており、社員それぞれの強みを引き出し、弱みを補完し、限界値を超えるような挑戦を後押しすることができるか、多様性を組織として調和しながらアウトプットに繋げることができるかが問われていると思います。

これまで、経験不足や知識不足で挑戦しても上手くいかなかったことの方が多いですが、その失敗をつみ重ねたからこそ、自身の判断軸が養われ、プロジェクトの遂行やリスク感覚が身についたと感じており、これからも恐れず挑戦することでリーダーとしての器を大きくしていきたいと考えています。


経営とは「意思決定」。なぜ資金も人材も豊富な大企業が衰退しイノベーションが起こらなくなるのか。新興企業やスタートアップに市場を取られてしまうようなことが起こるのか。大企業ならではのイノベーションのジレンマや組織のサイロ化、アイディエーションが生まれにくいという要因があるかもしれません。また、株主に対する説明、企業文化、ガバナンスやルールとしての費用対効果等の尺度の理由もあるかと思いますが 、それも全て「意思決定」で解決できるはずと思っています。要は経営者次第。そう自覚して、経営手腕を磨いていきたいと思います。



※撮影のためにマスクを外しています。
※このページの情報は取材日時点のものです。

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