地面師たち全7話を見終えて
中の人、実は20代の頃
金融&不動産の会社に勤めておりました
今回ご紹介するNetflix「地面師たち」は
「ああ、こうだったよな」
「そうそう、こうやって本人確認していた」
その時の記憶を蘇らすシーンが多く
かなりリアルに描かれておりました
(実際には殺人など滅多に起きませんでしたが)
この地面師・詐欺師という人々
借金まみれ、欲まみれ
ドロドロに濃い人達を相手に営む
手形割引(金融)という業態では
日常的に出会う人達でありました
会社に入社して初めての研修期間
(これが今考えると金融機関としては短く3日間くらい)
会社が独自に作った研修資料
「私の失敗談」という冊子を読んで勉強しました
そこには詐欺の手口とともに
どうすれば騙されなかったのか?が
詳細な手口とともに書かれておりました
しかし
失敗談で学んでいるはずの
貸付営業担当者も不動産審査部門担当者も
数年に1度は騙されておりました
(地面師・詐欺師も常に騙すテクニックを上げる為)
今回Netflix「地面師たち」では
不動産の売買という物語でしたが
金融の場合、保証人が替え玉(偽者)
債務者(借主)が替え玉など手口があり
現役中に経験した手口としては
不動産担保融資で
債務者(借主)が懲役に行っている間に
(※懲役とは罪を犯して刑務所に入っていること)
債務者の妻と間男(浮気相手)がグルになり
懲役に行っている夫の不動産を担保に
2000万円ほどを借りて失踪
懲役から帰ってきた夫が
会社に怒鳴り込んで来て事件が発覚
当然、懲役に行っていた事実は
公的に証明できるので不動産に付けていた
担保設定は職権抹消で無効
融資したお金は回収不能となりました
奥さんなどの身内が共犯の場合
身分証明書の再発行は比較的容易な為
免許証の写真などはしっかり間男の顔
そして現地確認も奥様が間男と一緒に
仲睦まじく行われました
ご存知の方もおられるかと思いますが
詐欺というのは他の犯罪と比べて
得る利益と罰が釣り合わない
つまり比較的、罰が軽いんです
ですので勤め人だった23年前は
数千万円の被害額の場合
騙されて警察に駆け込んでも
中々、捜査されず
「欲があるから騙されるんでしょ」
「金融業なんかやってるから仕方ないでしょ」
といったような雰囲気で対応されました
結果、回収不能
会社としては損金処理(会社経理上)で終えました
その当時の会社の社長は昭和バブル期
一代で200億円ほど資産を築いた方で
いつも中の人に
「欲があるから騙されるんだよ」
と言っておられました。
中の人が29歳の年(2000年)
若干56歳でお亡くなりになられました
20代の頃、社長から直々に仕事を任され
色々な失敗と成功を経験させて頂いたから
今の自分がございます
その社長がもう一つ
20代血気盛んな自分に常に言っていた言葉
「犯罪は仕事ではない」
「犯罪になることは行ってはならない」
これは人生を歩んでいく上で非常に大切なこと
一時的な利益を追求するのではなく
長い目で見て考えて行動することの大切さを学びました
私の周りでは一時的に大金を稼いで
消えていった方々が多くおられますが
ちゃんと実業で稼いでおられなかった方は
もうお目にかかられる事はなくなりました
苦労して得たお金は
次に活かした投資が出来ますが
労無くして得たお金は羽が生えたように
どこにいったのか?
いつの間にか、儚く無くなるものです。
そんなことを思い出させてくれた
面白い作品でしたのでNetflix「地面師たち」
是非、
時のホテルの涼しいお部屋65インチの大画面テレビで
お楽しみいただければ幸いでございます。