レバノンでアプリの課税をきっかけに抗議のデモ

 中東の小国レバノン共和国で、10月18日大規模なデモが発生した。デモが起きた理由は、無料のスマホ通話アプリに税金がかかる法案をレバノン政府が発表したことにあった。

 レバノンは巨大な財政赤字に苦しみ緊縮政策を推進していてその一環としてアプリ課税を打ち出したのだった。

 しかし長期的な不況に苦しむレバノン国民にとってこの増税策は我慢できるものではなかったのである。

 レバノンは中東では珍しくキリスト教徒が多く、かってはフランスが統治

していたことがあったが、第二次世界大戦中の1943年に独立し、観光と金融

産業で繁栄し豊かな国であった。

 しかし1975年に勃発した内戦が長引き、インフラが破壊され経済も疲弊

していった。

 さらにシリアやイスラエルと周辺諸国の軍事介入を受けてますます政情

不安を招いたのである。

  古来レバノンの地は交易の民であるフェニキア人の故郷であり、レバノン人には商業の才能がある。

 しかし戦争やテロで国土が破壊されて本来の力を発揮できないでいる。

日本で有名なレバノン人と言えば東京地検に逮捕された日産のカルロスゴーンや俳優のオマーシャリフやキアヌリーヴスらがいる。

 レバノンの財政赤字は2000年の時点で、GDPの140パーセントを超える

ほど拡大していたが、シリアとも国交を回復し少しずつましにはなってきている。

 しかし依然として豊かと言えず些細なきっかけでいつでも爆発する状態

だったと言える。

 デモ隊はタイヤを燃やすなどして気勢を上げていて解決の目途はたって

いない。

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