40.髑髏本尊記憶術①

昔の大道芸記憶術は、人寄せパフォーマンス、記憶術の実演、記憶する本の販売の3つ部門から構成されます。最近の大道芸では、ステージショーが多く本の販売を伴わないことが多いため、この動画では、以下の2部の構成としました。
1.第一部、人寄せ
ここでは、語り口上、怨霊、弘法大師をテーマにしました。昔の記憶術では、苦学生スタイルがありましたが、あえてパフォーマンス効果と昔の大道芸の特徴を伝え、現代でも存在感がでるようにするため、あえてこの3つをテーマとしました。
(1)昔の大道芸は語り口上
 江戸・明治の頃は、話し言葉、書き言葉、語り言葉が明確に区分されており、芸能関係は浪曲、講談など語り言葉のセリフが主流でした。大道芸も辻説法など節を付け、コブシを震わせ、更に往来の注意を引付けようと絵解きと言って図絵を示しわかりやすくしていました。この絵解きは掛軸型と絵巻型があり、ここでは絵巻型を用いました。
(2)怨霊こそ日本のホラーストーリー
 日本でも欧米でもホラーものは人気があります。欧米のホラーは正義と悪魔が戦うという勧善懲悪型が多く最後に正義が勝ってハッピー。日本のホラーは仏教の影響で死んだ者の恨みが、祟る怨霊物が主流です。無念を残した弱者の怨念が因果応報で後々まで祟り、それを取り除くのは高僧の功徳というストーリーです。(日本霊異記、雨月物語)。ここでは、その高僧としては弘法大師が現れることとしました。
(3)弘法大師と記憶術
弘法大師・空海は聖徳太子、菅原道真と並ぶ日本三賢人の一人で超人的逸話が多くあります。その空海が経文を暗唱できない弟子たちのために残したのが虚空蔵求聞持法*1です。現在の連想式記憶法にも勝るこの記憶法が真言立川流、高野聖などを経由して大道芸になっていったようです。(後記、「日本の記憶術の遍歴」を参照) つづく

#伝統芸 #幻の芸 #大道芸
 

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