日本の子どもたちが漢字を学ぶのが大変なように...1
漢字を覚えるのは大変ですね。教育出版というウェブサイトによると、小学校で習う漢字は学習指導要領で定められていて、2017年3月に告示された学習指導要領では小学校1年生から6年生までに習う漢字の数は1026字となっています。
新聞が読めるようになるためには約2000字が必要だと言われていますから、小学校でその半分の漢字を習うということですね。こりゃ大変だ!漢字を覚えるためにうんこ💩ドリルが流行るのもうなずけます。学び方はどうあれ、漢字の読み方、意味、書き方が覚えられるのであれば、なんでもトライしてがんばってほしい、というのが親や担任の先生の願いではないでしょうか。
それに、現在は 海外から日本に移住して、日本語がわからない子どもたちがクラスに増えていると聞きます。Japanese as second/additional language の生徒たちにとって、日本語の学習期間にもよると思いますが、漢字を覚えることが苦痛でしかないような生徒も多いのではないでしょうか。現場での先生の悲鳴が聞こえてきそうです。
そして、英語を勉強中であれば、英語のスペルを覚えることを苦痛に思っている日本人の生徒、学生さん、社会人の方はたくさんいらっしゃると思います。そして、ほとんどの方が、ネイティブ・スピーカーだったら、きっと簡単に英語のスペルが(自分たちより)容易に覚えられるに違いないと思っていらっしゃることでしょう。
英語のネイティブ・スピーカーは赤ちゃんの時から英語に触れて育っているわけです。お母さんの言葉をマネすることから始まって、幼児期では生活で使う言葉、遊びや絵本を通して言葉を増やしていく。
「スペルなんか知ってて当たり前じゃないの?日本語ほど難解な言葉も世界中にないよ。」「だって、英語はたかだか26文字しかないでしょう?」って思う方は多いはずですね。まさにその通りではあるのですが......。そして私もそう思っていたんです。もちろん、1026字の漢字を覚えるほうが大変に決まっていますが、こちらの生徒たちもスペリングを覚えることにとても苦労しているんです。
日本語であろうと英語であろうと言語を覚えるというプロセスは容易ではありません。日本人が漢字を覚えることがたやすくないのと一緒で実は英語のスペルを覚えることはこちらの子どもたち、学生でもとても大変なことなのです。
そんなわけで、昨日は小学校のPD (Professional Development=先生のためのセミナー)でどのようにスペリングを教えるかというトピックのワークショップがありました。
まず、インストラクターの先生が3つの単語を言います。そして、その単語を書いてみてというアクティビティをしました。私たちは小学校の先生ですから言葉に対してはほかの職業の方たちよりも洞察力があるといえるでしょう。
けれども、ほとんどの先生が3つのうち、二つは正しいスペルで書くことができませんでした。理由はその2つの言葉は結構トリッキーな言葉だったということです。それは普段の生活で使うこと (書くこと)がない言葉だったからです。何人かの先生は ’I have never heard of it!' 「そんな言葉、今までに聞いたことがない。」とおっしゃっていました。3つ目は逆にいつも使っていて間違える方がおかしいという単語でした。
インストラクターは言います。「私たちはこれを生徒にしているのです。子どもたちは耳で聞いて言葉、スペリングを判断することが圧倒的に多いのです。だから、聞いたとおりに書いてしまいます。では、どうやって正しいスペルを教えていけばいいのでしょうか。」
先生方は自分自身がどのようにスペリングを学んできたか、教えてきて効果があったかをシェアし始めました。
この続きは明日です!