「時松先生とわたし」事務局よりご挨拶

令和3年1月3日 時松辰夫先生が逝去されました。

時松先生がこの世にもういないのだと考えるだけでその不在を淋しく悲しく感じます。

時松辰夫先生は、卓越した木工デザイナーであり木地師、そして指導者でした。

技術を伝えることで作り手が自立し、作り手が地域に貢献できるように全国で後進の育成に尽力してこられました。相手が100人いれば100通りの言葉と教え方でそのすそ野を広げてこられました。

「時松先生とわたし」では、時松先生の考えの本質を確認し、共有することを目的として、それぞれの作り手が時松先生から何を学び、大切にし、受け継いでいるのか、日頃語ることのない作り手が語る場としたいと考えます。

そして、他の人の考えや作る姿勢に触れることで、作り手同士がより良く刺激しあう機会となり、時松先生の考えや言葉を通して、全国の作り手達とつながり交流が生まれることを期待しています。

例えば、時松先生の新著『山村クラフト』を読んで、クラフトを始めようとする人がネットで検索したときに「時松先生とわたし」を見つけ、作り手たちの言葉から、時松先生の考えをより深く知る機会となったら、そこから新しいつながりが生まれるでしょう。

時松先生が長年かけて築いてきた木のクラフトの世界を、より豊かに発展させるために私たちができることは、私たち作り手が真摯に作り続けること以外にないと考えます。

「時松先生とわたし」を読んで、少し元気になって明日からまた頑張ろうと感じあえる機会になることを願っています。

※この文章での「作り手」とは、一義的にはものを作る人を指しますが、それだけでなく、モノや価値を提供する場を担う人たちや、まちづくりをする人なども広義の意味での作り手とさせて頂きます。

  


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