「一」を彫ってもらった。
いざ、彫って貰うとなるとどの文字にするかで考え込んでしまった。名が『一生(いちお)』なのだが画数が最悪の六画でそれを印にはしたくなかった。同じ意味を持たせて改名するならと考えたのは季晴(すえはる)なのだがそれは知人なんかには違和感あるだろうしと堂々巡りになった。
漢数字の「一」にすることにした。
「一」と決めるまで30分ほど時間を要した。問題はどんな字体、デザインになるのかだった。
ストレートに『漢数字のイチなんですがどういったデザインにされますか?』と声を掛けると
「難しいのですが」と言いながら、その場で筆を走らせながら
「これでこんな枠をつけるか・・・あるいは・・・」
以前美術館で観た某書家の『一』は墨の加減を活かしてまさかの男性器のような体裁だった、それもアリだなと思いつつ呈示されたこのデザインに彫られる方の感性を見たように感じたし最初の一歩を目指して動きだし、枠をはみ出してゆくように取れたのでこれをお願いした。
30分後、枠の部分だったり外周に刃物をあてたりの作業を見つつ、そう言えば朱文(陽刻)か白文(陰刻)だか言ってなかったと少し不安だったのだが、特に言わない限り彫る工数が少ない白文(画像の状態)にするなと納得した。
「印泥でいいですか?」
「印泥は乾かないんですよね!」
「ああ、油分多かったですね」
「ええ。普通の朱肉やスタンプ台でいいですよ、書道で使われるなら印泥ですけど」
目の前で仕上がり試し押しされた。
『それでは、下に何かを敷いて右手の親指にあたる部分に印を付けております、それに親指を当てて左手を重ね「の」の字に回して「し」の字で離すです』
早く帰って押したい気持ちを抑えつつ次の立ち寄り先へ
帰ってまず印泥と朱肉とスタンプ台とを出してメモ帳に押してみた。朱肉が一番あってる。次に和紙を出して押してみた。予想以上にいい。何か墨を擦って書きたいとまで思えた。これをさりげなく使う時が待ちどうしい。
実にこのデザインが良い、身を捩らせながら枠を破ってゆくような感じがして押す度にその姿勢を自分に省みることになるのかと少し覚悟を孕みもした。
使用してる区切り線はタムカイさんのテキストノート用区切り線詰め合わせ作ったので欲しい方どうぞ【DL無料です】です。使ってみてあれっと思ったのは同じ画像を数度使い回す場合はアップロードではなくてコピーで、できないのだろうか?という点です。どうなんだろ
見出しの項目で区切るのが普通ですが罫線を画像にして区切るというやり方がもの凄く新鮮でしかもドロー系のプロがテキスト用に提供してるなんてこれが note なんだなと実感する次第です。
画像が本来は正方形なのに横方向への長方形になってます。この投稿では新規に購入したデジカメでのマクロ機能も試してます。
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