【with wedding vol.9】あなたの会場の集客経路ごとの来館カウントが「ホームページ:5」になっていたら失格です
※株式会社リクシィ代表安藤が寄稿したウェデングジャーナル
連載号:2018年2月号 第78号 の内容を転載しております。
ブライダル経営者サミットの講演で大きな反響をいただいた「自社ホームページの話」
2017年12月21日、ウエディングジャーナル主催の「ブライダル経営者サミット-"大予測&超対策”-COUNT DOWN2018」で、「もっとできる!インターネット集客とSNS活用の“最新“」のテーマでお話をさせていただきました。
参加されていた方々からも反響を頂戴し、その中でもご相談が多かったホームページの話を紹介させていただきたいと思います。多くの会場が自身のホームページに満足されていなかったり、紙媒体やインターネット媒体での集客に限界を感じる中、インターネット上で直接顧客にアプローチしたいと考えていたりする方は多いのではないでしょうか。「ホームページをどうするのが良いのか」「どんな風に広告を出せばよいのか」という話になりやすいのですが、その前にやるべきことがあります。
来館カウント、「ホームページ:5」になっていたら失格
どの結婚式場でも、どの集客手法で来館があったかをカウントしていると思います。「ゼクシィ:5、ゼクシィnet:10、紹介:2・・・」のような感じかと思います。複数回答なのか単一回答なのかは会社ごとに異なると思いますし、来店アンケートで集計するのか来店予約時に集計しているかによっても違うと思いますが、なんらか行っていると思われます。(ちなみに、私は絶対に単一回答派で、絶対に来店予約時派です)
その際、ホームページ経由の来館をどのようにカウントされているでしょうか。ほとんどの会場が「ホームページ:5」とカウントされているのではないかと思います。インターネット上から集客をしていこうと考えるなら、このカウント方法は即刻改める必要があります。
理由は、ホームページが集客をしているわけではないからです。結婚式場のホームページにユーザーが訪れる時、必ずホームページにアクセスするために何かの情報を見ています。それは、リスティング広告かもしれないし、SNS広告かもしれない、結婚情報誌かもしれないし、元々知っていたのかもしれないし、誰かに紹介をされたのかもしれません。
いずれにせよ、何も考えずに自分の結婚式場のホームページにやってくる方は存在せず、何かで認知したからホームページにいらっしゃるわけです。「ホームページ:5」を例えるなら、「今月の成約は15組でした、誰が何組成約したかはわかりません」と言っているようなもので、何の意味もない数字だと考えるべきです。
意味をもたせるには、「ホームページから来店された5組のお客様」が、何の広告で、どんなきっかけで、自分の結婚式場を知ってくださったのかの内訳をカウントすることが必要です。それがわかると、どの広告に意味があり、どの広告に意味がなかったかが一目瞭然となります。効果がでている広告や施策は強化し、そうでないものは改善すれば辞めればいい。誰でも判断ができる状態になるでしょう。
どうすれば内訳がわかるのか?
最もスタンダードな方法は、google analyticsで解析をすることです。ホームページから来店予約が入るとどの広告、どの流入経路からきたユーザーなのかがわかります。さらに、どのページをどの順序に見て、来店予約に至ったのかまで把握することが可能になります。この方法で少なくとも6割以上はきっかけを特定することが可能になります。(ここでは詳細は省きます)
残りの4割はどうすればいいか、ですが、答は「お客様に聞く」です。来店予約が入ったら、電話にせよメールにせよ、必ずリアクションをされると思いますが、「その際に聞く。」それが最も重要です。「え、聞いたら答えてくれるのか?」という反応が多いのですが、少なくとも50%以上のお客様が教えてくださります。お客様が覚えておられなければ「不明」で構いませんし、聞くタイミングがどうしてもなければ「不明」で構いませんが、解析ツールでわかる6割と、残りの4割のうちの半分の2割、合わせて8割わかれば十分と考えてよいでしょう。これで、「インスタグラムの運用がんばっているけど、どうなんだろう・・・」という心配をされている支配人も安心できるでしょう。
もっと言えば、ほとんどの結婚式場のホームページは、来店予約時に不要な項目が多く、その項目を削るだけで即効的に来店が増えるものです。
来店予約時の項目をとにかく削る
我々がおススメしている項目は以下だけです。
・名前
・ふりがな
・電話番号
・メールアドレス
・来店日時(1か所)
・来店者様
・ご質問/ご要望
*参考:gensen weddingのフォーム
例えば、「お相手さまの名前」「挙式希望時期」「希望人数」などの項目が入っている場合は削ります。それらの情報の有効性はわかります、それがわからないと来店予約を受け付けて良いか判断できないということもあるでしょう。が、それも含めて後で良いのです。まずアクションをしてもらうことが何よりも大事で、「後で良い」とは、お客様の来店予約のアクションの後、折り返しの連絡をする際にその情報を聞き、把握する。それで良いということです。
項目が少なければ少ないほど、来店予約率は明確にあがります。どの業種でも項目が少ない方がアクション率は高くなると言われており、特に結婚式場の場合は新郎と新婦おふたりですから、「相手と相談してから入れようか」となりアクションが進みにくいのです。「任意」としていても、「考えないといけないのか」と思うと、真面目なユーザーは行動を止めてしまったり、「そういやそれも話してからにしよう」と考えたりする可能性があります。「フォームまできて来店予約をしない」、これが最ももったいないケースですから、この改善だけで来店が増えることも珍しくありません。
ちなみに、gensen wdddingでは、確認画面も無しにしています。メールアドレスと電話番号、両方間違っているケースは1%もありませんから、確認画面でスマホの通信が切れてしまったり、誤操作で消えてしまうリスクの方が高いと考えるべきです。
フォームの項目を削り、来店予約の連絡を受け付けた後に、お客様に質問をする、そこで何で認知をしてくださったのかを聞く、それが重要です。
ゼクシィnet経由のカウントの考え方は?
フェア予約をゼクシィnetにリンクさせているがゆえに、ホームページ経由のお客様のカウントをとれないと思われるケースも非常に多いのですが、これもここで思考停止になる必要は全くありません。気にせず「何で知ってくださったのか」をお客様に聞けば良いのです。また、ホームページからの直接の来店予約が増えていたり、効果が出ている広告があったりする場合は、ゼクシィnet経由の来店予約も増えているはずだと考えれば良く、全く気にする必要はありません。
おわりに
今後、結婚式場が生き残れるかどうかは、「独自集客経路の開発」または「ブランディング」にかかっていると言っても過言ではありません。短期的な集客技術で増えた減ったをやるのも大事です。が、中長期的には少なくともどちらかを選ぶ必要が必ずでてきます。「独自集客経路の開発」を行う場合は、ホームページは生命線になりますし、効果検証をできるかどうかがすべてになります。
全員が集客に意識を向ける必要があると言われて久しいと思いますが、それは、フェアの更新、ブログの更新をがんばるというだけではありません。お客様のことをもっと深く知り、その情報をマーケティングに還元していくこともその1つです。それをできるかどうかで、大きな違いがでてくるでしょう。
「ホームページをどうするのが良いのか」「どんな風に広告を出せばよいのか」という話の前に、ホームページ経由のお客様は何で認知してくださったのかを知ること。こちらにぜひ取り組んでいただければと思います。
安藤 正樹 - Masaki Ando
株式会社リクシィ代表
花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し「トキハナ」を提供するウエディングプラットフォーム事業、ブライダル企業の事業をサポートするブライダルコンサルティング事業、ブライダル特化の人材紹介サービス「リクシィキャリア」などを提供するブライダルビジネスサポート事業を柱に展開。
ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創ることを目指しています。
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