第3回 令和の結婚式を考える会の様子
トキハナ広報の菅井さくらです。
今回も、先日の【令和の結婚式を考える会の様子】に続いて、トキハナが主催となり8月に発足した「令和の結婚式を考える会」について、現代の結婚式に対して意見や知見を持つ方々がどのように議論を進め、どのような意見が交わされているのかを紹介したいと思います。
10月に開催された第3回会議には、ハヤカワ五味さん、松岡宗嗣さん、江連千佳さんが参加しました。
今回のnoteでは会議で話題となった3つのトピックを取り上げます。
・参加メンバーが感じた結婚式の不満
江連さんは、結婚式に対して感じる違和感のひとつとして「新郎新婦」という男女二元論的な表現が挙げられると話しました。
一般的には結婚式において男性が先に立つという考え方が根強いように感じるが、様々なアイデンティティのカップルを包括するような表現の方がふさわしいのではないかと。
また、松岡さんからは、結婚式には家父長制や家制度の名残を感じる場面があり、具体的には結婚していない男性向けのブロッコリートスが子孫繁栄の象徴として行われることや、ファーストバイトで互いにケーキを食べさせ合う場面では、女性側は「ご飯をつくる」、男性側は「食べるものに困らせない」という意味があるなど、固定的なジェンダー規範が反映されているように思えると指摘がありました。
性別に関係なく対等な立場を表現するために、腕をクロスさせて同時にファーストバイトを行う事例も見たことがあり、こうした新しい意味づけによって従来の慣習もより自由に捉えられるのではないかと語ってくれました。
[トキハナの気づき]
「新郎新婦」といった男女二元論的な表現は、現在も多くの場面で使用されていますが、これに違和感を抱く当事者がいることを広く認識させる必要があると感じました。
もちろん、すべての場面で使用を避けるべきとは限りませんが、呼び方も主催者側であるふたりの選択に委ねることが重要だと考えます。
・従来の結婚式を「変える」ということ
江連さんは、結婚式に対する違和感の多くが、由来や意味を知らないまま、単なる慣習やマナーとして受け入れられている傾向があるのではないかと話しました。おせち料理のように、一つひとつの意味は知らなくても、なんとなく「こうするものだ」と受け止めていることが多いため、背景や変える理由をしっかり伝えないと、ルールの変更に抵抗がある人には理解されにくいのではとの意見が。
松岡さんからは、結婚式場のプランナーが背景や文脈を丁寧に伝えることで、主催者もより理解しやすくなるだろう。自分がジェンダーに関心がなくても、参列者のことを考えてジェンダーバイアスを無くしたいと思う人も多いと思うので、そのような説明があると安心して選択できると語ってくれました。
実際に先日結婚式を挙げられた江連さんも、ウエディングドレスに憧れている人も多いことから、いきなり「白の意味は」と説明されると戸惑う人もいるため、伝え方には工夫が必要だと話しました。
[トキハナの気づき]
確かに、世の中はもちろん、業界側も結婚式の一つひとつの慣習の意味や由来を知らない場合があり、それ故に主催者も「由来を知らないまま」実施されていることがあると感じます。
解決するには、結婚式の意味や由来について、業界側でできるだけシンプルかつ明確に整理し、結婚するふたりにもその意図や背景が理解されるよう努めることが必要です。
一方で、結婚式はあくまでふたりが主役のイベントであり、ふたり自身が意味づけを大切にし、自分たちらしい形で進められることが最も尊重されるべきだと考えます。
・脱ステレオタイプへの配慮
松岡さんは、性的マイノリティの立場から、結婚式業界では当事者に向けた結婚式の事例発信が少ないと感じると話しました。
また、結婚式における選択肢が「新郎/新婦」「ドレス/タキシード」といった二択に限られている点に違和感を覚え、さらに、式場の設備についても「誰でもトイレ」など多様な人々が利用しやすい環境が整えられると良いとの意見が。
ハヤカワさんからは、「新郎新婦」というステレオタイプを避けるため、結婚式場のイメージ写真には必ずしも男女カップルを映す必要はなく、同性カップルの事例や、どちらか片方のみを映すことで多様な解釈を促すことができるのではないかと提案がありました。
松岡さんは、多様なニーズに対応してもらえるかどうかが分かると安心でき、また、そのような取り組みを積極的に行う式場が評価される風潮が広がるべきだと感じると話しました。
[トキハナの気づき]
結婚式業界が当事者に向けた情報発信を十分に行えていないという課題はトキハナでも何とかできないかと検討しています。
ステレオタイプからの脱却を目指すためにも、式場のホームページなどで同性カップルやジェンダーフリーウエディングの事例を掲載する取り組みを、生成AIの活用も推奨しながら積極的に進めるべきだと感じました。
・まとめ
令和の結婚式では「ふたりだけの定義」をもって進めることが理想ですが、自由にアレンジする中で、大切にしたい由来が無視されるリスクを避ける必要があります。
ふたりが意義を理解しつつ自由に選択できるよう、業界側がうまく整理された選択肢を用意しなければなりません。
ただでさえ結婚式の定義が曖昧である中で【ふたりに負担をかけずに】いかに我々が導くことができるかが重要です。
「令和の結婚式を考える会」では、主催者とゲストが令和時代にふさわしいと感じられる結婚式を提案すべく、従来の結婚式文化を見直し、新たな形を定義していきます。
今後も会議で集めた意見をもとに、結婚式の不満や課題を解決するプロジェクトに取り組んでいきますので、ご注目ください!
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