見出し画像

ブライダルコミュニティー研究会「令和時代のブライダルを考える」11.6レポ

こんにちは。リクシィ広報の佐志です。

2019年11月6日に開催されたブライダルコミュニティー研究会第38回にて「令和時代のブライダルを考える」というテーマについて安藤が登壇しました。
今回は、当日の内容をレポさせていただきます。

ブライダルコミュニティー研究会とは
ブライダルコーディネーター(BC)修了者OB会が運営を行い、BC講座修了者のフォローアップに寄与することはもちろん、業界の発展を目指し、様々なブライダルに関する専門知識を始め、今後の結婚式・披露宴のあり方や未婚化・結婚喚起対策についての幅広く研究する会合です。

画像1

当日はゲストスピーカーとして(株)リクルートマーケティングパートナーズ
ブライダル総研所長 落合歩さんも一緒に登壇となりました。

会場は、全国からブライダル業界に精通されている方々が数多くいらっしゃっており大変盛り上がっておりました。

画像2

前半パートでは、落合さんよりマーケットの状況・カップル像・結婚のスタイル そして、令和時代のカスタマーデータについてお話いただき、後半パートは安藤より令和時代のブライダルにおける今時のカップル像・多様化する結婚式の価値観・コーディネーターとしての対応についてお話しました。

ブライダル業界から見た、今時のカップル像

画像13

まず始めに現場感からお話していきます。
弊社へご参画いただいている会場において集客に成功している特徴はただ1つ。

×    写真がイケてる会場
○   個性と便益が明確な会場

「どんな」結婚式が出来るのか明確に分かる会場が成功している状況です。
そして結婚式を挙げるカスタマーのボリュームゾーンは25歳〜35歳、列席経験ある方が多く一定の知識がある方が多いですが、もっとマクロ的な情報をお伝えすると…

スライド24

スライド25


場所重視から内容重視になり、情報は「SNS」へ、価値観は「多様な結婚式を求め、そして消費は「何をするか」が大事にされています。

エクストリーム層ではありますが
例えば森の中の廃校で一泊二日間の手作り結婚式をしたり、

呼ばれた人ではなく、行きたい人が列席するクラウドファウンディング婚も多様化な結婚式の一つだと言えるでしょう。

そして、結婚式において感じられる違和感は大きく3つ
「わざとらしさ」「非本質的」「コスパの悪さ」があると考えています。

スライド29


従来のTHE結婚式は価値観に合わないし、そもそも持ち込み制限や紙の招待状の非効率さ、本質的じゃないよね?そして結婚式ってどこにも費用の全体感が書いていなくて、不透明だしコスパが悪い。

この3つの違和感を感じ、従来の画一的な結婚式はやりたくない。
けど、個性的すぎるのも自分たちにとってはハードルが高い。
どうしたらいいのか分からない。という方たちが非常に多いのが現状です。

結婚式、失敗したくない
けどこうしたい明確なものはない
けど自分に合ってるのがいいという葛藤

この思考に対して、どうアプローチしていくのか。

THE結婚式が好きな層を狙っていくなら今までの在り方で良いものの、
今後、THE結婚式への疑問層を狙っていくとしたら
大前提として、まずは「結婚式は、こういうものです」はもう禁句にした方が良いと思っています。

パーソナライズと多様化

スライド32

令和時代のカスタマー像、キーワードは「パーソナライズと多様化」
だからこそ、個々のお客様にあわせて考えていくしかないということが、1つ大きなヒントになると考えています。

以前、結婚式の意義について呟いたツイッターがバズり、
「祝福をもらうためだけに結婚式する訳ではない」という内容に対して多くの人からご賛同いただきました。

そしてそれをきっかけに多様化する結婚式の価値観に関するアンケートを実施したのですが、結果から言えることとしては結婚式の意義は従来考えられているような「憧れの花嫁の実現」「祝福してもらえる」「世間体の保守」だけではなく、「家族の成立」「体験の共有」「覚悟・けじめ」「感謝を伝える」ことにあったと捉えている方が非常に多いことが分かりました。

スライド35

そしてそれらはあくまでも結婚式をした人が、結婚式を通して感じた意義であり、結婚式をする前のカップルは気づけない意義だと思います。

すなわち、世の中には結婚式の根本論があんまり伝わっていないのではないのではないかということ。

結婚式をしてみないと伝わらない価値にこそ、結婚式の根本的な価値があり
当日がゴールに見える結婚式、実はプロセスにこそ意味があるということをもっと発信していきたいと考えています。

スライド37


結婚式=祝福してもらうためにやるものという認識ををいかに変えて、お客様に向かい合えるか、ここが今後とても大事になってくると考えています。

コーディネーターとしてどう対応するべきか

では、令和時代のお客様に対して、どう対応していくべきなのか。
それは、視座をあげること。

スライド40

目の前にいるお客様に満足いただくことを思考すると視野から外れるのが、目の前じゃないお客様に満足いただくこと。
ここが盲点になっていますが日々の結婚式の事例を一つの作品として世の中に伝えていくことが重要だと考えます。
パーティーレポートだけではなくてSNSにエッセンスを注入して伝えていけたら良くて、それが個人、会場としての「便益と独自性」に昇華していくことができると良いと強く思います。

そして、お伝えしてきた通りパーソナライズと多様化が進み、カスタマー像が確実に変わってきている中で、具体的にどうお客様と向き合っていくべきなのか。

スライド42

3つの嫌の排除(わざとらしい、本質的じゃない、コスパが悪い)をし、自社媒体の活用をし、もっと世の中に触れる機会を作っていくこと。
旧態依然としたこれまでの在り方を変化させていくことが今求められていると考えています。

画像16

時代は明確に変化していて、カギはパーソナライズと多様化にあります。

・「結婚式はこういうものです」は禁句
・本質は共感されその事実を世間は知らない
・自分&自分の会場じゃないと提供できない価値を磨き上げて個性的にする

結婚式に対する食わず嫌いをどう無くしていくのか、個人、会社、そして産業レベルで構造改革していき、ウエディングの素晴らしさを伝播していきたいと考えています。

(そして、とりあえずツイッター是非フォローしてください!!)


質疑応答タイム

Q1.「結婚式しない人」が抱える結婚式に対する思い込みってどんなことがあるんでしょう?

A1.(落合さん)「結婚式非実施理由の根本にあるのはそもそも、『結婚式の本質的な価値』に気付いていないことにあると考えています。結婚式が自分たち向けではない、ある意味形式張ってしまっていて自分たちがやりたいことではない、プラスアルファで結婚式ってお金がかかるから、という発想がある。

画像5


初めて結婚式する人にとってははあれだけのことをやるのにお金がかかる、という感覚が結婚式の対してハードルが高くなる要因。

Q2.今後の結婚式の良さを伝える取り組みはありますか?

A2.(落合さん)過去の市場調査から、「結婚式への列席経験の有無(回数に限らず)と結婚式の本質的な価値を感じること」に相関関係があることが分かっております。
一方、結婚式への接触機会はコントロールが難しい領域だと考えていて、少なくとも結婚式列席の疑似体験のような形で機会を創出出来たら、とう観点で価値観が柔軟である20代の方々に向けて結婚式に触れてもらう機会を少しずつ増やしていく取り組みをしております。

(安藤)結婚式の良さを伝えるためには「メディアに露出していくこと」がめちゃくちゃ大事だと考えています。ちなみに弊社で今年6月にとくダネ!さんで結婚式報道があった際に『提供リクシィ』で放映していただき大喜びしましたが、それは置いておき。(笑)

令和に入って結婚式の価値観が変わってきているのはメディアでもかなりフォーカスされているのが現状で。
従来の「大聖堂でパパパパーン」なイメージからドラマなどでカジュアルでアットホームな結婚式パーティのイメージで撮影されていて、そこから
結婚式ってこんなのもあるんだなーみたいな、イメージが植えつけられている。

弊社のインターン生(20代前半)も、「結婚式のイメージは?」と聞くと「パパパーン」をイメージしているものの、その背景を聞くとTVとかドラマの影響が大きいようで。
この辺りの価値観・見せ方が変わっていけば、「結婚式=パパパーン」だけではなくもっと多様な結婚式を感じていただけるんじゃないかと。
とはいえ、マスメディアを動かすのってそう簡単ではないので色々な角度から、アプローチをしていきたいと考えています。

(落合さん)安藤さんが話している、「結婚式の捉え方、バリエーションを認識してもらう。」という発想は物凄く重要な観点だと感じます。

結婚した人の約9割は何かしらの形で結婚式をしたいと考えていて、そこにニーズはあるにも関わらず、「自分たち向けのものがない」と思い込み、結婚式って型でしょ。って思われてしまっていて。
「それぞれのカップルの形で選べるんだよ!」が広がっていく必要があり、社内において議論に上がっているテーマの一つです。

(安藤)今はオフラインがオンラインで広がる時代だと思っています。今までで一番バっとアクセス数が増えたのが「日経産業新聞の1面に記事になりました!!」という発信。

面白いのは今は紙面よりネットの風潮ではあるものの、新聞に掲載されたというリアルに抱く信頼ってめちゃくちゃ大きいと思っていて。

イベントを行ったことをきっかけに反響が広がったりと、どこにスイッチあるかはそれぞれ変数も多く捉えずらいものの多角的に露出していくことは非常に効果的であり重要だと考えています。

例えば結婚式の意義をまだ結婚式前のカップルに伝えるとした時に「当日だけでないプロセスの価値をどこで感じてもらうのか」は言語化の難しい領域のため非常に難しいテーマではありますが、事例を徹底的に磨き込んだ体験をメディア含め多方面へと発信していくことが出来るともっと波及させられるのではないか、と感じます。

画像4

(落合さん)「結婚式の意義に関しては、もう一つ着目すべきキーワードがあると考えて、それが『離婚』との相関関係について。
離婚をする時って、金銭感覚や価値観が合わなくなった時だと思いますが、結婚式はそれらの条件のすり合わせがパッケージとして集約されているイベントであり、お互いの家族が知り合う機会にもなる。
因果関係は分からないですが、結婚式を挙げている人の方が圧倒的に離婚率が低いというデータがあります。」

(安藤)「超共感です。もともと、結婚式とはお互いの価値観をとことんすり合わせ、家族として認めること、として古くから大事な機会として行われていたのが結婚式であって。
結婚式ってもともとそういった価値が本質として組み込まれていたよね。
というところをもっと伝えていけたらいいなと思います。
例えば、結婚式の準備期間にお互いの考え方を100個すり合わせできる本で話あったり、お互いと向き合う時間を過ごすことで、ゴールではなくプロセスにある価値がとても発揮されたりすると思います。」

Q4.最近、大学生と会話をする中で「自分らしい」結婚式というワードにアレルギー反応が出ている方がいましたが、自分らしさを追求する層と二極化しているのでしょうか?

A4.(落合さん)二極化というより、自分らしさを大事にする層とそうではない層がいて、それぞれ広がっているもののグラデーション層ももちろんいて二極化という枠組みで捉えるべきではないような気がしています。

「安心、定番、THE披露宴。」をいいなという層もいて、
グラデーションで「定番も自分らしさも大事にしたい」層がいて、
「自分らしさ、場所、時間、スタイル、形、全部こだわりたい」層が存在するという感覚で。

だからこそ「結婚式っていいね」を波及させるためには、その人ごとに違った伝え方をしていく必要があると考えます。

画像17

(安藤)改めて今回のプレゼン内容では落合さんの話とかなりリンクしており、新しい価値観の話やカスタマー変化など多様化しているマーケットに対してどうアプローチしていくかは業界全体の課題であることを再認識しました!

弊社では時代の変化を捉え、ウエディング業界をもっともっと盛り上げるべく、これからも精進して参りたいと思います!

https://souken.zexy.net/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?