【with wedding vol.28】ファミリー婚ニーズをつかまえる!
※株式会社リクシィ代表安藤が寄稿したウェデングジャーナル
連載号:2019年11月号 第113号 の内容を転載しております。
今回は、ファミリー婚ニーズをつかまえる!です。2019/10/17に記者発表会をやりました。テーマは、“家族のための令和時代の新しい結婚式 Combi×Choole『ファミリー婚』提供開始“というものです。ファミリー婚とは、いわゆるパパママ婚と同じで、産後に結婚式をしましょうという発想で、ウエディング市場の拡大につながる一手という観点でスタートしました。結婚式をしないと言われる45%の層の方々が、子を授かった時に動けば大きなポテンシャルがあります。これは創業時からやりたいと思っていたことでもあります。
「なし婚」を減らすためには2つの方法しかありません。
事前対応:結婚式をしないという判断がされない環境にする
事後対応:結婚式をやっぱりしようという環境にする
事後対応の観点では何らかきっかけが必要で、「子どもが産まれたから」というのは大きな理由になりえると思っています。ゲストハウスウエディングの浸透に10年かかりました。マタニティウエディングの浸透にも10年かかりました。裏を返せば10年かければ新しい文化も浸透するということです。10年かけて「子どもが産まれたら(産まれた後にも)結婚式をする」という価値をつくっていきたいと思っています。
事実、各社、新たな市場を発掘するべくそのようなキャンペーンやプロモーション、ブライダルフェアを開催したことがあるでしょう。ただ、なかなか市場の創造には至っていないのが実情かと思います。1社1社のアクションだけ世の中を動かすことは難しく、また事例が全くないものを拡げていく難易度も非常に高いです。とはいえ、続けていくことに価値はありますし、1社で継続することが難しくても、誰かが引き継ぎながら、産業全体で取り組むことでゴールできる可能性はあります。我々の取り組み自体も全く新しいというものではなく、過去に様々な媒体でも取り組まれていた(または、取り組まれている)ものですし、うまくバトンをつなげていくという発想をしています。
・・・と、ビジネスモード満開でスタートしていましたが、今回の記事では、「パパママ婚にまつわる実態」「どんなことができるか」をお伝えできればと思っています。
パパママ婚にまつわる実態
市場の創造という産業サイドの目線はお話をさせていただきましたが、お客様のことをもっと知る必要があるということで、アンケート調査をしてみたので紹介します。
20~40 代の出産後に結婚式を挙げた女性377名に対して結婚式の実情を調査しました。
今回のアンケート調査から分かったことは、
・ファミリー婚は子供との思い出に大きな価値があり、
・出産前にやりたかった方が過半数いる
・実際は出産後1年以内に周りの働きかけをきっかけとして挙げている方が多く
・自分の希望がきっかけになることは少ない
裏を返すと、出産後にママが「やっぱり結婚式をやりたかった」と思っても、事前に計画していなかったり家族の働きかけがない場合、結婚式を諦めてしまっている方が多いということ。さらに、出産後に結婚式をすることに抵抗を感じている方は非常に多く、「そもそも出産後の結婚式の事例が少ないことに起因する恥ずかしさ」や「今更感」や「子育てと両立させながら結婚式の準備をすることの大変さ」など様々なハードルがあることが分かりました。
どんなことができるか
出産後にママがやりたいと思ったら自然にできる環境を用意する。これは我々、結婚式産業側が働きかけていかなければならないことだと思います。そのために何ができるかと言えば、「最適なソリューション(プラン)を用意すること」「事例をつくること」の2点でしょう。
我々の場合だと、チュールウエディング上でパパママ婚向けのプランを用意して、combi社が提供する世界で最も高級なスワロフスキーがちりばめられたベビーカーでお子さまも一緒に挙式をするという内容になっています。実際、ファミリー婚は人前式でやることになると思います。子どもが泣いちゃうかもしれないと思うと、むしろそれ前提の挙式を組んだ方が良いと思いますし、もうすでに家族である以上、"家族の承認“というよりは"お互いの覚悟やけじめ""体験の共有"に主眼が置かれるべきでしょう。通常の結婚式とは似て非なるものになると思います。
combi社のベビーカーの有無はさておき、実際、ほとんどの結婚式場でパパママ婚の経験はあるはずで、既にそのようなオペレーションをされているのが実情ではないでしょうか。ただ、世の中に認知を得るには、その本人が自分の周りで事例を耳にすることがポイントになります。結婚式場サイドから、ホームページ、インスタグラム、twitter、youtubeなどのツールを活用して、それらの事例を発信していくことが重要でしょう。市場が爆発的に広がるには、著名人による事例が必要だと思いますが、そのタイミングまでに「既にそうなっている」という事実を積み上げていくことが条件になると思います。
我々は幸いcombi社というパートナーを見つけることができました。例えば、地場で展開されている結婚式場であれば、街の幼稚園・保育園や、地方自治体とコラボレーションしていくという方法も十分考えられると思います。イベント等で、実際に模擬挙式などを体験いただければ事例を知る以上の実感値をもってもらえることも十分考えらえれます。
おわりに
令和を迎え変化の兆しをどうつかんでいくかが重要かなと思います。そして、その変化自体を自ら生み出せるかどうかが勝負のカギです。1つのきっかけになればと思っています。
安藤 正樹 - Masaki Ando
株式会社リクシィ代表
花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し「トキハナ」を提供するウエディングプラットフォーム事業、ブライダル企業の事業をサポートするブライダルコンサルティング事業、ブライダル特化の人材紹介サービス「リクシィキャリア」などを提供するブライダルビジネスサポート事業を柱に展開。
ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創ることを目指しています。
twitter:https://twitter.com/antimo
Clubhouse:@antimo0926
note:https://note.mu/masakiando
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