「情報のフェアトレード」について
背景
なんとなく、情報は「受け取る」のではなく「取りに行く」という意味での情報共有力とはなんなのか?とかが自主経営(セルフマネージメント)に繋がるのかもしれないとか、そんな話。
与えれる情報は与える側のメリットしかない
一般論です。最近、私たちもブログやTwitterなどSNSを通じて発信したりしています。どういった目的のためにどういった人たちにどういったアウトプットをするか?などを自分たちで決めて発信しています。極端な話をすれば、この時に私たちが設定したペルソナやターゲットにしかメリットはない情報です。与えられた情報に食いついてからでも遅くないので更に深堀りするためにググりましょう。
取りに行く情報は自分の目的に沿った情報?
と言うと誤解を与えてしまいそうですが、人間なので多少のバイアス・自分の解釈について更に納得度を上げるための補足情報だったりはしつつ、取りに行く情報は実はリーチした情報が重要(勿論重要だけど)と言うよりは「リーチするまでの情報」にも気を払う事で自分とは違う意見やデータを見つつ自分の仮説検証出来ることが最も重要だと考えます。つまり、ググりましょう。
always look at the alternative
プロジェクト参画していると度々「コンテンジェンシープランを作れ」と言われます。これはつまりalternative(選択肢)のことです。そして得てして人間とは自分のバイアスが強い生き物なので8割くらいの可能性でコンテンジェンシープランを実施する頃には袋小路となり失敗します。なぜなら人はそんなにコンテンジェンシープランにコストを取れないからです。
情報検証
情報は取得するだけでは意味がありません。料理で言えば材料を買ってきただけという状態です。材料を料理すること、つまり情報の真意を検証する必要があります。そのための理論とかを枝的にググったりするだけでも良いでしょう。可能であれば本当にやってみるとなお良いと思います。最終的に自分の言葉にして別途アウトプットする(自分のブログとかSNSでもいい)ことで情報は自分のノウハウになります。
つまり、情報を情報のままにしておくことにあまり価値はなくて、情報をノウハウにすることが最大限価値化するものとなります。
ウォッチャーになろう
すくなくともエンジニアはWebやITやその他技術に関することはウォッチするべきだと思います。なぜなら「必要になってから調べる」とかでは遅すぎるからです。そう思ってしまっている時点で世の中の移り変わりのスピードを知らないということです。特にWebフロントエンドの世界の激流の速さは技術者にまばたきする間すら与えません。ではバックエンドは?インフラは?スピードに差があるにせよ技術の移り変わりのスピードはとても速いです。
自分たちは技術情報の移り変わりが行われる前に情報を取得して検証して評価してその技術情報をどのように今後の仕事・人生に活かしていくか?をラベリングする必要があります。採取した情報は検証してノウハウにするフローを自分で無理のない程度で作りましょう。習慣化することで更に効率よく情報を処理できるようになります。もっと自分の処理能力を鍛えて上げていきましょう。その習慣があなたという人間の市場価値をも上げてくれるでしょう。
なぜこの手法があなたの市場価値を上げるのか
この手法は何も世論や時事ネタや特定の情報を追いかけるだけではなく、とても汎用性が高く、恐らく自分が所属しているほとんどの業界クラスタで適応できます。
一部を除きますが、例えば自分が経験したことのある海運業界とか本当に閉鎖的な業界の場合、情報は全て価値なので課金ユーザーにしか与えられません。課金して更に取得しにいく者だけが勝つ仕組みになっています。その証拠に海運業界は「マリンネット」という情報サイトが業界情報を持っており10万円/月[^1]を課金しないと情報を得られません。個人で投資するには無理があるなーということで自分は海運を辞めました。
[^1]: 今見たら安くなっていた 。
しかし、閉鎖的な業界であることのデメリットがそろそろ皺寄せになってきています。それは人材が育たないし、人材が成長を感じられずに辞めていってしまうからで、こういった情報共有の考え方がそういった閉鎖的な業界の課題を解決するためにもしかしたら役立つかもしれないですよね。(全く役立たないかもしれないけど)
あと、こういった思想はオープンソースと親和性が高いというか、オープンソースの思想そのものが何事も独占せずにノウハウを共有することで集合知的なエンパワーメントを得ることに価値をい感じ重要視しているというものだと理解しています。つまりそれはノウハウはビジネスではなくて、ビジネスを実現するための手段としてノウハウがあるというものになります。ですので情報共有も手段です。
これを長年続けてきた人たち
これを何年も続けてきた人と、全くやって来なかった人とで自分は人生の有利・不利を決めるのではないか?と思っています。
例えば仕事です。僕は仕事をするために生きていません。プライベートを大事だと思うから極力仕事に要するコストを下げて受け取るお金を増やすことにフォーカスしています。状況的にはそれはまだ実現までは遠い感じですけど、それを実現するために今はというか自分のキャリア中ずっと投資してきたし、今もしているという状態です。そのために習慣化してきたことがこの情報共有やコミュニケーションや一連の情報のフェアトレード化です。なぜなら何事も一人では成らないことをよく理解しているからです。
情報共有と情報伝達フロー
私達は社内で非同期的なコミュニケーションをSlackで、そして資産的なノウハウなどをここesaで行っています。これは私達が社内で情報共有を行うために検証して落ち着いた手法です。自分はここの設計をした本人として極力意識したかったことは「情報のフェアトレード」です。(貿易ではあまりフェアな印象はありませんが)
情報のフェアトレード
ここに情報を置いておくから、情報が置かれたら取りに来てね
みたいな。家庭で言うところの母ちゃんが
晩ご飯にハンバーグを作ったので冷蔵庫に入れて置くから帰ったらチンして食べてね
と書いた手紙をテーブルに置いておくみたいな。大体の家庭でこういったメモ書きをテーブルに置いたり冷蔵庫に付箋紙を貼ったりとか運用ルールが決まっているのではないでしょうか?
正しく情報共有が行われるために、情報を渡す人が正しく評価される必要があります。そのために情報を渡す人が情報を取りに来ない人たちのために「いかに情報を読ませるか?」を意識させすぎてしまっては本当は本末転倒なのです。そのためには「情報を受け取る人」は「情報を取りに行く人」になるべきです。なぜなら「情報を渡す人」は得てして同時に「情報を取りに行く人」でもあるからです。(ブロックチェーンっぽさがチラホラ)
勿論、取りに行くに至るまでのUXの良さは考慮する必要はあると思いますが、「情報を共有する場所」に情報が共有された場合に自身が情報を取りに行かなかった事によりなんらかの齟齬が生まれたりして業務に影響が出た場合は、情報を取りに行かなかったことが問題視されるべきだと思います。
母ちゃんが置いたテーブルのメモ書きに気付かなかったから晩ごはんを食べられなかった
と言い訳をするのはメモ書きを見つける難易度がよほど高ければ別として、それは自分が自ら運用ルールを意識せずに情報を取りに行かなかったことが原因であり、暗黙的な情報もありつつも、それは決して母ちゃんの責任ではないはずです。(あえて母ちゃんに甘えるかどうか?は違う話です。母ちゃん、いつもごめんよ・・・)
そしてその「情報を取りに行くこと」と「情報を渡すこと」は自主経営(セルフマネージメント)に含まれる行動・思想だと思います。そしてこの自主経営(セルフマネージメント)が出来ている人が一般的に市場価値の高い人材なのではないかと思います。
正しい情報共有はどんな人を育成するのか
個人的には以下だと思っています。
* 自ら情報を取りに行く人
* 取得した情報をノウハウに落とし込む人
* 落とし込んだノウハウをまた情報として共有する人
* 組織・チームが機能することを意識する人
* 共に笑い・泣き・失敗・成長できる人
そして
イレブンナインのCrewは皆、市場価値が高い。なぜなら情報のフェアトレードをしている人たちだから
というところに持っていきたいと思っています。ということで今日のポエムでした。そんじゃまた(´・ω・`)