街でいちばんのアイドルグループ6⃣ RAY 12/5(木) @秋葉原 TwinBox Garage
藤色に白の切り返し、品があるワンピースが素敵だ。
フレアな袖ぐちにシルバーのRAYのロゴが小さく入っていて、かわいい。
そんな気分のなか突然始まったのは、
どしゃ降りの中アクセルを踏み続けるような「火曜日の雨」。
世界のシューゲイザーで最も華やかなポップアイコン RAY。
街でいちばんのアイドルグループ 6
RAY
<2024年12月5日(木曜日) NEW AGE YAON STORY 9
@ 秋葉原 TwinBox Garage>
始まったばかりの12月。
パーカーにざっくりしたネルシャツを羽織れば、
心地良いぐらいの寒さの木曜日、秋葉原の夜7時すぎ。
中央通りを渡り、客引の女の子たちを抜けると
人通りもまばらな細い路地にある秋葉原ツインボックス・ガレージ。
6月の横浜1000CLUB「てぃっぷフェス」では、
初めて去年話題だった「津軽よされ節」が観れた。
RAYを観るのは久しぶりだけど、持ち曲も多くジャンルも幅広いから、
何気ない平日夜のステージがどんなものになるかあまり予想はつかなかった。
通りに面したガラスばりの入口、
展示スペースのようなこじんまりとしたロビー。
隅の簡易的なドリンク交換場で缶入のハイボールを受け取り
すぐ奥にある重い扉をあけると、先行するグループが程よい賑わいのフロアを暖めていた。
ステージ転換の間にゆるむ空気、フロアのざわめき。
8時を過ぎた頃、Overtureとともに歩み出る、
今夜を締めくくる RAY。
明/暗のブロンドでクールな紬実詩さん、愛海さん。
CUTEで愛らしい月海まおさん、琴山しずくさん。
結成からグループを支え、広い活動に親しみを感じる内山結愛さん。
清楚な藤色に白の切り返し、すっきりして品があるワンピースが素敵だ。
フレアな袖ぐちに、シルバーのRAYのロゴが小さく入っていて、かわいい。
そんな気分のなか突然始まったのは、どしゃ降りの中アクセルを踏み続けるような「火曜日の雨」。 メンバーの瞳が猛っている。
今夜はいわく
ダウナーなセトリだったぜ!! 月海まお
とんでもなく攻め 琴山しずく
今日のセトリは堪らない人は堪らないのでは!? 内山結愛
RAYはなかなかの攻めセトリでした…… みんなはかなりの轟音を浴びたんじゃないかな 笑 紬 実詩
聞き覚えがあったのは、 Led Zeppelin「カシミール」のリフをもつ「世界の終わりは君とふたりで」と
1000clubでのフェス「かいヌュ」で 涙腺ゆるむ「わたし夜に泳ぐの」や
全盛期のアンダーワールドを思わせる靴ひもではなく銀河を見つめるような「フロンティア」などを連発してフロアが大いに盛り上がる中、ただでは終わらんぞとばかりに最後繰り出された「読書日記」だけだったけど、
至近距離で観る25分の塊のような腹にズシっとくるセットは
鬼気迫ってとても楽しかった。
ニコニコしながら歌う可愛いらしいしずくさんや、まおさんもちょっと見たかったけど「逆光」のイントロで体幹を試されるようなヨギーな姿勢をたもつ内山さんも見応えたっぷりだった。
(ライブタイトルが「NEW AGE YAON STORY」だったので、この日の裏テーマは今日聴ける中から一番ニューエイジ・ミュージックぽい曲を探す事だったけど、唯一のそんな瞬間は「読書日記」のイントロだった)
「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴いた人間は、全員バンドを組んだ」という微笑ましくも説得力のある伝説が似あう、
ささやかな自己顕示欲とシャイな立ち振る舞いでフィードバックに包まれた初期のシューゲイザー・サウンド。
それから40年余り。
今も世界で脈拍と続くシューゲイザーの影響を標榜するシーン。
BABY METALが最も愛らしいメタルであるように、
その世界で最も華があるポップアイコンはRAYなのかもしれない。
夜9時も過ぎた終演後の賑わうフロアを出て、さらに静まった中央通りを渡った秋葉原駅前の広場で可愛いらしい女の子から声をかけられた。
アイドルグループの子が年末のワンマンライブのフライヤーを手に
宣伝活動していたのだった。
所属人数が何十人かいる、いつの日かに観た覚えがあるグループ名だった。
愛想の良い子で会話は弾んだけど RAYの話しはちょっと入り組んでて
簡単には伝わらなそうだからしなかった。
穏やかな気候の日比谷野音を包み込む、冬の夜空のフロンティアは、とても気持ち良く格別だろう。