経営知識ゼロの保健師が、株式会社を設立して

10月が始まりました。
株式会社トキエノは3期目に入りました。

会社を設立すると決めてから、「10年日記」を書いています。
ちょうど1年前の日記を読むと、「会社が2期目に入る。1期目は何もできなかったし、何も生み出せなかった。」みたいな、不安な気持ちが書かれていました。

それもそのはず、私は法人化なんて1ミリも考えたことがなかったのです。
ひょんなきっかけがあり「株式会社であること」が条件のお仕事をお引き受けすることになり、株式会社を設立しました。

ですが、そのお仕事、なくなってしまったんです。
仕事なし、人脈なし、そして、予定していた売上はゼロに…結構落ち込みました。

でも会社は作っちゃったので「0」ではなく「1」からのスタートなんだと自分に言い聞かせ、涙も鼻水もキラキラに変えると心に決めました。笑

辛いことも多かったですが、今では「法人化して本当に良かった！！」と、心から思っています。
法人化するきっかけをくれた開業保健師の先輩たちには感謝しかありません。

法人化して良かったことは３つあります。

覚悟が決まった

法人化する前は、個人事業主として開業しました。
楽しく、自分のペースで、自分のやりたい仕事ができればいいな。これくらいの気持ちでやっていました。

法人化してからは「会社」という看板を背負うことになり、「代表取締役」という肩書きになりました。

主語は「自分」ではなく「会社」になり、「自分のやりたい仕事ができればいい」ではなく「どうしたら会社を知ってもらえるか」「どうしたら事業を広げていくことができるのか」ということを毎日考えるようになりました。
これは、のほほんと過ごしてきた私にとって、非常に大きな変化でした。

成長できる環境に身を置くことができた

法人化してからは、これまで以上に人脈が広がりました。特に、自分よりも先のステージにいる先輩経営者との出会いが格段に増えました。

これは、自分が会社の代表になったからなのか、それとも自分の覚悟が決まり行動が変わったからなのか。
この両方のおかげかなとも思いますが、たくさんの先輩たちから学びと刺激をいただいています。

「You are the average of the five People you spend the most time with.（あなたは、一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる）」というのは有名な言葉です。

心地よいコンフォートゾーンから抜け出して、少し背伸びする必要のあるストレッチゾーンに身を置くことが増え、この環境が今の自分を作ってくれていると感じます。

事業を広げていくチャンスが増えた

産業保健サービス、健康経営支援、研修講師。トキエノでは、これらの事業を企業向けに提供しています。
経営者の方々のお話を伺い、提案をしていく…これがサービスを導入していただくきっかけとなります。

（私はまだまだ新米経営者ですが）経営者同士で話ができるということ、「会社」ということで信頼してもらえること、こういったことから「法人化したことで事業を広げていくチャンスがたくさんできた」と感じます。

弊社の事業はおもに企業向けのため、BtoBサービス（企業間取引）が行えるということも強みになっています。

とはいえ、起業の最初のスタートは個人事業主で良かったとも思っています。

• 設立が簡単で費用が少ない：税務署に開業届を出すだけ(1日で完了)

• 柔軟な経営が可能：事業で得た収入から経費を差し引いた残りが所得

個人事業主にはこういったメリットがあったので、自分が「やろう！」と心を決めたタイミングで起業に踏み出すことができました。

この記事でお伝えしたかったのは、経営知識ゼロの保健師が株式会社を設立したら、本当に辛いし不安だけど、ものすごく楽しくて夢中になれたということです。

冒頭でお伝えした「10年日記」を書き終えるのは、2032年です。あと8年がどんなストーリーになっていくのか、楽しみです。